昨今、パワハラやセクハラが社会問題になっている。

演劇業界でも例外なく該当すると思う。


演劇、特に演出から演者へのパワハラは目を覆いたくなるほど酷い現場があるのは事実だし、自身が遭遇したことも屢々。

だが不思議と、あまり問題提起されていない気がする。


以前携わった演出家が言っていた。

「演出はダメ出しを言い続けると人間性の否定になる」

と。


果たしてそうだろうか?

仕方がないことなのだろうか?


確かに演出家と演者の間で役や作品創り、芝居に関するプランが合わないことがある。そこにダメ出しを続ければ、いずれは人間性の否定、更にパワハラに繋がることがある。


だから演劇業界でパワハラは仕方ないよね。感情でやることだから演出も感情的になっちゃうんだよ。

これが普通だと思っている演出家がいる以上、パワハラは無くならない。

更にこれを『良い作品創りをする文化』と常態化して演者が当たり前に受け入れてしまうのが問題。


この問題意識を持つ人が、演劇業界に増えることを願う。




因みに僕が昔々受けた、割と衝撃的だったパワハラ。

「差し入れのフルーツサンド賞味期限切れてるから出演者に何かあったらマズイので食べるか捨てるかしといて」

12月31日。

今年も無事1年を終えます。

そんな1年の振り返りを。

 

2022年。僕にとっては再起動の1年でした。

2020年のコロナの影響で予定していた仕事が無くなって、会社員生活。

2021年9月末まで1年1ヶ月、製造系会社で働いていました。役者としての生活に戻ることに。

有難いことに2022年、4本の舞台に出演しました。

 

2月24〜27日

ミュージカル『ルルドの奇跡』

 




2年ぶりの舞台、同じく2年ぶりに出演するミュージカル座さんの公演。

コロナ禍で初めての舞台稽古。過去の経験から感染対策を徹底していました。

完璧な稽古参加人数の把握、マメな換気、稽古中は全員フェイスシールド着用、稽古したらすぐ消毒、1時間半〜2時間に一度床消毒、稽古場での食事の仕方を徹底、稽古前と後の役者が使う場所の消毒、荷物はビニールにいれて保管、感染から守るための演出。

 

コロナ禍での稽古は想像以上に大変でした。雨が降ろうが雪が降ろうが窓を開けて換気。フェイスシールドでの発声は伝えにくいし聴き取りにくい。稽古する環境じゃねぇ!!って何度も思いました。

そんな中でも少しでも良い作品を創りたいと思い、ディスタンスを取りながら稽古に励みました。

よくよく考えたら、ここ1,2年で演劇を始めた人、演劇の学校を卒業した人たちはコロナ禍での稽古が当たり前になっていて、慣れている人沢山いるんだよね。稽古する環境じゃねぇ!!の前に、これでしか稽古したことねぇ!!って人たちばかりだった。

コロナ禍で常識が2年前と大きく変わったなぁと実感しました。

この常識に従うって出来たのは、間違いなく劇団員さんのおかげ。本当にありがとうございました(_ _)





 


 

4月22〜24日

ブロードウェイミュージカル

『Footloose』



 

僕にとって初のブロードウェイミュージカル!

しかもほぼ踊りっぱなしのダンサーとは、本当に人生はどのように進むか分からないものであるw

初舞台踏んだ頃の自分がこの役やってるって知っても、絶対嘘だと思うよw

だって踊れなくて怒られ続けてた日々だったから、ダンスだけは一生上達しないと思っていたからw

 

フットルースは本当に充実と勉強の毎日でした!

稽古はちゃんとやる!でも抜くときしっかり抜く!理想の稽古場だったんじゃないかな。

演者も演出もスタッフさんも、1人でも欠けちゃいけない、このメンバーだからこそ出来た作品!

大変だったけど、本当に楽しかった!

 

この頃までコロナ陽性者が毎日1万〜2万人いたんだよね。

その最中で観劇することを選んでくれた、お客様に感謝。

ありがとうございました!







