LOST ASH Dyeオフィシャルブログ『エモ語録』Powered by Ameba -2ページ目

手記

 6年と1日のバンド活動が終わって、今に至るまであまり実感らしい実感が湧いてこないのは、まだラストアルバムのリリース日が来ていないからだろうか。実は追加生産が決まり、少しだけまだバタついています。どうやら今回のアルバム、今までの作品で一番売れています。みんな本当にありがとう。

 長いようで短い、そんな6年間でした。はじめの1年は右も左もといった感じでとにかくこの業界を知ることで必死だった。先輩バンドがやたら大きく遠い存在に見えて届く気がしなかった。でもだんだん自分たちの音楽が周りに興味を持ってもらえるようになり、評価されるのが楽しくて仕方なくなっていきました。その年の暮れに1stワンマンを終えたとき、初めて大きな未来が見えた気がしました。そして色々あって、ある時期から完全に自分たちで運営をすることを決断するんだけど、そのときも不思議と不安はなくて、このメンバーならいけるだろうと自信が確信に変わっていたのを覚えています。

 このあとバンドはたくさんの壁にぶつかるんだけど、その度に悩み、考え、自分たちなりの答えを出してトライ&エラーを繰り返してきました。今思えば音楽をやってる時間と同じくらい考える時間が長かったように思います。その過程でメンバーとぶつかったり、リーダーとしての資質を自分自信問うような時期もありました。でもこれだけは言えるのは、すべての活動がメンバー全員が納得して決断してきたものだったということです。だから最後の決断である”解散”もまた、メンバー全員が納得して出した決断でした。

 ラストライブのMCで言ったとおり、自分でレールをひき、歩いていくのはとても大変なことでした。近道に見えるからといって安易にそれを選ばなかったこともたくさんありました。ときにそれは頑固で自己満足に見えたかもしれない、でも今は挑戦してよかったと心から思います。初期から比べて格段に多彩な楽曲を作れる表現力、技術が身についた自負があるし、ジャケットデザインや、映像制作、ライブの演出など音楽制作以外の部分も少しずつ自分たちの思い描くものが作れるようになっていった(トークは例外とする)。毎回、全力で試行錯誤し、アウトソースに頼らず、信じるほうへ納得するまでぶつかった自分たちに今はお疲れさまを言いたいです。そして、そんな姿勢を貫いたことこそが、みんなというかけがえのない存在を得られたことに繋がったんだと信じています。ファンはバンドの鏡とはよく言ったもので、LOST ASHのファンのみんなは僕らを暖かく見守りながらも、音楽や活動を冷静に評価してくれる方が多かったように感じます。それが刺激的であり、バンドにとってなによりの原動力でした。そのパワーを背中に感じながら、みんなが、自信を持って”LOST ASHが好きだ”と他人に言えるようなバンドでありたいと常に思って活動してきたつもりです。

 変化を繰り返すシーンの中で、収益構造が変化し、ジャンルの多様化でエクストリームなものが注目を集めやすくなっている中で、僕は今でも一番チカラを持っているのは楽曲であると信じて疑いません。

 だから最後に僕から、解散後ではありますが、ラストアルバム『LOST ASH』の楽曲解説をしようと思います。それが、僕らの未来を信じ、LOST ASHの音楽を愛してくれたみんなへの感謝と誠意の表し方だと思いました。発売日までにまとめでアップするので少し待っていてください。これを持ってLOST ASH Dyeとしての最後の活動にしようと思います。

 最後に、ラストライブを終え解散した今、改めて僕の素直な気持ちを伝えたいです。

 僕らの音楽を好きになってくれてどうもありがとう〆