C80頒布終了!

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C80で頒布させて頂きました。ブースに来て頂いた方、本当にありがとうございました!

さて、第4章以降の本編の続きなんですが、そろそろ連載を開始しなければな・・と思います。冬コミには新刊(下巻)を出したいので!
ていうか長期に渡り連載ストップしていてすみません・・。

ちょっと連載再開の時期はまだわからないのですが、またお越し頂ければ有り難いです。
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夏コミ当選!

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さて、前回の冬コミ以来の更新となってしまいました・・・。

C80、夏コミ当選しました!1日目(8/12金曜日) 西地区 "ひ" ブロック 07a です!

前回は「ドラゴンクエストⅣ.5(上)」の販売でしたが、今回はなんと・・・


おそらく(上)巻のみの販売となります。(下)巻はありません・・・つまり

新刊落としてしまいました・・・


申し訳ないです・・・

当日は作者の私がブースにいると思いますので気軽にお越し頂けると嬉しいです。


J小川
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コミケまであと6日!

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お久しぶりです。すみません、全然更新できなくて・・・。

さて、もう文庫本版「ドラゴンクエストⅣ.5」も印刷し終わって、あとは本番当日を待つのみです!


今から、秘密の合い言葉を発表しますので、もしブースに来て頂いて、その言葉を言って頂いた方は先着1名様に本の表紙となった元絵の油絵を差し上げます!(欲しい方がいるのか分かりませぬが・・・)

では、合い言葉は、

「フバーハを打ち続けるんだ!」

です。覚えましたか?1日目(水)、東ピ35ブースです。よろしくおねがいします~!


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コミケ出展!

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冬コミ当選しましたので、本作を製本してみようと思います。

「ドラゴンクエストⅣ.5」が、文庫サイズ本となって登場!
12月29日(水)東地区 "ピ" ブロック 35 にて販売致します。訳300貢程で価格は¥800を予定しております。

まだ完結していないので、上巻というかたちです。
ブースでは作者の僕が普通にいると思いますので、1日目にコミケ行く方は是非是非遊びに来て下さい!

39:サントハイム城へ

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老人は朝早く目覚めると、少し警戒して外へ出た。そこが普段そうであろう状態で、何の変哲もない農村だという事が確認できると安心し、躰を目覚めさせる為に軽い体操を始めた。
明るくなる前に出発しなければならなかった。
老人が恩人の若い女に別れを告げるため戻ろうとすると、女は既に起きていたのか、後ろに立っていた。

「起こしたかの」
「いえ。私も朝は早いんです」
「そうか。早起きはいいもんじゃ」

老人は昨晩に重傷を負ったが、活力を取り戻していた。女の手当が適切だった為であった。

「世話になったのう。本当にありがとう」
「いえ」
「お姉さんによろしくのう」

女はかしこまった表情になった。

「ブライさん、実は言いたいことがあって」
「ん?」
「私、結婚するんです」

ブライは驚いた。ミネアにそういった相手がいたとは知らなかった。旅が終わってからそうなったのであろうと思った。

「相手はこの村の人です」

老人は驚いていたがすぐ、自分の孫が結婚したかの様に喜んだ。

「そうか!おめでとう。お前さんならいい奥さんになれるじゃろう。いい母親にもな」

ミネアは幸せに満ちた笑みを浮かべ、そして深々と頭を下げた。老人へ、そして彼の向こうに見える、同じ仲間達へと向けて。
ブライは彼女を見て、自分も幸せな気持ちになった。一年前の冒険で、皆大きく人生を変えたのだろうという想像はしていたが、彼女はまさにそうである一人だと思った。これからの彼女の人生が更に瑞々しく輝くことを祈った。

「元気でな」
「ブライさんも」

ブライが飛翔呪文ルーラを詠唱すると、彼の躰は浮かび上がり、そのまま速度をあげて彼方へと飛んで行った。
あっという間に小さくなって行った老人を見送ると、女はもう一度、頭を下げた。


「やはり、馬は駄目ですなぁ」

馬上で悪戦苦闘しながら前へ進もうとしているのはトルネコであった。
一刻程前、トルネコはサランに到着した。ここはスタンシアラから兵器を持ち帰る中継地点であった。
そこで、大騒ぎになっている街を見た。
サントハイム王が死去し、その葬儀、そしてアリーナ姫による会見が本日サントハイム城にて行われるというのである。寝耳に水であった。

「もうすぐ到着しますし、大丈夫ですよ。間に合います」

同行するサントハイム兵に励まされながらようやくトルネコはサントハイム城下へと到着した。
既に城の前には多くの民衆が集まっていた。姫は城の上部にあるテラスから人々に向かって話すという事であった。
人々と城との間には兵が割り込んでいて、ある程度の距離があった。姫の安全の為であった。
トルネコはサントハイムの人々の中に紛れ込むと、姫を待った。

