もうすぐ乳がんの手術から1年が経過します。

右胸に見つかったがんは視触診では気付かれない程の1センチに満たない小さながん。
自覚症状も全くありませんでした。



毎年、安心するために受けていたマンモグラフィ。
41歳の自分が、まさかがんだなんて思いもしていませんでした。
父を大腸がんで数年前に亡くしていますが、75歳を過ぎた母親は風邪すらひかずピンピンしてるし、不摂生のかたまりみたいな兄達だってがんになんかなってない。
なのに何で品行方正な私が…
おかしいじゃないか⁈

でも41歳、乳がんになってもおかしくない年齢だったんですよね…。



幸いにも早期で見つかって、今こうして平穏な生活を送れています。
もしもあの時、検診を後回しにしていたら…。
今と違う運命を辿っていたかもしれません。



マンモは痛いし、触診は恥ずかしいし、大嫌いな検査です。

だけど、毎年きちんと受けていて本当に良かった。

心の底から実感しています。


先日、息子が大きな袋を後ろ手に隠して家に帰ってきました。


サラダ買ってきた!

照れながら私に差し出した袋の中には、サラダ?ではなく小さな鉢植えが入っていました。

私へのプレゼント。
もうすぐ私の誕生日だったからです



これまでは歳をとるのが本当に嫌だったけど、がんになってからガラリと考えが変わりました。


このままどんどん歳をとって、息子の成長を見届けたい。

そんな心境です

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私が処方されてる薬はノルバデックス錠(後発品タモキシフェン)
がんの餌となるエストロゲンの働きを抑えて、がん細胞の増殖、再発を予防するらしいです。

それを毎日、朝食後に2錠服用しています。5〜10年続ける予定です。


私の場合、副作用で生理不順になりました。毎月きていた生理は今3カ月に1度のペースに減っています。
生理が来ない間、たまに不正出血もあります。
飲み続けているうちに、さりげなく閉経を迎えてしまいそうです。
更年期の状態に近いのか、感情の浮き沈みも以前より大きくなった気がします
些細な事でイライラしたり…。元からか⁈
それとたまに大汗かきます



ノルバデックスは乳がんの再発を予防する一方、子宮体がんのリスクを高めるらしく、こまめに婦人科検診を受けるようなりました。
薬とは関係ないけど、最近卵巣に皮様嚢腫があることが分かりました
これも稀に悪性化する可能性があるらしいのでそちらのチェックも兼ねて。


10〜20代は救急車で運ばれる程のひどい生理痛、30代は辛い辛い不妊治療……で、今。
女性特有の悩みは尽きることがありません…


手術から2か月程経って、放射線治療が始まりました。


この放射線治療がなかなかのくせ者で、照射自体は15分もあれば終わるのですが、土日以外は連日病院に通わなくてはならなくて


息子が幼稚園に行っている間に通うにしても、パートはどうしよう…


幼稚園の時間帯で働いていたので悩みました。
しかも放射線治療の予約は前日に取るシステムで毎回同じ時間が取れるとは限らない。
毎日毎日遅刻や早退をするわけにはいかないし…ましてや7週間休み続けるわけにもいかないし…



なので、放射線治療が始まる前にパートを思い切って辞めました!

余計なストレスを感じたくなかったし、実はがんの治療で…と職場に打ち明ける勇気もタイミングもなかったからです。



お陰で時間にも気持ちにも余裕を持って治療に臨めました。
治療後半は皮膚が乾燥して赤黒くなり、とにかく痒かった
ブラジャーなどは厳禁なので毎日ノーブラで過ごしました。冬だから色々と誤魔化せたけど…夏だったら大変だろうな…





病院の地下にひっそりとある放射線科。
42歳の自分には当分無縁だと思っていたその場所は、少し薄暗くて、物悲しい雰囲気でした。

そこにはがんの人しかいない。

連日通うので、自然と顔見知りになるけれど、目を合わす事も挨拶を交わす事もない。
皆が黙ってがんと戦っている、そんな場所でした。
あの7週間は長かった。
最終日の達成感とも開放感とも言えない気持ちは忘れられません。

もう2度と戻ってきたくない。

そう強く思いながら、放射線治療を終えました。


がんになって最も緊張した瞬間。

それは病理検査の結果を聞く瞬間でした。



手術から約1ヶ月後に病理検査の結果が出ました。
もしもリンパへ転移してたり悪性度が高ければ抗ガン剤治療になるかもしれない。

できればそれだけは避けたい。それが本心でした。


だからドクターからの説明を受けた時、心底ほっとしたのを覚えています。


リンパ節転移なし


がんには顔があってね…
モニターに映し出されたがん組織を眺めながらドクターが説明をしてくれました。
同じがんでも大人しいタイプと悪さをするタイプがある。
あなたのがんは大人しいタイプのがんだね。


改めてステージ1の浸潤がん
がんの大きさ6ミリ×6ミリ


目に見えるがんは取り除きました。
でもこれで終わったわけではありません。


次は最低5年間のホルモン剤服用と、7週間に渡る放射線治療を受けることになりました。