癌と闘う。

癌と闘う。

4歳の娘をもつ私。
突然末期癌と宣告された夫。
癌と闘う記録日記です。

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夫は5月8日の22時5分に旅立ちました。

たくさんのメッセージを頂き、お返事が出来ず申し訳ございませんでした。
夫との闘病記録としてこのブログを始めて、ただ記録を残していただけなのにも関わらず、アクセス数がどんどん増えてびっくりしていました。
本当は夫が元気になり、同じ様に頑張っている皆様に希望を持って頂けたらと願っていました。

でもごめんなさい。
その願いは叶いませんでした。。。

応援して下さった皆様、アドバイスを下さった皆様、本当にありがとうございました。



昏睡状態に入り「あと一週間くらいでしょう。」と言われていたので、私も久しぶりに家のベッドで寝ようと帰ったばかりでした。

「血圧が下がってきてるので、早く来て下さい。」

すぐに病院に向かいました。

実家で娘も寝てしまっていましたし、夫のご家族も遠い。
みんなに連絡をして、最期は私1人で見送る事にしました。
点滴を打ったばかりの時はガーガーといびきをかいて、本当に気持ちよさそうに寝ていた夫。
病院に戻った時は、いびきも無くなり静かに寝ていました。
手や足は既に冷たくて、私は握って温めました。

病院に戻って2時間くらいでしょうか。

頑張っていた心拍数がだんだんに下がってきたな、と思ったら、先生と看護師さんがみえました。

ついに見送る時が来たのです。


人の死ぬ瞬間を見るのは初めてでした。
一定の呼吸をしていた夫は心拍停止になった瞬間大きな溜め息をついて、もう一度、顎を動かしました。

そして時が止まりました。

先生が最後の診察をして「大変残念ではございますが・・・。」と、ドラマの様でした。
私は「本当にいろいろとありがとうございました。お世話になりました。」と先生に深々と頭を下げました。


すごく不思議な時間でした。

「お疲れ様でした」と何度も夫に言いました。

もう夫の声を聞く事も、一緒に歩く事も出来ない。

そっか。

本当に死んじゃったんだ・・・。



強い点滴を打つ前、病室に娘はいました。
「今パパの側に○○がいるよ!声、聞こえる??」と聞いたけど夫は半狂乱になりながら意識が朦朧としていて「わからない!聞こえない!」と首を横に振りました。

点滴が入る時、「もう眠ったら起きれないかもよ」と私が言うと「えっ?もう!?」とびっくりしていた夫。
「どうする?もう少し頑張れる?」と聞いたけど「駄目だ!キツイ。ごめん。無理だ!」と辛さを訴えてきました。

そしてお互いしっかり見つめ合いながら、手を握り締め、「大丈夫。ありがとう。大丈夫。」とお別れを言いました。

それから眠りにつき、その夜に夫は旅立ちました。

癌が発覚して、わずか4ヶ月でした。


いつも私が病室を離れると体調が悪くなる夫。
あと一週間と言われていたのに、私が家に帰ったらその日に逝ってしまいました。

本当に分かりやすくハッキリした性格です。



先生が管を取ったり最後の処置を終え、看護師さんが夫の体を綺麗にしてくれます。
「一緒にやりますか?」と言って下さったので、私も夫の体を拭き、ずっと洗いたがっていた髪の毛を洗いました。
そして、髭を剃り、私が夫のお顔に化粧を施しました。

夫の体はまだ温かい。
でももう目を覚ますことはない。
やっぱり不思議な時間でした。


葬儀の打ち合わせやご連絡など全て喪主である私1人でやりました。
お通夜は夫の希望で、前の会社の方にはたった1人しかご連絡しませんでした。
もう独立して数年経つのに、たくさんの方が参列して下さいました。
葬儀屋さんもバタバタと追加注文をして忙しそうでした。

私は顔も名前も知らない方々とたくさんご挨拶しました。

皆さん会社での夫の活躍をいろいろ話して下さいました。
海外からも来て下さいました。


真面目で
頑固で
適当に出来ない夫。

「本当にいろいろとお世話になったんです。」
と私に涙を溜めながら話して下さる方々。


亭主関白でとても厳しい人だったけど、私は心から尊敬していました。
前の会社の方々も本当に夫が大好きだったんだなと思いました。
夫は一生懸命仕事をして、あっという間に人生を終えてしまいました。



娘は強い子です。
私が側にいるから大丈夫。


「パパがずっと見守ってくれてるって約束してくれたから。ママがいるから平気だよ。」

「パパ、死んじゃったけどしょうがないよ。大丈夫だよ。」

娘はどこまで理解して話しているのか分からないけど、弱った私の心を温かくしてくれます。

大丈夫。
きっと大丈夫。。




このブログを見て下さった皆様、本当にありがとうございました。

6年という短い結婚生活はとても幸せなものでした。

パパ、ありがとう。
そして、お疲れ様でした。


ゆっくり休んでね。



最後に夫から娘へ送られたオルゴール。



癌と闘う。-F1010033.jpg

一生の宝物になる事でしょう。

ずっと、見守っていてね。。。