半パラレルになります。
本日でストックが尽きます・・・。
お友達編取りあえず終了です。
蓮さん視点を二話ほど追加して、無自覚蓮さん暴走へんに移行します(笑)
それではどうぞいってらっしゃいませ。
──────────────────────────────────
「…ありがとう…キョーコちゃん……」
ほらまた…どうしてそんな顔をして私を見るの?お願い私を惑わせないで。熱に浮かされた戯言だと分かっていてもそう思わずにはいられなかった。
子供じみた屁理屈で、風邪を引いたことを決して認めなかった敦賀さんは見事に風邪をこじらせた。高熱にうなされる彼を放っておくこともできずに、泊まり込みで看病をしていた。氷嚢を取り替えていた私に微笑んだ敦賀さん。私は見て見ぬふりをした。
だというのに、私が演技を始めたきっかけを教えてからはさらに敦賀さんの態度は軟化していった。私たちの境界線はどんどんあやふやになっていく。近づきすぎた…こんなに長い時間一緒にいたからいけなかったんだ…。
「まるで全教科百点を取らなきゃいけないみたいだ。」
いつも、百点を取れずに泣いていた私。彼はそれを知っていた。社長さんの厚意によって高校受験が決まり、念のためにと、もう一日泊まらせて頂いた敦賀さんの部屋で、百点を取らなければと、強迫観念に囚われて勉強していた私に、さりげなくかけられた言葉。思いもよらないことで、過去に囚われて雁字搦めになった私を救い上げてくれたと、普段の私だったら感謝しただろう。だけど、二人で過ごした三日の間に、貯めこんでいたもやもやとした感情が爆発した。
「やめてください!どうしてそういうことばかり言うの!?」
「も…最上さん?」
「私の過去をほのめかすようなことを言わないで!あなたは私の事なんて知らない筈でしょう!?ただの後輩の事なんて放っておいて!」
「…っ。いやだっ!」
両手で顔を覆い俯く私の両手を強い力で引き離された。力任せに握られた手が痛い。
「…いっ。」
敦賀さんは、痛みに声を上げた私の手を、慌てたように、でも決して放そうとはせずに、そっと握り直し労わるように撫でた。
「…ごめん。でも、放っておけないんだ。君の力になりたい。」
思わず顔をあげた私に、敦賀さんは、くしゃりと顔を歪めた。
「俺がこんなことを言える立場じゃないのは分かっているんだ。敦賀蓮として生きると決めた時から、過去を持ち込まないと決めた…でも、君が…最上さんが許してくれるなら、もう一度初めから友人として始めたい。」
「…初めから?」
こんなバカげたことに了承すべきではない。敦賀さんだってリスクは少しでも回避すべきだ。なのに…
「うん。敦賀蓮の友人になってくれませんか?…頼むよっ」
真摯な声で懇願するから……私は頷かずにはいられたかった。
「ありがとう…っ。本当にありがとう!……あの…それで…もしよかったらなんだけど…俺もその…。」
泣きそうな顔で嬉しそうに微笑んで、なんだか言いづらそうに口籠る敦賀さんに首を傾げた。
「俺も…キョーコって呼んでもいい…?」
…ナンナンデショウ…この破壊力。この人にこんな眩い笑顔で呼ばれたら心臓がいくつあっても足りないわ!
「…あー…えと…それはですね……っ………私も蓮さんって呼ばさせて頂きます……っ。」
犬がマテをするようにしょぼーんと待つ敦賀さん改め蓮さんに……負けた。
「でも!二人きりの時だけですからね!他の人のがいる時は今までと同じようにしますからね!」
「うんっうんっ。ありがとう!キョーコ!!」
ぱあっと顔をほころばせた蓮さんに慌てて言い募ると、感極まったように抱き着かれて、きゅうっと意識を失った。
私は決断を早まったかもしれない……。
もうお前ら付き合っちゃえ・・・げふごふ。開き直った蓮さんはたちが悪いな!
二人とも、闇に関しては何も解決していないのでまわるーまわるーよ♪ぐるぐるまわるー(←やはり古い