【MHF】私とボクの思い出【小説】第二十四話
美しい月夜の下に仲良く腰を下ろした二人。
空に何があるわけでもなく、また何を見ているわけでもない。
それでも人は星空を眺める。
美しさというものはそういうものである。
(あの星の輝きはずぅっとずぅっと昔のもの。
それは果てしない年月であり、私なんかはまだ生まれていない頃なのでしょうか。
それとも私がまだ子供の頃の光なのでしょうか。)
―幼少期のフローラ―
フローラ
「おじいちゃんおじいちゃんっ!この片手剣アタシの?アタシの~?」
ルドルフ
「これこれフローラ。
片手剣は遊び道具じゃあないんぢゃ。
危ないから触っちゃいかんよっ!」
フローラ
「わーん!知ってるもんっ!
アタシもおじいちゃんみたいに片手剣士になりたいのっ!
だからおねがい~!
こんなにいっぱいあるんだから、一つくらいくれてもいいじゃないっ!」
ルドルフ
「(やれやれ…)
こっちにおいでフローラ。
この盾をあげるから我慢するんだよ。」
小さな片手剣とはいえモンスターを狩る武器であり、凶器なのだ。
まだ幼い子供に持たせるのは早い。
フローラ
「ぇぇ~剣は?剣は~?」
ルドルフ
「ダメぢゃっ!」
フローラ
「けちっ!」
そんなやりとりがこの二人の間では日常茶飯事だった。
ところがある日、
フローラのあまりの粘り強さに耐えかねた祖父ルドルフは、あるいじわるを思いついた。
ルドルフは地面に向かって剣を突き刺す。
「ぬぅんッ!」
ザクッ!
「フローラやっ!
これを抜いてごらん。
これが抜ける力が付いたらお前にも片手剣術を教えてあげようっ!
(これでしばらくは大丈夫ぢゃろっ)」
フローラ
「う~ん…う~ん…
抜けないっ><」
ルドルフ
「そうぢゃろう、そうぢゃろう。
いいかい?片手剣にだって力は必要なんだよフローラ。
無理に急ぐ必要はまーったくないんぢゃ。」
それからフローラは毎日その剣を抜こうとしては諦める…といった日々を過ごしていった。
フローラがいつまでも挑戦する気持ちを忘れなければ、いつか剣は抜かれるだろう。
そしてそれは“片手剣を習いたい”という気持ちが本物であるということ。
しかしながら、幼い女の子に片手剣術を仕込むなど…
葛藤を抱きつつも、毎日毎日挑戦しているフローラの姿を見て、ルドルフの決意は固まっていった。
そしてその時は来た!
第二十五話へつづく―
空に何があるわけでもなく、また何を見ているわけでもない。
それでも人は星空を眺める。
美しさというものはそういうものである。
(あの星の輝きはずぅっとずぅっと昔のもの。
それは果てしない年月であり、私なんかはまだ生まれていない頃なのでしょうか。
それとも私がまだ子供の頃の光なのでしょうか。)
―幼少期のフローラ―
フローラ
「おじいちゃんおじいちゃんっ!この片手剣アタシの?アタシの~?」
ルドルフ
「これこれフローラ。
片手剣は遊び道具じゃあないんぢゃ。
危ないから触っちゃいかんよっ!」
フローラ
「わーん!知ってるもんっ!
アタシもおじいちゃんみたいに片手剣士になりたいのっ!
だからおねがい~!
こんなにいっぱいあるんだから、一つくらいくれてもいいじゃないっ!」
ルドルフ
「(やれやれ…)
こっちにおいでフローラ。
この盾をあげるから我慢するんだよ。」
小さな片手剣とはいえモンスターを狩る武器であり、凶器なのだ。
まだ幼い子供に持たせるのは早い。
フローラ
「ぇぇ~剣は?剣は~?」
ルドルフ
「ダメぢゃっ!」
フローラ
「けちっ!」
そんなやりとりがこの二人の間では日常茶飯事だった。
ところがある日、
フローラのあまりの粘り強さに耐えかねた祖父ルドルフは、あるいじわるを思いついた。
ルドルフは地面に向かって剣を突き刺す。
「ぬぅんッ!」
ザクッ!
「フローラやっ!
これを抜いてごらん。
これが抜ける力が付いたらお前にも片手剣術を教えてあげようっ!
(これでしばらくは大丈夫ぢゃろっ)」
フローラ
「う~ん…う~ん…
抜けないっ><」
ルドルフ
「そうぢゃろう、そうぢゃろう。
いいかい?片手剣にだって力は必要なんだよフローラ。
無理に急ぐ必要はまーったくないんぢゃ。」
それからフローラは毎日その剣を抜こうとしては諦める…といった日々を過ごしていった。
フローラがいつまでも挑戦する気持ちを忘れなければ、いつか剣は抜かれるだろう。
そしてそれは“片手剣を習いたい”という気持ちが本物であるということ。
しかしながら、幼い女の子に片手剣術を仕込むなど…
葛藤を抱きつつも、毎日毎日挑戦しているフローラの姿を見て、ルドルフの決意は固まっていった。
そしてその時は来た!
第二十五話へつづく―