「集まれ仲間達」
第八章・ミドリ園の休日
今日は土曜日、ミドリ園の利用者は数人が帰宅している。有香とあやは帰宅してしまったため、明日花は由美、援絵「ゆりえ」、由衣奈と共に過ごしている。援絵は比較的障害が軽く、外泊出来そうだが...
「うちはお菓子屋なの」
「土日もやってんの?」
「日曜は休み。でも姉さんがいるの」
5年前だった。援絵の家「長崎お菓子」に、長男が結婚したいと言ってきた。しかし長男の彼女は援絵を受けきれないのだ。
「予想以上なんだもん」
「俺と結婚したけりゃ妹を認めろ」
「だめ、出来ない」
そして別れ話になった。
「お兄ちゃん、私施設に入るから結婚して」
「あなたホントにそれでいいの?」
母親は心配そうだった。
「いいの。みんな幸せなら十分嬉しい」
「なるほどね」
明日花も由美も納得。
「それで今幸せですか?」
「もちろん。もうすぐ赤ちゃん生まれるの」
「へぇーよかったじゃん。おめでとー」
明日花と援絵は自分のことのように喜んだ。
「私も弟欲しい」
つづく....