少しすると、座の主役は姿を現した。

「皆さん、お集まり頂きありがとうございます」

アリーナの顔がひとつ、大人に近づいていたのを見て、トルネコは若者にとっての一年と自分の一年との長さの違いを実感した。

今月休載のお知らせ

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非常に申し訳ありません、別件のスケジュールの関係で、11/1まで休載させて頂く事になりました。

読者の方、本当に申し訳ありません。

これも私の実力不足の致す所でありまして、まだまだ精進しなければな、と思っております。今後とも当ブログをよろしくお願い致します。

J小川

38:ドックにて

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トルネコが宿泊しているのはスタンシアラのとある造船業者の家だった。
旅行会社を始めた時、トルネコは旅客船として大型の船を手に入れたのだが、その時発注した相手がこの家の主人だった。

「パーティはどうでしたかな?」

晩餐会から戻ったトルネコに主人は声を掛けた。
トルネコは懐から瓶を取り出し、悪戯っぽく笑った。

「続きをやりましょう」

トルネコは余った酒をこっそり持ち帰って来ていた。主人がグラスを並べて、2人は乾杯した。

「美味しい」
「でしょう。パデキア酒です」
「ほう、これが噂の」

2人は船が何隻も収容されているドックの中に居た。ドックはスタンシアラ城下の水路と直結していて、発着が容易になっていた。
灯りが下から、整列する船を照らし、その巨大オブジェの本体を浮かび上がらせていた。機能美が追求された造形。船を眺めながらの夜酒であった。

「しかしいつ見てもここの船は素晴らしいですな」
「光栄です」

トルネコはスタンシアラ到着後すぐここへ来てこの国の船を確認していた。主人の業者も含めた数社がかなりの数の船を建造している。その規模や製作スケジュールの情報を可能な限り集めていた。

「しかしいい景気ですなぁ」
「おかげさまで」
「もし、すぐに20隻欲しいと言ったら、どうですか?」
「20!?」

主人は驚いたが、グラスを置くと静かに答えた。

「ウチだけじゃとても足りないが、集めればありますよ」
「ほう。でしょうなぁ」

スタンシアラは兵器をすぐに寄越してくれなかった。それだけが原因ではなかったが、初戦でエンドールは負けた。結果混乱は大きくなり、スタンシアラの受注は増えた。
トルネコは商人である。経済の流れに敏感だった。この国に降り立った時に感じた異常とも言える活気で瞬間的に理解した。売り渋りは策である、と。そこで先程の場で大量発注を求める発言をしてみた。その否定的な反応で確信を持った。
驚きこそすれ、大量発注は普通は喜ぶはず。注文を訊くというのはそう言う事である。しかし大臣の反応はその逆であった。

「しかしトルネコさんが役人になるとはねぇ」
「世も末ですなぁ」
「実は私もね、旅行会社をやろうとしてたんですよ。真似でね」
「そうですか。お互い残念でしたなぁ」

トルネコはグラスを空にすると、すっかり酔いが醒めたかの様な表情になった。そして、こう言った。

「今ある船、ボンモールに売るんですか?」

踏み込んだ質問だった。

「国からの発注で、私は良くは知りません」
「ご主人」

トルネコは冷静に相手を見据えていた。彼の、無言の嘆願だった。主人は割とあっさりと観念した。

「・・よくは知りませんが、全部売る訳じゃないと思います」
「というと?」
「うちの国で持つみたいですよ」

スタンシアラの海軍は世界一であった。純粋な兵力がある訳ではなかったが、その技術力に基づいた戦闘能力は知られていた。その軍をさらに増強する予定なのか。

「何か、動きがありそうなんです。軍事演習も活発になってます」
「そうですか」

スタンシアラの動きはどこへ向かうのか。自国と同盟を結ぶつもりではない事は何となく感じられた。

「今日は本当にお世話になって、感謝します」
「こちらこそですよ。部屋は自由に使って下さい」

小規模な催しは終わり、トルネコは床に就いた。船上は好きだが、やはり寝るなら陸の上がいい。
目を閉じトンネルの奪還に向けての計画を頭の中で進めていた。
明日は、ルートを引き返してサランに停泊する予定である。そこで合間を縫って、サントハイムとの交渉役をしている自軍の仲間に会いにいく事に決めた。

サントハイムの出方が、最大の鍵であった。

眠気が襲って来た。久々のスタンシアラをもう少し満喫したかったが、滞在は一晩寝るだけとなった。
トルネコは、一年前の冒険の時にスタンシアラ王に会っていた。記憶の海に浮かべた顔は、知性的で思慮深いものであった。経営者だったら成功するタイプだと思った。事実、彼は名君であろうとトルネコは思った。

