死ぬほど好きってこういうことかって、ナナエさんを好きになってやっとわかったんです

菱沢 九月
溺れる体温 (ラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ)

おススメしていただいてから、探し求めてやっと読むことができましたv

お・・・おぼれる・・ブクブク・・・。淫靡で濃厚な・・か・お・り・・・w 

【 溺れる体温 】 ( 黒ラキ 著:菱沢九月 ill: )

■□■ あらすじ ■□■ 中も外もぐちゅぐちゅ。たまらないッ…。七飯は蜜にまみれて喘ぐ。もっと。して。言えない言葉を掬ってくれる、年下の恋人の恐ろしく熱い脈動がはしたないほど欲しいのだ。こんなにも―。七飯章吾(ななえしょうご)は、兄の死で彼の悔恨を知り、その遺志を継ぐ。だが新聞記者の現実に擦り切れそうになった時、リョウに逢った。逢えたのだと思う。端整で無邪気で無防備な子供。一途にふれてくる唇。リョウに支えられ、七飯は真実の扉を見つけるが。 《裏表紙より》


のわっっ!!!のっけから何を書かせるんでしょう!!いきなりドキドキするじゃありませんかっ!!ゼェゼェ・・


兄・皓平の親友・高橋が、15年前、近所の主婦・遠藤香織を刺殺し、その後自殺した事件。原因は痴情のもつれとされ、被疑者死亡のまま捜査も終了しましたが、『高橋がやるわけない』納得出来ない皓平は一人、『報道されなかった真実』を追い続けました。

志し半ばで亡くなった皓平の意思を継ぎ、新聞記者(経和新聞福井支局勤務)になったナナエは、事件の唯一の目撃者で、被害者の息子・遠藤柾人(えんどうまさと)の行方を探します。

時効も迫り、神経もすり減り・・・ボロボロのナナエを癒したのは行きつけの居酒屋「かわ瀬」のリョウでした。深い関係になって1年。リョウの笑顔・優しさに癒され支えられながら、記者として忙しい日々を送ります。


あらすじ通りハッキリ言ってエロぉ~ございます!!(笑)とにかく濃厚でシリアスで・・・どっぷり溺れて切なくて・・・でも、ちゃんと光が射します。優しくて赦される・・・そんなお話しw


追い求めている柾人が、どこにいるのか誰なのか・・・読んでる内に見えてきます。でも、なぜか正体を明かさない。擦り切れていくナナエがいて、何もかもわかってるだろうに・・・。だから、わかりそうでわからなくて、手が届きそうで届かないムズムズ感に襲われます。甘い(?)推理小説読んでる気分も味わえてお得w


辿り着けないかもしれないのに、身を削っても投げ出さないナナエがいて!それを止められず、見てるだけしか出来ないリョウがいます。正直、身体は限界で痛々しい・・・でも、明るく逞しい年下わんこ・リョウが曇りのない優しさで癒します。イチズ過ぎるリョウの想いに切なくなりましたが、ナナエを甘やかし労り癒し続けるリョウも、また、ナナエにしっかり救われてるんですね。最後まで読むと明かせなかった理由もちゃんとわかって・・・より一層切なく辛かったです。涙もどぅぶぁ~♪と溢れました。


ただ途中、その「真実」を知って、ナナエがどうしたいのかわかりませんでした。もちろん真実を知ることで、「高橋の汚名を晴らしたい」んでしょうし・・・。真犯人がいるならそれでいいんですけど!そうじゃなければ、目撃者のやっと癒えたかもしれない傷を抉ることになるし・・・唯一生きている目撃者に、また闇を突き付けてどうするんだろうか・・・見つけた先に何があるのか・・・と。
なので、最後のナナエの言葉にホッとしたというか・・・。ナナエの想いもわかって、最後はスッキリ♪♪ちゃんと納得できましたからっ!!


本当は事件の真相なんてどうでもいい。ただ、あんな事件を見た彼が幸せになれたかどうか…人を好きになったり、優しくしたり、そういうことがちゃんとできるようになっていて欲しいって。・・・・・・・おまえといるとすごくそう思うんだ。


だいじょうぶだよ、人間なんてそんなに弱くないでしょ


とにかく濃厚で・・・何度でも言いますw じっとりねっとり濃厚で回数も多い、なんたって溺れてますからねっ☆でも、思いやってます。お互いを求めて抱き合ってます。だから、しつこいくらい濃厚でも読めてしまう。癒されてるのがわかるから大丈夫。もっとやってもいいよっ★(エッ?ドキドキドキドキドキドキドキドキ


そんなお話しだったので、溺れるくらい「人を愛する」って怖いけど素敵だなっ☆と思いました。愛する人を幸せにしたいと思うのは当たり前で、その人の為に努力する。想うことで自分が優しくなれて、想いを返してもらって嬉しくて・・幸せが更に大きくなる。過去にキズがあっても、イタミがあっても乗り越えられる「強さ」をくれる「愛」。「大切にしたい」と思える人と出会えることが幸せなんだと、しみじみ・・・w


舞台は福井。感情的(極まる時)になると、出てくるナナエの福井弁(若狭弁?)がすごく可愛いかったです。あったかいのっ★リョウが聞きたがったのわかりますw


ゆたか

捜し求めていた柾人は、ナナエの傍にいたリョウでした。皓平が探していたことも、ナナエが必死なのも知っていました。でも、名乗り出なかった・・・騙すつもりじゃなくて言えなかったんです。

高橋が犯人じゃないと思ってた皓平(ナナエ)。目撃していた柾人。。。母親が包丁を持ち出し、止めようと掴んだら腹部にささって・・・もちろん殺すつもりなんてなかったこと!!ちゃんと見てました。でも、小さかったのとショックだったのとで、上手く言えなかった後悔もあって・・・全てを忘れて欲しかったんですね。だから、事件をただ見ていたペットのリョウになってしまいたかった。何も訊かれず話さず・・・でも、詳しい事は読んで欲しい!きっと涙涙涙だと思うから。

二人の続編は・・・

菱沢 九月
熱病の花 (ラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ)  ゲットしてるので読んじゃいますよっ☆うふっ