HI-FIVE

IS

COMIN'!!!!


2010.11.03.OUT!!!!



$DABO Official BLOG『PAPER MOON MAN』powered by アメブロ


1. カタパルト・デッキ

2. サンテグジュペリ(夜間飛行)

3. ラップ現象(降臨なう)

4. デッパツ進行

5. ケツにマシンガン

6. Love and Hate(ニコイチ)

7. TEST Mi feat.RYO the SKYWALKER

8. I REP / DABO, ANARCHY, KREVA

9. AZS feat.Kj from Dragon Ash

10. オレヨマケンナ。

11. お江戸花吹雪

12.SWEET 90's BLUES feat. SUIKEN,K-BOMB

13.KO-KO-DA (エピローグ・ソング)



当の本人による全曲解説 その10

オレヨマケンナ。

Produced by LIL'OGI



おお~。ついに、10ですか。そーですかそーですかそこまで来ましたか!あららら~頑張ったなー俺。やるやないか。AZS!これからもきばりや。AZS!こうしてる間にもじわじわ刻一刻とリリースDAYは近づいているのだ。あなたの冬を彩る13曲!HI-FIVE体当たり全曲解説、今日もいってみよかー。


マイクロフォンは、ラップは多目的ツールである。ユーザー次第で使い方が変わるPCのようなもの。目的次第でどうとでも使える、目的を達成する近道になる。その場にいながら世界と繋がることができる。そして現代人にとってPCのハードディスクは持ち主の脳内世界そのものである。ネットのブックマークや検索履歴、メールの内容、音楽の趣味と傾向、過去の写真、保存した動画、アドレスブック、その他モロモロ。ハードディスクには個人情報と呼ばれる"ひみつ"が詰まっている。ラップはその頭の中の情報を整理して伝えるツールだということ。胸の中と言い換えてもいいね。だからアルバムを一枚作るとなると整理された"情報の塊"を10個とか15個とか、トラックに焼き付けるわけだ。それらをあーでもないこーでもないとかっこよく並べてみて、その"情報の塊の、さらに塊"を5歩下がって俯瞰して一つの塊ととらえた時、初めてアルバムの全体像が表現される。そのアーティストの言わんとするメッセージがあぶり出され、まとまって迫ってくる。そこでやっと受け手は込められた真意を知る、または知った気になれる。印象や評価を持てる。"このひとはこういう人間なんだ"と思う。まぁ"なり切るタイプ"のアーティストもいるけどそんな時は"このひとはこういうことをREPしたいのね"と理解するはずだ。


一曲を取り出してチェックするのと15曲を"まとまった一曲"としてチェックするのはまったく違う。作る側も聴く側も同じだよな。これからの時代音楽業界自体がどうなっていくのかまったく検討がつかないけど、今はまだこの"アルバム"という単位のアートフォームが一般的だ。HI-FIVEは5枚目の"アルバム"である。シングルでもミニアルバムでもない。俺はいつでもアルバムは"幕の内弁当"を目指して作る。目にも楽しくカラフルで、栄養のバランスもいいみたいな。偏りたくないんだよね。弁当箱あけてパンパンに詰まったチャーハンだったときの切なさはリスナーに味あわせたくない(笑)。だから"PLATINUM TOUNGUE"でも"HITMAN"でも"DIAMOND"でも"THE FORCE"でも"B.M.W.Vol.1"でも"I'M THE BEST"でもそれは徹底してる。バランスを第一に考えてトラックを選び、リリックを書き、出来上がったものを並べてる。喜怒哀楽のすべてが入ってなきゃ嫌なんだ。ポジティブに越したことないけどネガティブもないとやっぱり嘘になる。人間はそんなに単純じゃないし、美談を並べたいだけだったらヒップホップなんて俺はやってない。リアルだからヒップホップなんだろ。ファンタジーじゃなくて現実的だからヒップホップなんじゃん。じゃね?少なくとも俺はそーよ。過激なんじゃないよ、素直なんだよ。つーかそんな綺麗なモンかよ人間なんて!


