もうすぐ秋のお彼岸に入りますね。
お彼岸といえばお墓参りに行ったり、
お仏壇に普段と違う豪華バージョンのご飯やお菓子をお供えしますよね。
ところで、よく似た行事としてお盆もありますね。
お彼岸のお盆の違いって何だろうって思ったことないですか?
お盆もお彼岸も、ご先祖様の御霊をお祀りし、お慰めをする行事に違いはありません。
ですが、違う側面もあります。
お彼岸は、暦の「雑節」と呼ばれるものの一つです。
雑節とは、1年間の季節の移り変わりをより的確につかむために、また、
二十四節氣・五節句などの暦日を補足するために設けられた特別な暦日。
お彼岸の他、一般に雑節と呼ばれるものは、次の8つだそうです。
- 節分
- 社日
- 八十八夜
- 入梅
- 半夏生(はんげしょう)
- 土用
- 二百十日
- 二百二十日
お彼岸が雑節の一つであるということは、
季節や農作業と密接に関係していることがわかりますね。
そんなお彼岸と仏事がつながったのは、
秋分の日と春分の日は太陽が真西に沈むので、
仏教の西方浄土説と関係づけられたためとか、
昼と夜が同じ長さになる日なので、
仏教で尊ばれている中道の精神に合う
という説があるようです。
農耕行事に大切な季節感と、
仏教的な思想が合わさって
お彼岸という行事が始まったのですね。
一方お盆は、中国から伝わってきた盂蘭盆会がもととなっているので、
季節感は特に大事な要素にはなっていないようですね。
年中行事的な意味合いが強そうです。
お彼岸の間、お寺では仏事が行われます。
これを彼岸会と言います。
お彼岸の本来は、春分の日と秋分の日の前後、七日間にわたって行われる
法会(彼岸会)のこと。
お彼岸は、平安時代の初期に、
日本独自の習俗=神道的思想(祖先崇拝)に仏教が結びついて始まったもの。
この流れは、お盆の始まりと同じですね。
結局お盆もお彼岸も、
その行事に流れる思想精神には違いはない
というのが、結論かもしれません。
いずれにしろ 今のこの時期
昼と夜、陰陽が釣り合う今日
ご先祖様に思いを馳せ
あの世での幸せを祈り
私たち子孫を見守ってくださっていることに
感謝を捧げましょう。
思いは、時空を超えて届きます。
此岸と彼岸をつなぐ梯のように。