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膝の内側側副靭帯は、浅層と深層から構成されていて、浅層は大腿骨内側上顆のやや近位後方から脛骨近位内側へ走行し、深層は内側半月板と連絡しており、ともに膝関節の外反を制動しています。     
エコーでの描出は、大腿骨内側上顆付着部に所見を認めることが多いため、付着部同士を結ぶ長軸像で描出します。
その後に、関節裂隙を中心にして、膝に外反ストレスを加えながら、動的に靭帯損傷を評価しています。
通常の内側側副靭帯は、内側半月板と接するところで、深層の高エコー層があり、低エコー層を挟み表層に高エコー層を認めます。
この画像は、健側の膝で内側側副靭帯に対し、膝関節軽度屈曲位で外反ストレスを加えている画像です。

膝内側側副靭帯損傷例です。16歳男子、柔道をしていて膝が外反強制され、膝を負傷して来院されました。膝内側部に運動痛と腫脹が著明、伸展制限があり、荷重時痛も著明でした。
この画像は、受傷後1時間後に撮ったエコー画像になります。
先ほどの正常画像は、反対の膝の内側の画像になります。
超音波画像で浅層の大腿側は、広範な低エコー像を呈していました。内側側副靭帯を損傷している場合、靭帯に対し長軸方向に超音波ビームを当てた場合、靭帯繊維が肥厚し低エコー像を示します。
先に紹介した正常例では、複数の線状高エコー画像が層状に配列している画像(fibrillar pattern)として鮮明に描出されますが、損傷例ではそれが見られないのが特徴です。
この画像では、軽度屈曲位にて外反ストレスを加えていますが、重度の損傷では、この様に関節裂隙が開いてしまいます。
このような症例では、ストレスを加え過ぎると、どこまでも外反してしまうため、2次的な損傷を起こさないように、繊細に検査をする必要があります。
この症例は、医科にてMRI検査を受けた結果、内側側副靭帯損傷+前十字靭帯損傷と診断を受けました。

正常像
損傷像