夏に縫った、パジャマのズボン。
参考にしたのは、H7(1995)年発行の本でした。
洋裁が趣味の一つだったので、他にも何冊か本棚に並んでいます。
文化出版局の季刊誌「サマンサ」、大好きでした。
洋裁をする時間がなくなってからも、かなり長い間、そのまま取ってありました。
娘にとっても、いつの間にかファッションの教科書となっていたそうで、処分するのは嫌がったため、今も数冊残してあります。
もうこうなると、捨てる意味すらなくなってね。
娘の要望で残したものなので、特に私が縫いたいものは、実はその中には無かったりします。
それも含めて、色々な思い出とともに、たまに見返すのが常になっています。
そういう洋裁本コーナーに一緒に挟まれている、ちょっと変わった一枚があって。
一冊ではなく、一枚。こちら。
なんのこっちゃ、でしょう?
「保存版 洋裁の基礎便利帳」でございます。
昭和54(1979)年 主婦の友 7月特大号 第4付録
何故こんなものがあるかと言うと、ズバリ私が使っていたから、なんですよ。
18歳で実家を離れましたが、その後、働き始めてしばらくして、ミシンを買いまして。
簡単なものしか縫わないのに、やっぱり手元にミシンがないと寂しかったというか何と言うか。
今のように、実物大の型紙が付録としてついているわけじゃなくてね。
単品で売ってはいましたが、とても高くて手が出ませんでした。
自分で製図してたんですよねー。高校の家庭科で習いましたし、それ以外の他の流派?のものも、本を見ながら作りました。
昔ならいざ知らず、今、私程度の知識で製図からする人は、滅多にいないでしょうね。
被服科や服飾系の学生さんや卒業生なら、手慣れたものでしょうけれど、そうじゃないと結構大変。知らないと、チンプンカンプンでしょう。
それこそ洋裁が趣味で、だんだん凝ってきて、自分に合ったものを作りたいと強く思うようにでもならないと、製図からなんて、面倒で面倒で…。
正直な話、実物大の型紙を写すのでさえ面倒なのに。
そのまま切りたい衝動にかられますもん。押さえますけれど。
ワンピースやブラウスを縫うなら、自分の寸法の原型、作りたくなりますけどね。気持ちは分かります。
私の場合、ワンピースと言っても作るならアッパッパだし、型紙の手直しで大丈夫。
いやー、昔の人はえらかったな~。ホント。
で、この付録は、帰省した際に貰ってきたもの。
当時は、これで足りたんですよー。今じゃ考えられないですよねー。
たった一枚なんですが、かなり網羅されていて、今見ると驚きます。
「基礎便利帳」と銘打っていますが、末端の基礎の基礎的なことは、省いてあります。要するに、そういう素養があるという大前提でまとめてあるということで。
今売っている、こういう基礎を解説したもの、物凄く丁寧なんですよね。逆に丁寧過ぎてビックリしたりします。ここから書くの?これって必要?みたいな感じ。
私達の世代なら、知っていて当然、出来て当たり前だったことが、だいぶ違っているらしく。
基礎的知識や、常識や教養って、その時代、その都度で変わるものなんですね~。
「あると便利なアタッチメント」に、目が釘付けになりました。
ファスナー押さえ金とか、三つ巻きとか、この時代からあったとは知りませんでした。
実家のミシンはシンガーの足踏み式。素朴に直線縫いのみ。
こんな洒落たものが売ってると、母は知ってたのかしら?
もしファスナー押さえが家にあったなら、中高生の時、もっと楽に縫えたのになあ。
と書いている今、一昨年買ったミシンに、ファスナー押さえは付いてきましたが、三つ巻きはありません。付属品にするには特殊で、使わない人も多いアタッチメントですからねえ。
三つ巻き、実はちょっと前から気になっていたので、見たら欲しくなりました。どうしよ。
それにしても。母は「婦人倶楽部」派だったと思っていたのに、これは「主婦の友」。
「婦人倶楽部」の編み物の本、今も実家に沢山あります。
たぶん昭和50年代辺りからそのままじゃないかな?私も編みました。
「婦人倶楽部」は編み物で、「主婦の友」は、縫い物に強かったとか?どうなんでしょうね?
洋裁の細々したこと、詳しく書かれた本を開くまでもない確認事項なら、この冊子で大丈夫。
せっかくここまで持っていたのですから、処分は子供に任せて、私は使い続けます。
昭和の香り漂う、懐かしい一枚の付録でした。
お読みいただき、ありがとうございます。