後日談なのでツバメのヒナ1日目から順に読んでください。

巣に戻して2日目、家族が様子を見に行きました。
他の兄弟と一緒に育っているか?それとも末っ子なので餌もらい競争に負けてしまっているか、もしかして巣から追い出されているか?自然の残酷さを色々考えて見に行くと、自然の残酷さは想像を超えていました。
巣にはスズメが居ます。巣を乗っ取られていました。突き合いになるとくちばしの形の違いで、ツバメには勝ち目はないそうです。
5日前、あのヒナを見つけた同じ場所に、今日もあのヒナが落ちていました。今度も生きていたら、もう先のことは考えずずっと育てようと思いましたが、奇跡は二度は起こらず、息絶えていました。2日前に見送った時より、産毛が少なくなって、黒い羽根が見えていました。巣に戻って少しの間で成長したようです。でも、あの大きさ、あの姿形、あのヒナに間違いありません。
他の兄弟の姿は見えません。少し成長は早かったとはいえ、5日前には頭に産毛が残っていましたから、スズメに追われてもまだ飛ぶことは出来ません。掃除のおばちゃんが、他の兄弟はツバメだとわかって片付けて、産毛が多いあのヒナは綿ゴミか何かと思って気にせず放置したのでしょうか?何故前回落ちた時は無事で、今回は死んでしまったのでしょうか?成長して、重たくなったから?

産まれた巣に戻って2日でスズメに襲われて、兄弟とともに命を落とすなんて。
もし巣に返すのを今日にしていたら、巣をスズメに乗っ取られているのを見て返さずに私が育てていた筈です。
でもそれはこうなったから思うことで、私が育てていたら自然の中で生きる術を教えることが出来ず、巣立った後で命を落としたでしょう。
巣に返すように言った鳥獣保護センター のアドバイスが悪かったとは思えません。私が同じ立場でも同じことしか言えません。答えが決まっている相手に相談するかしないかは私自身の判断、私自身の責任です。

ツバメは他の動物との競争力が弱く、くちばしでつつくことも、大きな声で威嚇することも出来ず、平均寿命は1年半だそうです。飼育環境だと生物的寿命は15年もあるのに。
他の動物との争いに弱いので、人間の近くに巣を作って、他の動物から逃れているそうです。そういえばあの巣は4メートルもの高さで、人からは遠かったのでスズメに狙われたのでしょう。
これまで、ツバメのことをただ元気で可愛い鳥だと思っていましたが、それは幸運にも無事育ったツバメなのでした。

あのヒナにとって、この世界はどうだったのでしょう?産まれたのは兄弟の中で一番最後ですから、餌の取り合いは大変だったでしょう。生後2日くらいで巣から落ちて、私たちに拾われて、食べたい時に食べて、寝たい時に寝ることが出来ました。あのまま育っていれば幸せだったのか?私にはわかりません。
生後一週間くらいで襲われて、最後に何を思ったのでしょう?前回巣から落ちた時と同じく、また私たちに会えると思ったでしょうか?その願いが叶ったから、他の兄弟は片づけられたのに、あのヒナは残っていたのでしょう。あのヒナにとって、もう一度産まれて来たいと思う世界だったのでしょうか?

