確かおととしの今頃、

ションはアメリカに行って、

小型プロペラ機の

プライベートライセンス

を取るために学校に行っていた。



後半は風が強くなり、

学科は終了したが、

実地は最後までできず、

サファリの仕事が始まるため

時間切れで、モルディブに

戻ってきた。


がっかの試験はその時から

2年間有効なので、

今年の10月までに実地を

終了すれば、飛行機のライセンスを

手にできるのだ、


でもアメリカにまた行くのは

ちょっと無理なので、自分の

母国スイスで続きができないか

確認してみた。


そしたら、手続きをすれば大丈夫

だと言う事がわかり、

スイスで講習の続きをしている。


スイスで最終試験に通っても、

飛行機のライセンスはアメリカ仕様

なので、スイスで講習以外での

飛行は免許をスイス用に更新しなければ

できないそうだ。

だから取れてもアメリカの空しか飛べない・・


 
しかし

7月初めに実地の試験があると

言うのに、2週間家族に付き合って

飛行機に乗らないと言うのも、

なんだか悪い気がして、


乗れる時は乗っても良いよと

言っておいた、


そしたら、家族を乗せたがっていた

ションが、特別に、教官付きで

家族を乗せてくれるというのだ、


別にそんな気遣いは無用なのに、

有難迷惑だ。


当日は天候が悪く乗れない事を

祈ったが、今回の滞在の

中で一番良い天気、


空港に行き、

インストラクターと一緒に

飛行機の点検や、実地

訓練を、した後

お声がかかった。


飛行機は4人しか乗れない

ちょ~小さい、小型機で、

私が一番乗りたくないタイプ叫び



万が一の事があった場合を

想定して一応乗る前に

日本の父親に電話しておいた。


父親は全員が事故にあうのは

残念なので、分けて乗れとの

アドバイス。


4人乗りのため、運よく

家族全員は一緒に乗れず。


最初は私と次女が

乗った。


メインの運転はションだが

ベテランインストラクターが

一緒なので、大丈夫だろうと

飛行機に乗り込む。


ヘッドフォンをわしたちも付けて、

飛行機の後ろの席へ、



知らなかったが小型飛行機の翼の

付け根以外はとても繊細なので、

絶対踏んではいけないのだ。


後ろのシートは車よりも狭く、

すぐ横が透明なアクリルで覆われて

いるので、周りがよく見えるなぁ


絶対に体重を測定すると思っていたが

そのまま乗せてくれたので、

いくらなんでもジョジョと私じゃ

バランス悪いだろうと思い、

自己防衛でなるべく真ん中に

鎮座するようシートベルトを

引っ張る。


飛行機が動き始め、

色々フランス語で交信している、


私はすっかり無口になり、

と言うか、後で無口だったと

言われたが、話すことないし、


離陸を待つ。


滑走路に移動して、

前のプロペラが勢いよく

回り始め、

飛行機が滑走路を走りながら

浮かび始める。


ひえ~、もう降りるなんて言えない、


どうかプロペラ止まらないでください



仕方ない冷静に景色でも見ようと

決意し


箱庭のように小さくなっていく、

街を見下ろす、


モルディブから色んな事

その後レマン湖の上空を

飛び、下のボートが小さく

見える、


モルディブから色んな事

ション運転してる、ソレイユのポロシャツで。


キヨコ大丈夫?

と聞かれるが、大丈夫

と答える以外はない。


レマン湖の端にお城があるんだよ

そこを見ようか?


はぁ・・・・・

どっちでも。



素晴らしい景色だろう?


ええ・・・まあ


モルディブから色んな事

一応ダイビングインストラクターなので

笑顔で自分撮影、これが最後になるかも

しれないからね~、ちょっと笑顔がひきつってる?



横のジョジョも無口で

身動きがない、


ジョジョ大丈夫?

と聞くと、


うん

モルディブから色んな事


と言う返事。


レマン湖上空をしばらく飛んだ

後、ハイジがいそうな

緑の平野?を飛ぶ、

山の方に行くと気流が複雑で

難しいそうだ、


モルディブから色んな事

緑の平野のところどころに集落が

あり、スイスってとても綺麗だなぁと

思っているが、


手の平には汗が・・・汗


雲がすごく近くに見えるなぁ

と平静を装っているのだが、

頭のどこかで、いつまで飛んでるんだ

と思っている。

モルディブから色んな事



ちょっと気流が悪いと、

すぐに揺れたり、ふわっと

落ちたりするが、となりには

インストラクターがいるから、大丈夫。


横を見るとジョジョは爆睡。

モルディブから色んな事

苦しそうな寝顔


ションの運転は30分ほど続き、


飛行場へ着陸。


ス~っとタイヤが滑走路に

接触し、大きな揺れや音もなく、

ちょっとふらふらするくらいで、

無事到着。


ション結構運転上手いじゃん

と心の中で、言ってあげた。

本当に言って調子に乗ったら

事故の元だからと勝手に思った

ためである。



次は長女を乗せてもう1回

飛び立った。


飛行が終わったら

子供たちはもう1回乗りたい等と

言う。


ジョジョは寝てたくせに。


私はとなりにインストラクターがいて

天気が良くて、短い時間なら

乗ってもよいが、

ションだけの運転で乗るのは

まだ決心がつかない。


特にどうしても乗りたいと言う

わけでもなく、今後二度と

乗らなくても後悔することは

ない。


一緒に来たションの

お母さんは絶対に、何がなんでも

乗らないと言っていた。


でもこんな小さな飛行機でも

燃料が満タンなら7時間も

飛べるそうだ。


自家用飛行機でパリにも

いけるそうだ、(もちろん他の場所にも)

時間にして2時間ほど。


 TGVと言う新幹線のような

特急電車と大して変わらない

時間がかかる。


素晴らしいだろう、電車より良い

と言うが。


 特に早いわけでもないのに

乗っていく意味ない気がするのは

私だけか?


電車は絶対に落ちないのに・・・