ぶんのブログ

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価値観を変えれば変えるだけ人は成長すると思う。

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BIG ISSUE。
綺麗とは言えない格好をしたおじさんが、街頭に立ち、売っている冊子である。

正直、イメージは良くなかった。
ホームレスのおじさんが拾ってきた雑誌を売っているだけだと思っていた。

僕はまだまだ知らないことがたくさんあると、思い知らされる。

恥ずかしく思う。

BIG ISSUEは、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として、始められた。
雑誌販売のおじさんは、現在ホームレスか、あるいは自分の住まいを持たない人々です。住まいを得ることは単にホームレスの状態から抜け出す第一歩に過ぎません。最初、販売者は、この雑誌を10冊無料で受け取り、その売り上げ3500円(一冊350円)を元手に、以降は一冊170円で仕入れ、350円で販売し、180円を彼らの収入とします。
【一部THE BIG ISSUEから抜粋】


これを見たとき、僕は恥ずかしくなった。

以前、ビッグイシューをホームレスみたいなおじさんから購入した時、おじさんは「寒いのにありがとうね。」と言ってくれた。
BIG ISSUEに対する固定観念が音を立てて崩れた。僕は驚きとともに、やはり恥ずかしくなった。心が温まった。

僕は、Gotchことアジアンカンフージェネレーションの後藤さんが好きなので、後藤さんの特集冊子を購入した。

もし、街中で気になる記事があったなら、あなたも一冊購入してみてはいかがだろうか。

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僕の家にはWi-Fiがない。
だいたいのWi-Fi契約が2年である為、思い立ったら自宅外に拠点をうつす僕にとっては、時間のしがらみが煩わしい。

