第5回  「 道順はヨタヨタの問題 」

 

例題:たて4本 よこ5本 でできた碁盤の目の道路がある

           左下の A地点から右上の B地点まで行く

           最短経路は 何通りあるか

 

A地点を出発して B地点に着くまでに、

たて(上)に4回(よこ道が5本あるので、たて(上)に4回)

よこ(右)に3回(たて道が4本あるので、よこ(右)に3回)

進むことになる。

 

この進み方(道順)が何通りあるかを求める問題である。

 

たてに進む記号を タ 、よこに進む記号を ヨ と記すことにする。

 

A地点から B地点に着くまで、たて・よこ合計7回進むことになる。

これを記号を使って表してみる。

 

たとえば、(タ・タ・ヨ・タ・ヨ・ヨ・タ)

 

この記号は、A地点から、たてに2回進み、よこに1回、たてに1回、

よこに2回、たてに1回進むと B地点に着く事を表している記号である。

 

つまり、道順を ヨタヨタの記号で表したものである。

 

これは、7回のうち ヨ を3個並べる組合せ 7C通りである。

残りの4個は自動的に タ となる。

 

つまり、道順を ヨタヨタ の記号と考えることで理解しやすくなるのである。

 

以上 「 道順はヨタヨタの問題 」 でした。

 

 

 

第4回 「二人がけのイスを用意する」

 

例題:男子4人、女子3人が1列に並ぶとき

           女子2人が 続いて並ぶ 並び方は何通りあるか

 

女子2人が 続いて並ぶ ため、二人がけのイスを用意して、この二人がけのイスに

女子3人から2人を座らせる。

左、右も区別して 順列の 3P2 通りである。

この二人がけのイス1つと残り5人の座るイスで、イスは合計6個になる。

7人いるが二人がけのイスに2人座っているので イスは6個になる。

 

このイス6個の順列は 6P6 通りある。

二人がけのイスに女子2人座る順列のそれぞれに

イス6個の順列があるので 掛け合わせると

3P2×6P6 通りである。

 

このように、2人が 続いて並ぶ ようなときは、

その2人を座らせる二人がけのイスを用意する。

3人なら三人がけのイスを用意して1つのイスに座らせる。

 

1つのイスに座らせる時から、すでに順列が存在し

そのそれぞれにイスの順列が存在する。

 

このように考えると理解しやすくなるのである。

 

以上 「二人がけのイスを用意する」 でした。

 

 

第3回 「重複組合せは ○ (丸) と | (棒)で考える」

 

例題:3種類の果物(柿,りんご,みかん)から重複を許して10個取る組合せ

            ただし、1個も取らない果物があってもよいとする

 

これは、柿+りんご+みかん=10 となる組合せを考える問題です。

 

この問題を考える時、10個の を  柿、りんご、みかん に割り当てる。

10個を3種類の果物に割り当てる為に |  2本を考える。

そして、10個の と2本の | を並べてみる。

例えば、○  ○  |  ○  ○  ○  ○  ○  |  ○  ○  ○  と並べてみると

これは、柿 2個、りんご 5個、みかん 3個 を取る事を意味する。

こういう組合せが何通りあるかを計算する。

 

10個の と 2個の | を並べるので全部で 12個並べることになる。

その 12個のうち 2個の | の並べる場所を決めると、あとは自動的に 

10個の の場所が決まる。

つまり、組合せ  12C2  となる。(12C= 12C10  としても計算できる)

 

重複組合せの公式は  nH= n+r-1Cr となっているが、これを公式に

当てはめるのではなく、| の並べ方と捉えることによって  12C2  という式で考える

ことができ、理解しやすくなるのである。

 

以上    「重複組合せは ○ (丸) と | (棒)で考える」  でした。

 

 

 

第2回 「サイン,コサイン,タンジェント・たて,よこ,傾き」

 

直角三角形には、たての辺・よこの辺・ななめの辺 があります。

直角の対辺である「ななめの辺」は1つなので あと直角をはさんだ2つの辺が「たての辺」「よこの辺」です。

ここで直角以外の角2つのうちの1つの角を θ とします。

その θ の対辺を「たての辺」と人間が決めました。

これで、「たて・よこ・ななめ」 が決まります。

 

そして

「サインはたて」「コサインはよこ」「タンジェントは傾き」を表します。

 

つまり

         サイン θ = たての長さ ÷ ななめの長さ(たて÷ななめ)

         コサイン θ = よこの長さ ÷ ななめの長さ(よこ÷ななめ)

         タンジェント θ = たての長さ ÷ よこの長さ    (たて÷よこ)

 

と人間が決めました。これが 三角比の定義 です。

 

数学にはいろいろな記号があります。その記号には人間の決めた 定義 があります。

新しい記号が出てきたらまずその 定義 を正しく理解する必要があります。

 

以上  三角比の定義

 

「サイン,コサイン,タンジェント・たて,よこ,傾き」でした。

数学の問題を解くにあたってその問題の特徴をとらえて問題に「題名」をつけることを考えました。

今回はその第1回です。

 

第1回「因数分解 低・共・公」

 

文字式を因数分解するときにまずすることは、一つの文字について降べきの順に整理することから始めます。

 

その時、

①「低」…低い次数の文字について降べきの順に整理すると式が扱いやすくなります。

まず「低」これが第一です。

次に

②「共」…共通因数があればくくり出す。

そして

③「公」…公式を考える。

 

因数分解をするときに公式から考えがちですが、その前の準備がとても大切です。

 

そこで、「因数分解 低・共・公」となるわけです。

 

これで全ての文字式が因数分解できるわけではなく

例外もあり、「( )²ー( )²の型をつくる」こともあります。

 

それでも因数分解できないときは解の公式を利用します。

 

以上、「因数分解 低・共・公」でした。