旅芸人のパノンという男に頼んで、一行は王様を笑わせようとした。褒美とされた天空の兜は一行にとって必要な物だった。パノンは開口一番、こう言った。

「私では王様を笑わせる事はできません」

しかしこの者達なら世界を平和にし、皆の笑顔を取り戻す事ができる、と自分達を指してパノンは王を説得した。
王は不適な笑みを浮かべると、次に快活に笑った。そして実にあっさりと、天空の兜を授与した。
トルネコはそのとき、この王が好きになった。

警戒すべき一人として頭に入れなければいけないと再認識していた。

37:晩餐会

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エンドール側の重役4名はスタンシアラ政府に招かれ、晩餐会に出席した。出てくる料理はどれも最高級のもので、特に魚介類が充実していた。

スタンシアラ側は数名の文官の他に大臣が直々に出席していた。異例のもてなしであった。4人はすっかりと気を良くしていたが、少し焦ってトルネコを待っていた。

「彼抜きで始めちゃいましょう」

エンドールの一人が思わずそう言った。座を待たせる気まずさが勝った。乾杯の音頭があがって、皆が一斉に酒と料理に手をつけた。超一流の食事に4人は舌鼓を打った。

「その、トルネコさんと仰る方はどこに行かれたんでしょうか」
「さあ・・・下の者が今探しています」

最高責任者が居ないのはスタンシアラ大臣の誤算であったが、あまり気にはしていなかった。

「どうですか、我が国の料理は。お口に合いますでしょうか」
「最高です」

エンドールには全国各地の特産物が集まるので、彼らは様々な料理を口にする事ができた。しかし鮮度が命の、刺身などはあまり食べた事が無かった。大臣はその中でもこの近海でしか穫れない珍しいものをなるべく選んでいた。
エンドールの役人達は到着した安心もあってか、大いに酔い、談笑した。

「ところで・・」

大臣がさりげなく話題を振った。

「今回我が国から兵器を購入して頂いた訳ですが、他に何か必要な物はございますかな?」

追加購入の確認だった。今回の商談はあのバトランド軍との戦闘前に決まった話である。戦闘を一回経た事によって、欲しいものが変わった可能性が高かった。
何を必要としているか。これは非常に有益な情報であった。その国が何を考え、何をやろうとしているのかはそこから推測できる。帳簿を見ればその店がどういう店か分かるのと同じであった。
流石に目の前の役人達も愚鈍ではない。直接的な問いは警戒されるだけである事を大臣は理解していた。遠回しの質問だった。

「他に何か、ですか?」
「ええ」
「そうですな・・」

4人は内々に軽く話をし始めた。そして回答を出した。

「他は大丈夫です」
「そうですか」

この4人が優秀なのか、上部から情報を制限されているのか、答えは出されなかった。食事の後、諜報能力を付けさせた遊女を当てて何か情報を引き出そうと思った。

「しかしこの国は良いですな。活気に溢れている」

4人は政治をしに来た訳ではない、とはっきり表情が示していた。無邪気にこの座を満喫していた。彼らの仕事は購入品の運搬である。そう割り切っている節があった。彼らは仕事の半分を終え、次の半分の事だけを考えていた。大臣は軽い失望を覚えた。

「すみません!」

恰幅の良い男が駆け込んで来た。例のトルネコと言う男であった。

「いやあ、招待して頂いていたなんて知りませんでした!申し訳ありません」

男は謝ると箸に手を伸ばし、次には非常に旨そうに料理を食い始めた。とても重要人物には見えなかった。誰かが代用で、トルネコとしてやって来ているのではないかと疑いすらした。しかし、大臣にとっては歓迎すべき相手であった。

「トルネコさんにも伺いたいのですが、兵器で何か追加の注文があればと思いまして」

トルネコの箸が止まった。

「ほう・・・」

4人はトルネコを見たが、他人事であった。トルネコも彼らを見たが相談することなく、回答した。

「今回2隻船を頂く話ですが、それを20隻にしていただけませんか?」

唖然とした。エンドールの役人達も呆然としていた。

「代金ならあります」

トルネコは平然と続けた。隣の4人は皆、トルネコに疑問と異論を投げかけた。
大臣は動揺した。

「そ、そうでしたか・・さすがにそうなると話はすぐには進められませんな」

トルネコはグラスの酒を呑み干した。

「実に旨い!これはソレッタの酒ですな」
「はい」
「ここでこれが飲めるとは思ってませんでしたよ」

この男は平然と食事を続けていた。

「船の件は後日回答させて頂くとして・・」
「そうですか。しかし明日出発しますので今伺いたいですな。もちろん、急な話なのは承知しております」
「今ですか?」
「いや、今決まれば明日に一緒に持ち帰れるかと思いまして」