そこで、僕は公共のWi-Fiスポットへ行く。

幸いにも近くにスターバックスコーヒーがある。

何度もスターバックスコーヒーに通っていると、そこでは『良い出逢い』がある。

ほとんどの人が何かしらの作業を行っており、そこで仲良くなったり、見ているだけで刺激になることが多い。

私服でパソコンで作業をしているWEBデザイナーや、企画書を作成している人。
いわゆる、ノマドだ。

企業に勤めながら、デスクワークをルーティンとしている会社員も良いが、このような公共の場所で自由に仕事や作業をしている人にこそ、僕は魅力を感じる。


自分の作業をする為でもあるが、
このような人々から刺激を貰う為に、
今日も僕はスターバックスコーヒーに通う。
じつは僕には
絵を描く才能が
あるのかもしれない。

最近描いた
アルベルト•アインシュタイン。


photo:01




黒鉛筆だけを使って描いた。




黒鉛筆だけを使って
白髪を描くには
どうしたら良いのだろう

日本には素晴らしい文化が沢山あって、でも、それが人に伝わっていないが故にすごい勢いで無くなっている。僕たちはWebメディアを通して、その現状を変えていきたい。


訪日外国人向けのWebメディア「MATCHA」をローンチしました。



青木優さんは、僕と同い年。

彼のブログは僕のお気に入りで、

世界を旅していた人、これから旅をしようと考えている人に独自の考えを提案している。



青木さんがローンチしたWebメディアがこの度、ホリエモンこと堀江貴文さんのプロデュースするTERIYAKIと提携することになった。



堀江貴文氏がプロデュースするグルメアプリ「TERIYAKI」は、訪日外国人向けのWebメディア「MATCHA」と記事面での提携を行った。



3年以内に月間1億PV、5年以内に月間1億人が見るようなメディアを必ず作っていきます。



僕は会社を作るとかは踏み出せないけど、彼の考えにはぴったりと共感した。


古き良き時代の文化や建造物、食をなんとかカタチとして残したい。




大阪は南堀江。

道頓堀から少し西へ行ったところに、モダンな雰囲気の建物がある。






道頓堀川のそばで、静かで雰囲気がいい。


その建物の二階にある。

その名前は、




『 缶詰バー mr.kanso 本店 』



缶詰バー。

世界300種類以上の缶詰の中から自分の好きな缶詰を選び、それを軽く調理してくれる。

それを肴に、お酒を飲む。いたってシンプルだ。


今や日本中に30店舗ほどある缶詰バーのお店の本店がここ、南堀江にある。





入口には缶詰屋らしいこんなものが。


階段を上ると・・・




缶詰がびっしり。















見ていて楽しい。

見たことのない缶詰の山。






各缶詰に張ってあるシールの色ごとに値段が決まっている。




自分で選んだ缶詰をレジに持って行きお金を支払うと、その缶詰をいい感じに調理してくれ、
席まで持って来てくれる。


僕が注文したのは、





世界初の缶詰「だし巻き」と、

これまた世界初で大阪らしい「たこやき」と、

ありそうでなかった「ポテトサラダ」の缶詰!



だし巻きとたこやきは¥550。

ポテトサラダは¥350だった。



きたきた。。



だし巻きの缶詰にはポン酢が付いて来た。そして、温めてくれていた。


ポテトサラダはそのまま。





たこ焼きは温めてくれたほか、かつお節と青のりがふりかかっていた。別添えでマヨネーズも。



だし巻きの缶詰の味は、美味しかった!

見た目は、だし巻きと言うか、出汁に浸かった卵焼きという感じだった。



たこ焼きの缶詰の味も美味しかった!

ただ、ソースが少しゼラチン質で、本物のたこ焼きとはかなり違っていた。

ただ、世界で初めてたこやきを缶詰にしたことがすごい。

大阪ならではの発想だと思う。



ポテトサラダも、普通のポテトサラダと見分けがつかないぐらい美味しかった。

ポテトサラダの缶詰は意外と珍しいと店員さんが話していた。



最後に

まだまだ食べてみたい缶詰があった。

見るだけでも楽しいので、友達と来れば「どうする?どうする?」と、話が盛り上がるのは間違いない。

あと297種類。

何度か通って、制覇したい。




Information




mr.kanso




住所:大阪府大阪市西区南堀江1-5-26 キャナルテラス堀江2F


アクセス:

地下鉄四つ橋線 なんば駅 徒歩3分

なんば駅(大阪市営)から292m

電話番号:06-6536-1333


営業時間:

[月~土] 17:00~5:00

[日] 17:00~1:00

定休日:無休(年末年始を除く)





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1915年、ヤム・ナマステオはインドから来日。

大阪にやって来てスパイスを広めようと苦闘したヤム氏は、幾度となく失敗をし、ターメリック嫌いの大家と喧嘩をしたりもして、ここ中之島で再出発を図る。

手始めにスパイスを売って得た、なけなしのお金で洋館を建ててみた。

さあ、いよいよ再出発だ!そう意気込んだのもつかの間、割りと若くして逝ってしまう。

志し半ばでこの世を去ったヤム氏の遺志をつぎ、カレー馬鹿たちがここ中之島で旧ヤム邸として、カレー邸をopenした。

(一部Kyuyamutei's historyから抜粋)






