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理想的な発電システム

核融合による商業用発電炉の実現が、この先およそ60年というタームであっても、
人類が手にする比較的クリーンなエネルギーとしての価値は非常に大きい。

理想的な発電システムは宇宙空間における大規模な太陽光発電であることは間違いないのだが・・・

燃料棒の処理

東京電力の原発の全てが稼動停止状態となった。
これによって日本で稼働中の原発は北海道にある3基のみである。

いつの間にか、こんな状態である。
定期点検によって冷却状態になってからの再稼働が電力会社のみの判断ではできなくなったのだ。

停止状態の原発にも使用前、使用済の燃料棒は当然のことながら存在するわけで、
今後、もし仮に廃炉が決定されたとしても処理施設は建設しなければならない。
そもそも処理と言っても、セメントで固めて地中深くに埋めてしまうとかの方法しか無い。

化学的見地から放射線を無効化するような画期的な方法が発明されない限り、「処理した」とは言い難い。

実際のところ、無効化するのは多分、無理なので、きちんと管理下に置くという意味では、現状維持、
即ち、今後、人類が生存する限り、燃料棒を冷却し続けるしか有効な方法は無いのではないか?

気の長い話

何分にも気の長い話のようであるが、
超高温、超高圧のプラズマを、それこそSF的な電磁シールドで封じ込める訳であるから、
設備自体が相当巨大な物となり、建設にも時間がかかる。


とは言うものの、核分裂反応を利用した原子力発電所も同様に巨大な施設であり、
同様のスケジュールによって実用化が成された訳で、巨大なプロジェクトとしては至極当然の事象であると言える。

計画スケジュール

何れにせよ、核融合のプロジェクトは震災の影響等で1年程度の遅れはあるが、進行中である。

計画スケジュールによれば実験炉を建築し、稼動実験を20年行い、その後5年間をかけて除染を行い、解体される。
さらに、その後、経済性、安全性の確認のための実証炉に依る実験を経て、
実用的商業炉の建設に取り掛かるというわけだ。

フランスで建設中の実験炉の完成が2019年の予定であるから、実験結果として報告されるのは、
それからさらに20年後の2039年ということになる。

実証炉の建築、実験といった工程も同様であるなら、
実質的な商業炉はさらに30年後の2069年建設開始ということになる。

「核」という言葉の持つイメージ

核融合反応は物質の根源に関わる部分でエネルギーを取り出すものである。
そのせいで、反応時に放射性物質を生成したりする訳であるが、
燃料とも言える、反応に使用される物質は核分裂反応に使用される物のような重い元素ではない。
よって、核分裂反応のような大量の高レベル放射性廃棄物が生じる心配も無い。


ただ、「核」という言葉が既にイメージダウンを誘発している。
科学者、研究者はそのような案件は一切、意に介さないであろうが、
一般にクリーンなイメージを浸透させるにはそれなりの戦略というものが必要である。

MHD発電

核融合発電に関しては、現状では、比較的反応しやすい物質でのエネルギー取り出しを目標にしているため、
従来通り、お湯を沸かしてタービンを回して発電というシステムにならざるを得ないのであるが、
もっと取り出されるエネルギーの反応効率のよい物質を使用しての反応によっては
陽子の運動エネルギーを直接電力に変換することが可能なMHD発電を行うことも可能になる。

国際的な計画

前出の核融合実験施設建築計画は国際的な計画である。
そのため、確実な成果を求められるため、突飛な発想の設計ではないし、達成目標も無理のあるものではない。



放射性廃棄物

核融合反応においても放射性廃棄物は生み出されてしまうが、
それは、核分裂反応で言うところの低レベル各廃棄物であり、
廃棄物の放射能汚染レベルは核分裂反応の比ではない。

底上げされた科学技術

フランスで建設中の核融合実験炉は、段階的には、きちんと燃料に着火できるかどうかの検証レベルであるが、
コンピュターによるシミュレーションの発達した現在では、実験炉を次の段階へ移行させることは、
過去に想定していたレベルよりもはるかに難易度が下がっているように思う。
さらに部品の工作精度の向上という要素もあり、核融合炉の実現は不可能ではないと思う。

今後のエネルギー問題

今後のエネルギー問題に関しては、正直なところ、そんなに不安には感じない。
何故なら、核融合炉による発電という手段が現実的なものとして存在し、
実用化に向けて計画通りに進んでいるようであるからだ。

まだ実用化に向けての実験炉をフランスに建設中という段階であり、今後、様々な問題も起きてくる可能性はあるが、
技術的には概ね問題はなさそうである。

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