とりあえず「自称ITニュース系ライター」になるだけなら話は簡単です。自分で「テクニカルライター」の肩書をつけた名刺でも作って、それで「私はライターです」と言い張っていれば、極端なことを言えばそれだけで誰でも「ITニュース系ライター」を名乗れてしまうのがこの世界です。
ただし現実にインプレス・ITmedia・マイコミ・日経BPなどの大手サイトで記事を掲載してもらえるようになるにはそれなりのハードルがあります。

このハードルの乗り越え方はいくつかありますが、学生や20代前半の方で下働きも厭わないというのであれば、一番手っ取り早いのは「アルバイトになってニュースサイトの編集部にもぐりこむ」ことでしょう。実際大手各社のサイトをちょくちょく見れば分かりますが、マスコミは全般的に人の出入りが激しい業界なので、どこの会社も不定期ですが年数回はアルバイトの募集をかけてます。
最初は編集部に送られてくるプレスリリースの整理とか電話番とかから始まるでしょうが、この業界はアルバイトでも使えると見ればがんがん取材に出して記事を書かせるのが当たり前。あとそれ以前に編集部内部で書くニュース原稿がどうやって作られているかとか、外部のライターとの交渉事(原稿料・〆切など諸々)など、編集の現場を知ることでライターとしてプラスになることは数多いです。
特に外部に取材に出してもらえるようになると「媒体のロゴ入り名刺」が持てるのも大きいかと。やっぱり取材に行く時に、媒体名と社名ロゴ入りの名刺で取材に行くのと、個人で作ったよくわからん名刺で取材に行くのとでは、取材先の対応が変わることが珍しくないので。
 
もちろん自分が有名大学出身で、この不況下でも正社員として雇ってもらえる自信があれば、新卒採用に応募してみるのも手でしょうけど、新卒採用の場合配属先がニュースサイト担当となるとは限らないので(どこの会社もニュースサイトは会社の数ある部門の一つに過ぎない)、どうしてもニュースライターになりたいのならアルバイトの方が「キャリアを積む」という点では有利な気がします。

えー、まずIT系ニュースライターになりたいと思ってこのブログを訪れた奇特な方に一言。

「ぶっちゃけ儲かりませんがそれでもOK?」

同じテクニカルライターでも、マニュアルライターとかの方はメーカーから安定して仕事さえもらえればそこそこの収入が維持できますし、初心者向けの入門書ライターなんかだと一発でかいの当てれば大きく儲かります(インプレスの「できるWindows」シリーズのライターさんなんかはかなり儲けてるはず)。しかしニュースライターは

・原稿料は安い(だいたい取材レポート1本書いて1万から2万)
・仕事は不安定
・そのくせして技術的な知識とかをかなり求められる

などなどいろいろ条件が厳しくて、この私もライター時代に年収(所得ではなくホントに総収入)が500万超えたのなんて何年あるか、という感じでした。

それでも

・新しい技術にいち早く触れたい
・人の知らない新製品情報を仕入れて自慢したい
・技術の裏側にある様々な問題を人々に周知したい

など奇特な使命感をお持ちの方は、この先を読み進めてください。

なお本ブログでは、ライターとしての基礎ともいえる「基本的な日本語の文章の書き方」については原則として説明しません。それについては「日本語の作文技術」(本多勝一著、朝日文庫)という名著があるので、そちらを読んでいただくのがベターかと。(今は新装版が出ているようですが、そちらは私は読んでないので、とりあえず値段も安い文庫版をオススメしときます)

日本語の作文技術 (朝日文庫)/本多 勝一
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えー、以前ITニュース系媒体でライターやってた者ですが、ふと気づいてみると、「テクニカルライター養成講座」みたいなものはあちこちでやっていても、そのほとんどが「マニュアルライター」の養成講座で、ニュースライターの養成講座って見かけないなぁ、ということに気づきました。

なんで元ライターとして、自分がライターやってた当時のノウハウみたいなものをここで書き溜めておければと思います。
気が向いたら更新する程度のつもりなので、まあ期待しないでお読みください。