高層ビルが立ち並ぶビジネス街、大阪は中之島。


ふらふらと歩いていると、異空間の雰囲気を感じる茶色い建物の気配を感じる。





ガラス張りの商業ビルとのコントラストが際立つ。







近寄ってみると、洋風なたたずまいの入口が目立つ。










入口をくぐって。。





洋風の雰囲気は崩さず、照明の感じも良い。






完全に建物に溶け込んだ、ひっそりとしたたたずまいの入口。







何の店だろうと思わず覗き込みたくなる。








エントランスを越え、一歩足を踏み入れると、やっぱり洋風の雰囲気がそのまま。









素直に居心地が良い。






メニューはABCDと別れており、二種類ある日替わりのキーマカレーからどちらかを選び、次にお好みのカレーを二種類選び、最後にお米の種類を選ぶスタイル。






ランチにはサラダとデザートが付いてくる。


本日は、鳥のササミのサラダと、コーンとセロリときゅうりとツナのサラダ。



しばらくすると、メーンのカレーが。


僕がオーダーしたのは、


『濃い和出汁の鴨ゆずキーマ梅肉のせとほうれんそうカレーとヤムカレー ジャスミン米 ライス大盛』






ランチはライス大盛りが無料だった。


柔らかく煮た大根、カイワレ大根、スライスされたにんじんと玉ねぎ、トマト。


お皿の中がアート化されていると感じた。洋風な雰囲気にぴったりだった。


森のようなカレーの裏側はこんな感じ。










一口食べると、かなりザラザラとした食感。


スパイスがザラザラしている。

食感の通り、かなりスパイスが効いた味だ。

ただスパイス辛いのではなく、スパイスの味がまとまってカレーの味を作り出している。



しばらく食べ進めると、身体が熱くなってきた。

ふと周りを見渡すと、汗をかいている人が多い。

そこまで辛くないのに、身体が熱い。


デザートにヨーグルトが出てくる理由がわかる。


食後から半日は身体の内側が熱かった。





カレーの味はもちろん、この一皿を取り巻く環境に僕はやられてしまっていた。


茶色い建物を見たときから、このカレーの物語は始まっていたのだ。




Information



旧ヤム邸 中之島洋館



住所:大阪府大阪市北区中之島3-6-32 ダイビル本館2F


アクセス:

京阪中之島線 渡辺橋駅より徒歩約3分
地下鉄四つ橋線 肥後橋駅より徒歩約5分

渡辺橋駅から165m

電話番号:06-6136-6600


営業時間:

[月~金]
11:15~14:00
18:00~22:00(ラストオーダー 21:00)
※共にカレーが売り切れ次第終了
[土]
11:15~14:00
18:00~21:00(ラストオーダー 20:30)
※共にカレーが売り切れ次第終了

ランチ営業

定休日:日曜日・祝日・第2月曜日





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8月25日。僕は約5ヶ月の高野山修行を終えた。

朝勤行、
お寺の作法、歩き方、挨拶の仕方、敬語、接待の仕方、上座下座。
瞑想法、厄を払う水行法。

世界遺産に住んだ経験は、...

これからも貴重な経験として
僕の中に生き続けるだろう。


お寺特有の規律などはやっぱりかなり厳しいものだった。
精神的にやられそうな時もあった。


朝は5時から朝の勤行に備え、日中は御祈祷や御供養、それが終わればほかはずっと掃除をしている。

食事は基本、
一汁一菜である。


一番気が安らぐのが、
お寺を訪れてくださった観光客や檀家さんとのお話だった。

世界遺産というのもあり、ミシュランガイドにも掲載されている為、外国人観光客もすごく多かった。


国宝級の掛け軸や、襖絵、仏具、江戸時代から続くお寺。
沢山のそういうものに囲まれて生活するだけで、荘厳な雰囲気が生まれ、心が安らいだ。


弘法大師空海による教えは、
南無阿弥陀仏を唱えれば、死んだ後、極楽に行けるというものではなく、『今を精進し、しっかりと生きれば、生きている間に仏様のようになれる』という、即身成仏というものである。


お寺にいると、様々な方が来られた。
子どもの御祈祷を希望する方、亡くなった方の御供養。
人間は、生涯のうちにその周辺にさまざまな人の死を経験する。
生きている人間を受け入れることはたやすいことかもしれないが、人の死を受け入れることは難しい。