 

 

 

9月23〜25日

『飛龍伝』





 

アンサンブル出演の多い僕が、 ストレート舞台で主役級で出るという。

とにかくすっごい喋った!w

最近の僕の舞台を観ている人は、え?こんなに喋るの?

ってビックリすると思うくらい喋った!w

美智子役の夢ちゃん、一平役の三尾くん、全共闘学生と機動隊

皆に助けてもらって桂木順一郎は生きていくことが出来ました。

稽古始まる前に自主稽古、稽古終わって話し合いして稽古して、

どんだけ稽古すんだよ!つーかどんだけみんな仲良いんだよ!

って思うくらい短い期間で濃密な時間を過ごしましたw

7年ぶりに出演しお世話になるG-フォースさん、後藤さん、

桂木順一郎という大役を任せていただき本当にありがとうございました!






 

 

 

11月30日〜12月4日

カカフカカ企画の二本立て

『アワヨクバ』『レジデンス』




 

初めて参加させて頂くカカフカカ企画さん

僕にとって、まず台本が規格外の内容w

で、主宰脚本演出主演を務める高山銀平さん自身が初めて感じる規格外感!

短い稽古期間ながら、濃い時間でしたw

コメディなんだけど、コメディって本当に難しい。

何度やっても人を笑わせるジャンルの難しさは慣れない。

間、テンポ、その中に活きる芝居。やる度にコメディアン、コメディエンヌ、芸人さんを尊敬する。

ボロクソに何にも出来なかった僕を助けてくれた共演者皆さん、

美容師とSPを入れ替わりダブルで演じた須藤さん、

彼氏彼女役でオンライン稽古を重ねて一緒に役創り姫さん、

本当に感謝です。ありがとうございました!






 

 

以上、出演舞台4本

 

最初に書いた通り、舞台の再起動だったと思う1年。

今年の経験を糧に、来年はもっと前に進む!!!



因みに趣味の映画鑑賞は今年111本鑑賞w

よく観たなおいw

 

今年一年、応援ありがとうございました!

来年も応援して頂けたら幸いです!

良いお年を

(^ ^)

遅くなりましたが、


#カカフカカ企画の二本立て

無事全公演終了しました!

ご来場頂いた皆様、配信ご視聴頂いた皆様、本当にありがとうございました!


今回の出演は『アワヨクバ』と『レジデンス』二作品続けて公演

しかも二作品両方出演

しかもしかも『アワヨクバ』はSPと先輩の二役

覚えることいっぱいからスタート笑


一作品で二役は初めての経験でした。

出演舞台で二役やっている人を観ながら、

「どっちも覚えるって大変だなー」って他人事で観てたけど、まぁやっぱり大変だよね笑

その二役が同じ場所でちゃったりすると、本当に訳が分からなくなって、ん?あ?え?って稽古中混乱することも屡々。


役のシステムに混乱しつつ、更に今回は久々のコメディー。

コメディーってやればやるほど難しいって思うよね。

芝居+客席に渡す間、テンポ

何か一つ崩れるだけで笑えなくなってしまう。

演出の高山さんが創る世界は今までに経験したことがない世界で、着いていくのに必死でした。


二作品とも時間かけて、相方の姫さん、入れ替わりダブルの須藤さん、他共演者皆さんと一緒に創った二本立て

たくさんの皆様に観ていただけたことに感謝して


改めてご来場、本当にありがとうございました😊


カカフカカ企画の二本立て



レジデンス



入れ替わりダブルの須藤さんと



#カカフカカ企画の二本立て

アワヨクバ SP/先輩役

レジデンス 彼役

長谷川太紀

飛龍伝、キャストのお話し



肥後遼太郎





最初あんまり前に出てこない控えめなタイプかなって思ってたけど、稽古中盤から誰よりもハツラツと動いて、代役なのに台本持たずに立つ荒技披露してました笑

でも話してる時は割と穏やか。本当のあなたはどっちですか笑

たくさん場を盛り上げてくれてありがとう!




土屋峻輝





何か全部デカい!