もし再び、巣から落ちたヒナをみたら私はどうするでしょう?巣に戻して忘れる、それが一番良いのでしょう。
だからもう二度とヒナの面倒を見ることはないでしょう。人生に一度きりということはとても多いです。次こそは、とは考えないようにしています。
でももしも何かの縁でヒナの面倒を見ることになったら…
一晩考えました。
人も鳥も、自分にできることをするしかありません。飛び方、餌の捕り方を教えることは鳥にしかできません。落ちたヒナを巣に戻すことは人間にしか出来ません。
「自然に介入するべきではない」と言われます。でもその言葉自体、その時点での人間の多数意見に過ぎません。生物が全くいない死の山でなくても開発されることと比べればツバメ一匹を助けることの影響は極めて小さいです。それでも必ず助けられるわけではありません。「介入するべきではない」ではなく、人も自然の一部ですから介入できないのです。
今も世界のどこかでツバメのヒナが命を落としているでしょう。その一方、今後私の食卓に肉料理が並べば、その動物の命を気にすることなく食べるでしょう。あのヒナのことが気になるのは、私に餌をねだり、私の手から餌を食べてくれたからにすぎません。
あのまま飼い続けても命を落としたかもしれません。その時はもっと悲しいでしょう。
巣に戻してから少しは成長していましたから、スズメに襲われなければ立派に育って、「巣に戻してよかった」と思えたでしょう。
先のことは分かりません。その時点で最善だと判断したことを実行するしかありません。
★ツバメが来たよ~★ その6 を見ても、スズメ、カラス、ヘビに襲われて兄弟全滅ということは珍しくありません。それがたまたまあのヒナの巣で起こった、ただそれだけのことです。
幅方向に少し大きくなって、足で踏ん張って立つようなことも出来るようになりましたが、まだ目が開いていないようで、エサを食べる時も口を大きく振ってエサを探しています。
産まれて6日目には目が開くそうなので、成長が遅いのか、それとも拾った時はまだ生後3日も経っていなかったのか?
つばめの飼育日記 の写真と比べるとかなり幼くて、羽は全部羽管にはいったままで全身産毛だけです。
「つばめの子 ソラ」 ツバメのヒナとの出会いと別れ の2日目の写真と同じくらいです。
目は開いていませんが、エサを食べたらすぐに後ずさりして内側の巣からお尻を突き出して外に糞をしました。上手です。
今朝は雨で寒いので、体の半分に布を掛けたらすぐに全身布の下に潜り込みました。

午後…

3日前、うちに来た時よりずいぶん元気になりました。
今日明日の命の心配はなさそうです。
今日明日のことが心配にならなければ、今後のことが気になります。
ヒナの間、エサをあげること、フンの掃除をしてあげることは出来ます。
でも、飛び方、餌の捕まえ方を教えてあげることは出来ません。
それが出来るのはツバメの親だけです。

鳥獣保護センター に相談してみました。やはり親元に返した方が良い、巣が高くて戻せないなら、その下に人口の巣(私が今使っているのと同じ)を置いておけば親が育ててくれるかもしれない、と言われました。
スーパーにも電話してみました。店長さんと話してみたら、脚立を使って巣に戻してくれるそうです。

もう一度ヒナを見に行きました。さっきもたくさんご飯を食べて、幸せそうに眠っています。可愛いです。
でもこの子は人に飼われるために産まれてきたわけではありません。
いつかは自然に帰らなければなりません。親に飛び方、餌の捕りかたを教えてもらうなら、親がこの子のことを忘れないうちに返した方が良いし、ならば元気になった今が一番良いです。

スーパーまでは車で30分(週末に遠出した時に見つけたので)、巣に入れて布をかけたまま連れ出しました。
玄関を出て風に吹かれた瞬間、「この子はこの風の中で、この空の下で暮らすのが幸せなのだろう」と思いました。
スーパーに着くと、店長さん、警備員さん、掃除のおばちゃん、可愛いヒナを見て足を止める人、沢山の人が見守る中、ヒナは巣に帰りました。
来たついで+店長さんにお世話になったのでスーパーで買い物して、帰りに「また落ちていないだろうか」と不安に思いつつ巣の方を見たら、巣の中でちゃんと他の兄弟と並んでいました。

この子がちゃんと育つかどうか分かりません。他の兄弟、他のツバメだって先のことは分かりません。
でも私はこの子の、餌の注射器にかじりつく力強さと、食べ終わった後の寝顔、餌をねだる声、仕草は忘れられません。これからも元気に育ってほしいと祈っています。

朝顔の観察日記
出かける前にご飯をたっぷり食べて眠るヒナ。
これからはお父さん、お母さんから餌をもらってね。
朝5時頃、鳴き声が聞こえた気がしたので起きました。
見に行くとまだ寝ていましたが、せっかく起きたのでエサを作って、布団代わりの布をかけてあげたら目を覚まして鳴き始めたのでエサを食べさせました。
そのあとはぐっすり眠って、9時頃にまた食べていました。
気のせいかも知れませんが、少し大きくなった気がします。
飼っているのではなくて巣立つまで面倒を見ているだけのつもりなので、名前も付けていませんし、写真も撮っていません。
もし巣立つ前に死んでしまったら写真を見るだけでも辛いし。
巣立つ前日に一枚くらい撮ろうかとも思いますが、その前に逃げるかもしれませんし。
こんな小さな体で、半年後には南国まで飛んでいくのですから凄いと思います。
「お前、関門トンネルは人が歩けるから、鹿児島まで歩いて行け」と言われると辛いです。
今日の最後のご飯は夜7時過ぎ、もう暗くなっていましたが足音を聞きつけて餌をねだられました。
昨日見たサイトの「朝5時頃起きる」という脅しに乗って5時起き。
でも寝てました、朝日が直接当たらないようにカーテンを閉めるとピィピィと鳴きます。
昨日と同じで、急に暗くなると鳴くようです。
目を覚ましたので餌をあげます。

