先日、某ホテル総支配人と県博物館の方々とお会いしました。

 

色々と楽しい話はありましたが、お互いの話しの中で伝統という話題になった時にそれぞれ面白い話しが出来きました。

 

話しの内容は和菓子で有名な「虎屋」の話から始まりました。

 

なんと羊羹などで有名な「虎屋」はもう500年程続いているそうです。

 

驚いたのが社長は代々同じ血筋の者は会社に入れないそうです。

 

●500年続くノウハウとは?

 

500年続く為には色々な工夫がある事も聞けたので、他の事にも武道にも関わりある事だと思ったので少し紹介したいと思います。

 

①まずは守るべき伝統の核はしっかり守る。

 

お菓子の世界も初代から変わらない伝統菓子があるという。

 

初代から製法や素材は一切変えてないようで、どの土地のどの場所で採れた原材料かまで同じ。

 

時代によって原材料も入手困難だった時もある様だが守ってきたそうです。

 

生半可な努力ではこれはできないでしょう。

 

②時代に応じて試行錯誤する。

 

原材料もそうだが時代に応じて無くなる原材料もあるそうです。

 

その場合は如何に工夫してその姿形味を守るか?原材料を作って頂く様に投資したり働きかけたりして伝統を守れるように外部にも協力を惜しまないそうです。

 

また、原材料が無くなってしまった場合、変わらない様に今ある物でそれを再現する。それが工夫の結果だった事を残しておく事もするそうです。

 

③職人はあらゆるモノに触れて教養を養い、それを仕事で表現する様につとめる。

 

職人を育てる為に書や花、音楽など色々な本物に触れさせているそうです。

 

様々な教養がないと、お客様の表現したいお菓子がオーダーでつくれない。教養の深さが物を言う。

 

色々な物を知らないと凝り固まってしまうからだそうです。

 

伝統菓子も大切だが、時代に応じた工夫も忘れないということです。そしてまたそれが積み重なると幅の広いモノとなるわけです。

 

④自分達の作っているものに自信を持ち、誰もがそれを自慢出来るくらい現場との関係が透明だという事。

 

作る技術や姿形味に妥協なく取り組みそれに自信を持つ。

 

それを他者に説明する時にそのこだわり方を嬉々としながら説明出来ると言う事。

 

職人はその製品にこだわりを持ち、その努力の結果生まれたモノを販売、営業側はしっかりとそのこだわりを理解してお客様に説明する。

 

⑤それらを全て楽しむ事。

 

好きこそ物の上手なれ。

 

取り組みに対して楽しめているかと言う事。

 

最後はそれらを全て楽しみながら出来ているかと言う事です。

 

楽しめていないと妥協が出たり集中出来なかったりしてかえってよくない様です。

 

①〜⑤は他業種であっても共通するものだと思いました。

 

 

流儀を伝えていくために伝統形は守り、技は練磨し工夫し自分なりに使えるものにしていき、武道の世界だけに縛られず人として色々な教養を積み重ね幅の広い人物となり、それらの楽しみを伝えていけるようになれればよいと思います。