無茶苦茶であった。

「20隻は無理だと思います」
「そうですか、すみません無理を言いまして」

食事会が終わると、宿の手配があった。4人は喜んでそこへと泊まる事に決めたが、トルネコはとある友人の家に泊まるという事でひとり闇へと消えていった。

曲者だ、と思った。
エンドールにも人材が居るのだと思いながら大臣は、王にどう報告しようか思案していた。

36:島国の王

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「エンドールからの船が到着いたしました!」
「うむ、ご苦労」

ついに来たか、と思った。
スタンシアラ王は重い腰を上げ、窓から外を見た。港の方に船らしき灯があった。照明は二隻分、すべての部屋のものがもれなく灯っていた。

「随分と大きい船だな」
「そうですね」

まあ無理も無い、と思った。これから新たに二隻の船と、大量の兵器をここから自分の国へと持って帰るのである。船には大量の人員と、硬貨が積み込まれていた。大掛かりな話であった。

「今日は停泊するのであろう?」
「恐らく」
「船長らをもてなしてやれ」

王の言葉には裏の意味があった。エンドールの人間と話をして、何か情報を得てこいという事であった。受けた大臣は部屋を出て行った。

またスタンシアラ王は独り、エンドールの船を見つめた。

「ご苦労な事よ」

王はそう呟くと、再び玉座に腰掛けた。
エンドールとの商談はかなり遅れた。最初にこの話がエンドールから持ちかけられたのはあの同盟破棄からすぐの時であった。
同時期、バトランドからも兵器の発注があった。ここで、王は後者との話を優先し、前者は遅らせた。結果、エンドールは今頃、つまり戦闘後に兵器を入手する事となった。


スタンシアラは技術大国であった。造船技術はもとより、装備品も性能の良いものを生産していた。西のスタンシアラ、東のガーデンブルグ。その技術は世界でそう評されていた。この国は資源と人数が少ない分、技術を世界に売って国家運営が行われていた。
造船技術と操船技術は世界各国への往来を可能にしていた。そして、どの国もスタンシアラの技術を必要としていた。
また、自国の船だけでなく、各国の船が次々と港にやって来ては出て行った。そしてそれらは莫大な資本をこの国に置いていった。

王は昔、平和を願っていた。

以前はピサロによる活動での魔物の活発化と、地獄の帝王の復活騒動があり世の中が暗くなっていた。自国の人々の中から笑顔が少なくなった。そこで、王は「自分を笑わせた者に褒美を授ける」という奇妙な政策を発表した。この奇策については国内でも賛否両論であったが、王が国の事を想っているという事は皆理解していた。
王は結局、その褒美を勇者に授ける事になった。それは天空の兜だった。結果、勇者は世界を救う事となった。

平和になって、最も活気づいた国はスタンシアラであろう。魔物が居なくなった大海原はどこまでも続く交易路だった。国は潤い、潤いは更なる技術革新を促した。
国民に笑顔が戻った。

その後、前代未聞の出来事が起きた。ボンモールとエンドールの同盟破棄事件である。事件は戦へと発展し、そこでバトランドとエンドールから大きな発注があった。その規模はこれまでの産業とひと味違うものであった。

一番得をしたのはスタンシアラであった。
王はよく理解していた。この騒動が長期化すればする程、自国の益になる。そこで、理由をつけて時期を延ばし、エンドールに兵器を渡さなかった。エンドールにあっけなく勝たれてしまうと困るからである。
意外だったのは、エンドールが初戦で敗北した事であった。あの超大国が負けるなどとは考えていなかったのである。ボンモール・バトランド側の作戦勝ちであった。

中立でありながら敵側が有利になる様に動いていた、という事をエンドールが知っているのか。事実を知らなくても想像はされるであろう。いずれ発覚する。いやもう発覚しているかも知れない。
聡明なこの王は二の手三の手を考えていた。国力は増大し続けている。できる事は山ほどあった。

「エンドールか・・・」

世界の全てのものが集まる場所、エンドール。皆がその地を憧れにしていた。
王も、例外ではなかった。

ボンモールは外から見ると愚かで滑稽であった。混乱の入り口をいたずらに開き、手に負えずに周りを巻き込んでいる。しかし、彼にはボンモール王の気持ちが痛い程よく分かっていた。
エンドールは普通の国ではない。あの地に居城を構え、世界を眺める事の魅力。それを彼は叶えようとしたのだ。

彼と自分の差は、中に居るか外に居るかの違いなのだ、と思っていた。

外から戦争に参加する事が国益なのだ。
騒動から早くも、この王はその哲学を自分の中に確立していた。

エンドールの船を見つめるその瞳は複雑な想いを混ぜ合わせて、強く光っていた。