餌のあげかた
注射器に入れて口に注ぐのですが、注射器への餌の入れ方について
昨日は、最初は注射器の後ろから押し棒を抜いて、そこから餌を入れると、餌の後ろの空気のせいで押し棒をちょっと入れるだけで餌が飛び出てしまいました。
かといって、注射器の前から吸い込めるように餌の水分を多くすると、ヒナの気管に入って窒息の危険があります。
今日は、水の量を調整して、餌が粘土のように形を調整できるようにしました。それを注射器の後ろ側に、断面の半分くらいになるように入れました。そして押し棒を入れてから上を向けてゆっくり押し込んで、空気を追い出して餌だけが注射器に残るようにしました。

ツバメのヒナはお尻を巣の外に出してフンをする習性があるので、小さなカップめんのカップでもう一つ巣をつくり、昨日作った巣の中に入れて、その中にヒナを置きました。しばらくして見ると、ヒナを置いた小さな巣の外側にフンを落としていました。

朝は寒いようで、体の一部に布団(古くなったシャツの切れ端)をかけておくと全身その下に潜り込みます。昼間は逆に暑いようで、全身シャツの下から外に出ています。

このヒナは食が細いようで、一度食べると2,3時間寝ます。その間は餌を口元に持って行っても見向きもしません。
もう足音を覚えたらしく、お腹がすくとピィと鳴き、足音が近づくとビィビィと大声で餌をねだります。
まだ弱弱しく、明日を元気に迎えられるのかも私には自信持てないのですが、それでも食べたい時に食べられて、寝たい時に寝れる、幸せな時期なのかもしれません。あと1カ月もたたないうちに、自分で虫を捕まえられるようにならないと死んでしまう日々がやってくるのですから。

今日スーパーの駐車場で巣から落ちたツバメのヒナを見つけてしま​いました。
巣に戻そうにも高すぎるし、巣の中のヒナの顔と見比べても小さい​のでまた落ちるかもしれないし、手乗りインコを育てたこともあるから、これまでツバメの巣を見ていても巣立つまで1か月くらい、それまで餌​をあげるくらいなら出来るだろう、と思って拾ってきましたが…
野鳥なので無断では飼えない、まぁこれは手続きだけの問題ですし​巣立つまでの1か月くらいなら事後届け出でも構わないようですが​、
親鳥はただ餌をあげるだけでなく、飛び方、餌の捕り方まで教える​そうで、
これまで育てた人の労力を見ると初日にして拾ったことを後悔しま​した。
つばめの飼育日記
「つばめの子 ソラ」 ツバメのヒナとの出会いと別れ
でも拾わなかったら多分今夜生き残れなかっただろうこの子がすや​すや眠っているのを見ると、私にもちゃんと育てられるか自信は全くないですが、せめて一日でも長く生きてくれればいいなと​思います

Webで見た情報:簡単には飼えない、でもこのページを見に来た人は「拾っちゃった、どうしよう」という人だろうから、出来るだけのことは書く、というスタンス。
自然界でも無事巣立つのは2割程度らしい。
買ってきたもの:手乗りインコを育てた時に使った、水で練ってあげる餌と、それを口に入れる注射器(針なし)
置き場所:生育状態にもよるけれど、もともとは兄弟で温め合うので35度程度。エアコンの効いたリビングはダメ。幸いにしてこの季節ならエアコンの効いていない部屋はそれくらいには上がる。
以前カメを買っていた時に買った温め用の電球はあるけれど、多分いらないと思う。
餌は最初の一回は注射器を咥えて離さないほど強かった、けどその後はあまり食欲なし。
光には敏感。夜は部屋の電気はつけない。わずかな明かりでもつけた後消すとピーピー鳴く。心細いの?