認知症２２人、鉄道事故で死亡　昨年度、列車脱線も

というニュースが掲載されていました

２０１４年度に認知症の人が当事者として死亡した鉄道事故が、少なくとも２２件にのぼることが国土交通省への取材でわかった。愛知県で０７年に列車にはねられて死亡した認知症の男性（当時９１）の遺族が、ＪＲ東海に訴えられた裁判が関心を集めており、同省は調査を続けて対策に役立てる考えだ。

高齢社会である日本では今後、更に認知症の人の事故などが増加することが考えられます。

重要なことは、そういった事にならないような対策を国や地域で行っていくことです

当然、家庭で行っていくことも大切です。

そうはいっても現在でも家族の方の負担は大きく、

ましてや高齢世帯などの場合、困難な事もあります。

例えば、80代の奥様が同年代の認知症がある夫の介護をしていたとします。

ちょっとした隙に外出し、何かしらの事故をおこしてしまう。

介護者である奥様に全責任があるのか？

家族の責任といえば、それまでですが、あまりにも酷です。

認知症で、家族の知らないうちに外出してしまって事故を起こしてしまう。

それをどう防げというのか？家で縛っておくというのでしょうか？

その人の尊厳はどうなるのか？

家族の負担を軽減するために介護施設を増やして介護職員を増員させるのか？

ただでさえ、介護人材の不足、そして介護職員の質の問題もあります。

高齢社会では、まずは認知症の方の安全の確保が大事だと思います。

本人が住み慣れた在宅で快適に過ごすための安全

同時に介護者の精神的なフォローを含めた安全

こういった悲しい事件、事故は誰も望んでいない事です。

こういった事での責任を本人や家族におわせる事は酷すぎます。

デイサービスの送迎が遅延した際に、その方が徘徊し起こした事故だったら

事業者に責任が行くのかもしれません。

ただ、被害者の立場はどうなのか？

認知症の方の行った事だから我慢してくれ。。。となることも可笑しいことでもあります。

もし自分自身や周囲が認知症の方が起こした事故や事件に巻き込まれたらどうなのか？

被害者が出るような事故や事件であった場合、被害者の補償は誰がするのか？

こういった事は今後、増加するの可能性もある状況です。

様々な立場での話し合い、多くの議論が必要と思います。

そういった意見の交換で少しでも解決策というか良い方向性、対策が取られるようになっていければと思います。

家族に全てを負わせるのであれば、相続税の問題や家庭介護などの規定等の整備、

介護サービスの柔軟性、地域性の考慮などを整えていくことが必要になると思います。

また、全てが家族の責任となると、親孝行の想い、

家族の絆を大事に献身的に介護をしている家族の方々に

介護＝リスク

というような恐怖を与え、住み慣れた在宅で生活していくという事がし難くなるのではないか？

とも感じます。

社会で見守る、地域で見守ると言いますが、どこまで出来るのか？

結局は個々の善意に多く頼っているという現状もあります。

核家族化の現代では、地域コミュニティの関係性が薄れつつあります。

介護保険という仕組みだけでは賄いきれない、サポートしきれていないのです。

介護の仕事に関わる立場として何が出来るのか？

大きなことは出来ませんが、自社のサービスを利用している方を守ること

何か、困っている高齢者の方を見かけた際の対応、地域への介護への啓蒙など

出来ることを行っていくしかないと感じました。

ありがとうございます

認知症の人が起こした事故