【MHF】私とボクの思い出【小説】第三十六話 | チョコっとMHブログ♪

【MHF】私とボクの思い出【小説】第三十六話

ルドルフ
「…フローラや。
…この身体はもうワシではないのだよ。

もう片手剣を握る事も出来なければ…
お前を抱くことも出来ない…。

…ワシの意志で動いてないんぢゃ。

誰かがギルドの計画を潰そうと…
つまりこの身体を壊そうとすれば…
防衛システムが起動するようになっている…。」


喋りながら、ルドルフの顔は笑っているように見えた。



(何か…矛盾している…?

おじいちゃんの身体で無いのなら…

私が話をしているのは…)





押し寄せる不安。
フローラは急に心細くなる。

何かが変だった。




(最初は私だという事に、気が付いていなかった…!
そして今はおじいちゃんのフリをしている…!?

“なんのために??”)


胸がざわつき、心臓の鼓動が不規則なリズムを打つ。





(どういうこと!?
何を考えているの!?
とにかく防衛システムだとか…
もう関係ないっ!

おじいちゃんの意識も無いのであれば、臆する事はないっ!


破壊するっ!)


もはやパニックになりそうなフローラであったが
目的を忘れてはいなかった!


武器を取り戦闘態勢に入るフローラ…!




その老人の顔には笑みが浮かんで沈まなかった。


老人
「…防衛システムは恐ろしいものだよ…。
娘一人が騒いだところで…どうにもならん。





しかしね…防衛システムは発動しない。





お前を死なせてしまっては…
勿体ないからなぁ…。

ふはは…

ルドルフ家の血を引くものよ…
我々の研究に力を貸したまえ…。


“お前の祖父が、そうしたように…”」









(ついに本性を現したわっ!
おじいちゃんが…研究に力を貸したなんて…

冗談にしても許せないっ!)


「おじいちゃんは…!
多くの人の命を救ってきたっ!
そんな悪魔のような研究に…

力を貸すはずがないわーっ!」




グウォォオ…ンッ!!



振り上げた剣からは怒りを具現化したような紅蓮の炎が立ち上るッ!

その火炎は床を焼きテーブルを裂き
老人へ襲いかかるッ!





チュピィィィ…ンッ!!





「…まだ爆剣アグニなどを使っているのか…。」


老人はフローラの剣に小言を言ったが
その手に握られていたのはシヌス・カリンガであったッ!



第三十七話へ続く!