【MHF】私とボクの思い出【小説】第三十五話 | チョコっとMHブログ♪

【MHF】私とボクの思い出【小説】第三十五話

会わなければならない人がいる!

新しい装備に袖を通し、改めて気を引き締めなおしたフローラ。


(あの人に…。

初めて会った時からこうなることは決まっていたの。
私の中で広がっていた波紋は
何か“確かなもの”にぶつかって、
再び中心へと返ってきていました。)






「失礼しますっ!」






そこにいたのは一人の老人






「…こんにちは。
…ようこそラスタ酒場へ。」






(あの時は偶然とか
ただよく似ているだけということで片付けてしまった。

しかし改めて会うと、彼は確かに…)






「おじいちゃん…。」






老人に動揺した様子は見られなかった。

二人の間に浮かぶ沈黙が少しだけ濃くなった気がした。






「おじいちゃん…

  フローラだよ…?」



老人の顔が少しだけこちらを向く





「…フローラか…
そこにいるのかい、フローラや…

…おじいちゃんの事はもう…忘れなくちゃいかん…
…おじいちゃんは…死んだのだよ…。」



「おじい…ちゃん…!!」

フローラは涙が溢れそうになるのをぐっとこらえた。

今はまだ泣く時ではなかった。


「おじいちゃん…。
それにきっとお父さんやお母さんも…
ギルドに利用されてしまったんだよね。
…私は、どうなっちゃうのかなって思うと…恐いですっ。」






「…フローラや…。
…おじいちゃんの事は忘れるのぢゃ。
そしてもう二度とここにくるんじゃあない…。
…お前だけは幸せに生きるんぢゃ…。

…お前のために―」

「もうこれ以上増やしたくないよっ!!」



ルドルフは何かを言いかけていたが、フローラはそれを遮った。



「私の友達に、フラウって子がいるの。
…知ってるよね?この前ここで契約したレジェンドラスタだよ。」



ルドルフは微かにだが確かに頷いた。



「こんなに…こんなにも悲しい事。
もう終わりにしなくちゃいけないんです…。」





「…フローラや…。
…お前の考えている事は正しい。
…さすがはワシの孫ぢゃ…。
ぢゃが、わかって…いるね…?
それはつまり…―」




「…。
ごめんね…。














おじいちゃんを
“殺します”。」






ルドルフの口元が少しだけ上がったように見えた。



第三十六話へ続く。