そのデカさから溢れる変態台詞は稽古中からずっと笑ってました!

この台詞言わせたくてキャスティングした夢ちゃんは完璧だと思う!

欠席したキャストがいると直ぐに入って進行してくれたね。

本当に助かりました。ありがとう。




黒田子竜





初見怖くて声掛けずらかったんだけど、稽古初日最初の台詞で全然大丈夫って思った人笑

きっと僕ら2人だけ?に見えていた排水溝は真っ黒でした。

年齢が近いこともあっていろんな話したなぁ。

代役でダンスやっていろいろ言っちゃったけど、丁寧に対応してくれた子竜くん、ありがとう!




米沢のぞみ





絶命シーンは心からの叫びが聞こえて、凄く良いシーンだった。

のぞみちゃんはミュージカルが好きで、ミュージカルの話し続けたね!

ミュージカル好きと分かってから僕の下らないモノマネにずっと付き合ってくれたのは、のぞみちゃん、ありがとう!




野口湧生





劇中で何度も声を荒ぶらせて殴って来た西郷役の野口くん。

でも素はキャストの中で一番穏やかで心優しかったのではないか。穏やかで癒しキャラ。そのキャラが役に反映していて、最後の台詞を背中で聞いていて、あのシーンは救われていました。ありがとう。




川崎未結





1番の若手で誰よりも忙しかったのではないか笑

細い身体から発するエネルギーは、何かを凌駕しようとするパワーに溢れてました。

未結ちゃんを見ていると何処か初心を思い出します。ありがとう。




本多ロドリゴひでき





本多くんは途中から参加してくれたキャスト。

にも関わらず誰よりも馴染むの早かった笑

稽古2日目にして爆発した感情は誰にも止められない凛々しさを備え、絶命シーンは誰もが心震えたはず。

参加してくれて、出会えてよかった、ありがとう。




男澤博基





男澤くんは桂木のこと嫌いだったんだろうか。

何度か劇中話すが、桂木に向ける目線は何処か遠くを見ている気がした。

それは稽古以外では優しく周りと話す姿と全く対照的だったからかもしれない。

僕の荒ぶる芝居を受け取ってくれて、ありがとう!




大比良将太郎





最初の登場は僕を蹴るシーンから。刺しそうな目で睨む大比良さんに心の底から申し訳ないと謝り続ける桂木

誰よりも寡黙で、僕らを見守り続けてくれた大比良さん。

みんなのお兄さんでした。ありがとうございました!




山本主税





不思議と、芝居に若さを感じない主税。良き厚みがあるんだよな。

熱く組織を想い叫ぶ声、姿は桂木にとって大きなダメージでした。きっと桂木が組織に馴染んでいた頃は仲良かったのかなと

誰よりも真剣に明るい陽キャ、主税!僕はそこ大好きだ笑

ありがとう!




松永浩瑛





冒頭でネズミと話すシーン、最初僕は台詞がなかなか出てこなくて本当に苦労をかけてしまった。

何かにへばりつくニセ学生ネズミは、へばりつくのに組織に介入しすぎない不思議な一面があって、何かネズミっぽいって思いながら蹴られてたなぁ笑

ショートコントの先頭は浩瑛くんだったね笑

楽しい時間をありがとう!




黒田大輔





前回から猪熊虎象で出演し、殺陣の動きや全体を纏めてくれました。

荒っぽい性格を演じても、素はとにかく優しかった!

笑いながら皆を纏める人徳が素敵。

動き確認も何度も付き合ってくれました。ありがとう!





三尾周平

このカンパニーは三尾くん演じる一平の存在無しには、語れないのである。

声を鳴らし、全力で掴み合った一平と桂木。

稽古中は正直一平についていくのが大変なだけだったけど、

本番になってからは桂木としては辛く、僕本人は凄く昂ってました。涙でぐちゃぐちゃにになるのを耐えながら笑

舞台上でこんなにやりあえるって凄いことじゃないか!