酸いも甘いもライムするMCでありたいわけだ。"舌の根も乾かぬうちに"とかMCにとったら褒め言葉だと思う。恐れずに矛盾を歌いたい。ぶっ殺してやる、愛してるよ、最高ハッピー、悲しくて死にそう。全部をラップしたい。俺はボロだが幸いロボじゃない。デフォルトの感情なら全部備わってる。それをいろんな角度から言葉にしたい。感情表現、もうこれしかないと思う。俺の、俺たちの誤解を解く鍵は。Bボーイとそれ以外の広い世界を繋ぐ架け橋は。どう見えてるか知らねーけど俺たちにも感情があるんだよ、あなたと同じだよってことをわかってもらわないと。そうだねDABO、状況や環境が違ってもわかるそーいう気持ち、そーいうシチュエーション、そーいうのわかるよ!これだろ。やっぱこの感情のキャッチボールでリスナーはアーティストを受け入れられるわけだろ。それがお互いの信頼になるし、絆にもなる。俺とあなたは関係を築いていくんだよ。いつから俺を知ってるか知らないけどその瞬間から俺と関係を築いている。俺はあなたをナンパした。ハイBABY、なにしてんの?ヒップホップは嫌い?俺と遊ぼーよ。それから何度かデートを重ねていくうちに、もっとあなたを知りたくなった。もっと俺をわかってほしくなったと。もうキザな言葉だけじゃない会話がしたい。俺を受け入れてほしくなったわけだ。もう一歩あなたと深い関係になりたいと。じゃあどうする?OK、俺はもう飾るのやめる。


派手な毛皮脱いで、グッチのスニーカー脱いで、ビカビカした指輪もピアスもネックレスも外す。俺の弱い部分も醜い部分も全部さらすぞと。遊びじゃないんだ、本気なんだと。俺はただのイカツイやつじゃない、ただの遊び人じゃない。ただのラッパーじゃない。そういった外側じゃなく、俺の中身を見てくれと。そんなつもりで俺はこのHI-FIVEにもいくつか自分のウィークポイントをさらしている。弱点、弱み。以前書いた"LOVE AND HATE"では有名になってチョーシこいて遊び回ってるうちに女に去られて後悔するショボイ自分を歌っているが、このアルバム一番の"ショボくれたDABO"はなんと言っても今日のこの"オレヨマケンナ。"に集約されている。この曲で俺はラッパーとしての不安や恐れ、悩みを、ひいてはこの現実社会で生きていく辛さに神経をすり減らして子供のように"もうやだよ、疲れたよ、逃げ出したいよー!"と泣き叫んでいる。いや、別に盛っちゃいねーよ。俺だってそう思うことあるよ。俺がどう見えてる?自信満々?悠々自適?気楽な能天気?FUCK DAT!俺だって悩む。苦しいことあるよ。好きなことしてお金稼げていいなって?バカヤロー、好きなことを仕事にしちまったやつの覚悟や苦悩なんかそうじゃないやつにわかるかよ!じゃあわからしてやる。いつも隠してる俺の痛みを見せてやるよ。わかるように見せてやる。俺もお前と同じだって。いつだってギリギリの気持ちでやってんだよって。


あー言えばこー言われ、こー言えばあー言われ、悪意に打ちのめされ、善意に裏切られ、いつでもノルマに終われ、止まることすら許されない。酒に飛び込んで忘れたフリを繰り返し、不安から逃れるように息を殺して眠る。あいつは消えちまって、あいつは去っちまって、あいつは死んじまった。もう全てを忘れて遠くに逃げだしたいよ。夜が明ける前に。でもまた朝が来る。じわりじわりと日常が迫ってくる。わかった、わかったよ。あきらめたように立ち上がり、這うようにまた人の渦の中へ。痛みを引きずってなんとか、どうにかこうにか生きてる。わかるだろ?学校に行きたくない、会社が辛い、人間関係が煩わしい、働くってなんだろう、生きていくってどういうことだろう、なんで生きてるんだろう?逃げ出したくなるだろ、頭が狂いそうになるだろ、骨が折れるだろ生きていくってことは。俺もお前も同じだよ。その孤独や不安は人間みんなの共通の感情だよ。俺の人生は逃避の連続だった。すべてから逃れて俺はヒップホップに逃げ込んでるんだ。だからここから逃げたら俺はもう何もないんだ。後ろは崖っぷち。俺を押さないでくれ、ここは俺の最後の場所なんだから。俺にはここしかないんだよ、もういる場所が。だから死に物狂いなんだ。汗かきベソかき自分を奮い立たせて、なんとかやってんだ。だからよ、俺も頑張るから、お前も頑張れよ。俺も逃げねーからお前も逃げんなよ。悪魔が耳元で囁いた時はDABOだって戦ってるって思い出してくれ。OK?負けんなよ。




「オレヨマケンナ。」



人人人の交差点 絡み合うライフ OH ダイスゲーム


たまにゃBAD LUCK OH ガッデーム


デーム、あいつにはもう会えねえ


悲しい噂 ブルハの歌


さながらにNOジョーク 日々はリアル


追われてる 追われてる


山のようなノルマ 痛みに浸る間もねえ