バーサーカーから出ているBCAAサプリメント「LIV845」、これは通常のBCAAサプリメントとは少々配合比率が異なっている。

多くのBCAAサプリメントはロイシン:イソロイシン:バリン=2:1:1の割合となっているが、LIV845は8:4:5の割合となっており、ややバリンが多くなっているのだ。

実際にLIV845を使った人の感想を聞くと、「普通のBCAAに比べてスタミナが持続する」、「汗がすごく出るようになった」というフィードバックを良く受ける。それはなぜなのだろうか。

ATP合成において重要な役割を果たす「TCAサイクル」という経路はご存じだろう。脂肪酸からアセチルCoAが作られ、それとオキザロ酢酸が結びついてクエン酸が合成される。そしてTCAサイクルが働き出す。
さて、バリンはTCAサイクルにおける代謝中間体を作り出すことができる。いっぽうロイシンから作られるのはアセチルCoAであり、TCAサイクルの中間体は作られない。またイソロイシンはアセチルCoAにもなるし、TCAサイクルの中間体ともなる。

運動中はアンモニアが疲労物質として発生する。これは有毒なため、カラダはアンモニアをグルタミン酸とくっつけてグルタミンを作り、無害化する。しかしこのグルタミン酸は、TCAサイクルの中間体から作り出されるのだ。つまり運動するとTCAサイクルの中間体が不足する可能性が出てくる。

疲労してグリコーゲンが枯渇してくると、オキザロ酢酸が減ってくる。さらにTCAサイクルの中間体が不足すれば、オキザロ酢酸は完全に不足してしまう。すると脂肪酸やロイシン、イソロイシンなどからアセチルCoAがいくら作られても、それをTCAサイクルに取り込むことができなくなるのだ。TCAサイクルの中間体を作り出してくれるバリンが多いとスタミナが持続するのには、こういったワケがある。

では、最初から中間体そのものを補給したらどうだろう?リンゴ酸やコハク酸などがサプリメントとして売られていることがある。しかし、これらは肝臓には取り込まれても、筋肉には取り込まれない。あまり期待はしないほうが良いだろう。
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