金曜の夜、プリンツレゲンテン劇場で
州立演劇アカデミーと
ミュンヘン音大の学生たちのコラボによる
ヴィヴァルディのオペラ
、オルランド・フリオーゾを観ました。
19時半の開演に合わせて劇場到着すると
周辺は観客と思われる人たちで何やらものすごい混雑振りだ。当日券売り場も長蛇の列でびっくり。
多分身内関係も多いのかもしれませんが、とにかく満員御礼で始まる前から熱気ムンムンで
こちらまで期待感が高まるというもの。
イベントカタログやチラシを確保し(ゴミを持って帰るなーっという夫の声が背後を襲う・・・)
一部3ユーロのプログラムも買って座席に着いてしばらくすると
おじさん(教授かな?)がマイクを持って登場する。
むむ・・きっと病気降板のお知らせだわね。
案の定、3人ほど風邪やインフルエンザ(豚インフルとは言わなかったが~あやしい?)でダウンしたので
役にかなり変更がありますとのこと。
熱のこもった密接な演技ですから、感染も避けられませんで・・・なんてユーモアたっぷりの言葉に
会場中ドッと笑いが沸き立ち、初っ端からくだけた雰囲気が学生オペラらしくていい感じ。
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ルネッサンス時代の詩人アリオストによる叙事詩オルランド・フリオーゾは
後世数々のオペラの題材に取り上げられていますが
中でもヴィヴァルディとヘンデル(「アルチーナ」「オルランド」)はお馴染みですね。
恋する二人アンジェリカとメドーロへのオルランドの横恋慕・嫉妬の果ての発狂。
ルッジェーロ、ブラダマンテと魔法使いアルチーナの三角関係。
それでなくても人間関係が入り乱れてるのに
この演出では
それぞれに常に行動を共にする「友達」があてがわれ、アリアを一緒に歌い上げるという形をとる。
それは影武者であり、自分を客観的に見てるもう一人の自分でもあり
なかなか面白い趣向でありました。
また、オリジナルは4時間もかかるそうですが(抜粋版CDしか知らない私)
レチタティヴォをかなり省略したり、ところどころドイツ語に訳してみたりといったアレンジで総計2時間ちょっと。
こんな奇抜なアイディアも実験が許される学生オペラという場だからこそ可能だ
とは演出家
クリストフ・ネル氏のお言葉。
さらには病気降板者が3人も出たとあって
代理は演技と歌を分担したり、2人分ひとりで引き受けたりと
必然的に人間模様はさらに混沌とした様相を帯びるのであった・・・。
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演奏:
ミュンヘンの宮廷楽隊の長い歴史をも受け継ぐバロック・オーケストラ
Hofkapelle Münchenの古楽器によるエレガントな響きを堪能。
限りなく繊細なピアニッシモから激しさまでテンポ豊かで生き生きとした演奏は
指揮
ミヒャエル・ホーフシュテッター氏の手腕でもありましょう。
彼は目下人気上昇中の若手指揮者、今後も注目怠らないようにしよう。
そして肝心の歌:
舞台に立つ若いオペラ歌手たちの大熱演に拍手喝さい!
学生と言っても、もちろん皆さん数々の舞台やCD録音にも参加経験済み、
例えば主役オルランド役のカウンターテノール
Valer Barna-Sabadusは
来年シュヴェッツィンゲン音楽祭でも大きい役を歌う予定とか、有望格のようです。
細身長身で長髪ラテン系な風貌も狂気のオルランドにピッタリで目立っていました。
そもそも、カウンターテノールが3人登場するとあって、これが一番楽しみだったのですが
中でもルッジェーロを演じた
Roland Schneiderが良かったの~。
厚みと安定感のある声質で歌う
Sol da teの熱に浮かされたような美しさ艶かしさに
私を含めた観客全員うっとりと聴きほれてしまった。
このフルートとの掛け合いの長いアリア、確実にハイライトの一つでしたね。
(新聞各紙でも特筆されていた)

愛の妙薬でアルチーナに一目ぼれするルッジェーロ ・・・は「モーリス」のジェームズ・ウィルビーにそっくり!
ついCTに目がいきっぱなしだったんですが(ごめんなさい!)
アルチーナは難しいアリアを(私のCDよりずっとずっとアップテンポで)見事にこなしてました。
日本の方が二人も登場したのも嬉しい限りです。
演技自体にまだちょっとのめり込んでない様な印象でしたが・・・。
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カーテンコールでは観客の大拍手とブラボーと床を踏む音が鳴り止まず。
学生たちのオペラに、これほどの熱意と関心が示されるのだなぁと感動しました。
バロック時代がとりあえず終わってしまったミュンヘンのオペラ座ですが
もっともっとバロックオペラを見たいんだって意思表示ではないかと思えます。
ホーフシュテッター氏がインタビューで、ヘンデルの後はさらにヴィヴァルディ
そしてマイナーな作曲家の作品が開発されるはずだと話していました。
ミュンヘンもその波に乗って欲しいものだわ。つくづく・・・。
オマケ:
プロの各御仁によるSol da te
聞き比べしてみましょー:
マグダレーナ・コジェナーは同じ頃川向こうで同じ歌を歌ってたはず
http://www.youtube.com/watch?v=0XZlBmgHGLw
艶かしさではチェンチッチも
http://www.youtube.com/watch?v=7Hk5ritk7Cs
恋の憧れに浸る青年の姿が浮かびたつPJ君
http://www.youtube.com/watch?v=BpVNMAi0p1w
フランコ様のもちゃんとアップされてるのだ!
http://www.youtube.com/watch?v=lxtWqzLONl0