それって芝居ならでは特有の不思議な感覚。

多分、これがあるから芝居はやめられないんだ。

久々にそう思わせてくれた三尾くんに感謝、ありがとう!




東別府夢

誰よりもカンパニーを考え引率したのは美智子でした。

僕の無茶な芝居に付き合ってくれて、耐えてくれたのは夢ちゃんの美智子だし、夢ちゃんの美智子だから全て受け止めて貰えると全力でやりました。

僕らの存在を全て受け止めた美智子、夢ちゃんは最後誰よりも輝いてました。

僕の桂木を想ってくれて、たくさん感じてくれてありがとう笑






皆が僕を桂木順一郎にしてくれました。

皆、本当にありがとう。そしてお疲れ様。


桂木順一郎として起用してくれた後藤さん、支えてくれたスタッフ皆さん、ありがとうございました。

飛龍伝、桂木順一郎、またいつか何処かで会おう。






桂木順一郎役/長谷川太紀

【公演終了から2週間】

#飛龍伝G2022 無事全公演終了しました!

ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました!





千秋楽から2週間無事経過して、本当の公演終了と言われて2年。

未だコロナ陽性への風当たりが強い演劇業界ですね。



8月上旬も終わろうとした頃、Gフォース主宰の後藤さんから連絡が来ました。

「飛龍伝やるから桂木順一郎やらないか?」

と。

僕は即答でやります!と言えませんでした。



飛龍伝、桂木順一郎

いつかは触れる作品だろうと思っていた作品。

Gフォースさんの飛龍伝はお世話になった先輩たちが過去に出演していて、いつか出たい、話が来たら受けようと思っていました。

が、しかし、主演の桂木順一郎とは思っていませんでした。



即答出来なかったのは理由、ストレートの舞台で長台詞話すなんて5年やっていません。

コーラスやダンサー枠を担うことが多いアンサンブル俳優にとって、飛龍伝の出演は今の自分に耐え切れるか、台詞覚えられるか不安でした



返信期限の迫った前日、いつもながら映画を観ていて、ふと思いました。

『自分が役者である証明は、役者である姿を見せ続けること』だと。

何故急にそんなことを思ったか分からないけど笑

でもそう思ったならやろう。


返信期限ぴったりの時間に、

やります!と返事。



7年ぶりに参加するGフォースさん。

#飛龍伝G2022 全キャスト初対面。

あーこれは稽古初日コミュ障大発動やん。


稽古初日、スタジオに着くと知らない人ばかり(そりゃそうだ笑)

でも皆若くて僕はそこそこ歳上だろうから、すぐ着替えて端っこで台本を読む。

程なくして後藤さんと制作のまゆみさんがスタジオに。

すぐに挨拶に行くと、お2人は7年前の続きのようにあっさり対応してくれる笑

不思議と、このあっさりした対応で何となく安心したのを覚えてます。


顔合わせを終え、早速立ち稽古。この立ち稽古、僕にとっては一瞬でした。初日にしてはかなり進んだ稽古だったけど、一瞬。

それはこの最初の立ち稽古が楽しかったから。

この演出なら、このキャストなら、何かスゲェもの出来そうって思ったから。


それからは怒濤の稽古が進みました。


皆で飛龍伝に向き合う毎日。

悩み、闘い、世界革命戦争勝利を信じ続けた毎日。

僕も、当時の学生も、分からない何かを掴み続けたくて必死でした。


全共闘作戦参謀長 桂木順一郎

改めて思うのは、彼に出会えたのもまた奇跡でした。

彼はきっと、信念や情勢に自らの意思を振り回されて、少し目的を見失っていたのかもしれない。

それは、桂木順一郎を受けると即答出来なかった僕と同じだったのだ、と。


そしてまた、夢ちゃんの美智子、三尾くんの一平に出会えたのも、全共闘学生たち、機動隊たちに会えたのもまた奇跡でした。

稽古前と稽古後、キャスト皆で何でも話しました。

話しすぎて何の打ち合わせもしていないのに、急にショートコントが始まる集団です笑



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