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それを聞くとまた大久保翁は鼻で笑いました。
「いかにも。知床には内通者はおらん。いたにはいたが、全員がこの壬生狼に殺された。実際はこちらにはまったく関係の無い人間まで200人は殺されたらしい。やつらはグレーゾーンの連中まで徹底的に皆殺しにしたのじゃ。」

 車内がシーンと静まり返りました。

 と、クククという笑い声。

 手錠をはめられている少女のものでございました。
 黒い髪は肩まで。細い腕には蛇のような刺青。肌は透き通るように白く。唇は薄い桃色。

 「何が可笑しい?」
兵士のひとりが強い口調で少女に詰め寄りました。その髪を強引に引っ張り、顔を上げさせます。
 大きな黒い目が私の目と合いました。

 「何とか言え!!この死神が!!」
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りを入れると、少女は苦しそうにガラスにもたれかかりました。
 それでもなお笑顔は続いております。

 「やめておけ。」
陸奥がそう指示を出し、兵士を座らせます。

 「なんじゃ。お前もわしの仲間を殺したのか?」
大久保翁がそう尋ねると、少女はさらに大きな笑い声を発し、
「200人?何もわかってないね。あんたの仕掛けの犠牲者は1000人を下らない。その多くが事態も呑み込めない女、子供さ。死神の称号はあんたにくれてやるよ。」
 それを聞くと今度は陸奥も笑い出し、
「なんだジジイ。どこに行っても嫌われものだな。」

 「なるほど。それで坂本さんを引っ張らせたわけですか???」
沖田が納得したという表情で呟きました。陸奥が、
「引っ張