何かを成し遂げるための祈祷、また、願掛けのため、贖罪のため。
人が手を合わせる動機はいろいろなものがある。

願うために手を合わせる日本の文化は、それだけで、言葉を発している以上のものがある。

何も願わなくても手を合わせる。
それだけでも意味がある行為だと僕は思う。


聖地になるところは、
やはり選ばれし場所であり
荘厳な雰囲気が絶えない。

ただ、この暑い夏に未だに羽毛布団で寝る高野山の寒さは修行道場に最適だと感じた。


最後、僕が帰る時、皆さんがお見送りをしてくださった。
寂しくなるわ。と、何遍も何遍も言ってくださった。

迷った時に読みなさいと、一番弟子の僧侶の方が真言宗の経本と、御守りをくださった。

また、お世話になったおばあちゃんが「私が30歳の時に出会った本です」と、人生の指針を示した本をくださった。

歳をとらないとわからないことを、人生の先輩が教えてくださるのはすごくありがたいことだ。


精進修行を満了できてよかった。

瞑想法や厄払いをするための水行法。身につけたこれらはずっと役に立つと思う。


話は変わるが、
昨日、朝の勤行の際、
仏様の前で正座をし、御焼香をした時、足首に違和感を感じた。

しばらく過ごしてしていると
歩けなくなった。

病院に行くと、
靭帯が断裂していた。
パンパンに腫れた足首から、
注射器2本ぶん、溜まった血を抜きました。
全治2ヶ月。

仏様の真ん前で、怪我をした人はそういないと思う。



何かのメッセージだと受け取った。






とりあえず怪我の回復を待って、つぎのしたいことを全力で追いかけようと思う。



合掌

ぶん_ ‾∠‾





世界遺産『高野山』。


photo:08





約1200年前、
空海(弘法大師)によって真言密教の修行道場として開かれた。

そして、2004年にユネスコ世界遺産に登録された。

標高900メートル。

下の街まで車で40分もかかる
不便な街だ。

僕はここの歴史あるお寺で半年間、
精進修行をさせていただいている。

にぎやかな雰囲気から一切遮断された空間であるから、聖地としての威厳と雰囲気がそのまま、今に伝わっているのだと、この地に住んでみて思う。

鐘の音、
木の揺れる音、
虫の音色。

他の音は何もしない。


人間が創り出した先進物は
ここでは街の雰囲気に圧倒され、
一切の存在感がない。


お坊さん(兄弟子)たちと、衣食住を共にするにつれ、
自分が思っていた僧侶に対する考えが、単なる固定観念だったことに気付いた。


まず、食事。
毎日精進料理を食べていると思っていた僕は、初日の夕食に驚いた。

『明太子パスタ』

カタカナの似合わない世界に、海外の異文化が普通に横たわっていた。


とは言ってもやはり、
ステーキが出てくるなんてことはなく、野菜や大豆関係のお料理が8割を占めている。

また、真言宗で毎月21日は弘法大師様の日となっており、その日一日はさらに精進しなければならない。
ある月は、『ほうれん草のおひたし』だけだった。


一般的に、僧侶は
“一汁一菜”
が基本なのだそう。


朝だけは毎日、
白いご飯と味噌汁だ。


基本僧侶の世界は、ご住職が食べられているものと同じものは食べることができない。

一般的なお寺は、
例えば、ウナギの蒲焼だと、
住職はウナギを食べ、
料理人がウナギの端きれを食べ、
僧侶が残ったタレでご飯を食べる。
という具合だそうだ。

上下関係がすごく厳しい世界。

しばらく野菜ばっかりの賄いが続くと、たまにはお肉を食べたくなる。
そんな時は、兄弟子たちと高野山内に極僅かにしかない居酒屋に行く。
数軒しかないので、いつも満員。
しかも客は全て坊主である。
ドアを開けると、坊主頭がズラリ。
不思議な光景だ。



坊主の世界は体育会系と同じだ。
年功序列とかは関係なく、先に弟子になった人、その中でもいろんな修行を乗り越えて先に僧侶になった人が上の立場になる。


精進料理とは、単に肉類を一切使用しない料理というだけではない。

厳密には「ねぎ、らっきょう、にら、にんにく、しょうが」といった五種類の辛味や臭みのある野菜を使わない料理とされている。


僧侶にとって、食事は楽しみとして摂るのではなく、単に「身体を養い命を保つもの」ということでしかない。


『正しく良薬を事とし形苦を済わんことなかれ』
ー食事は「うまい」とか「まずい」とかの類ではなく、あくまで身を保ち整える良薬であり、肉体の疲労苦境を療すためにいただくのである。
(高野山の精進料理)

お釈迦様は乳糜(牛乳で作った粥)を召し上がられていたので、特に乳製品の摂取は禁止されていない。

高野山に来てから、牛乳がすごく嬉しいし、ありがたい。



また、たまに朝ごはんにソーセージが出される。
そのとき、皆は決まってテンションが上がる。

普段実家では何とも思わなかったソーセージに、あれだけ執着して、見ただけでテンションが上がった人を、僕は未だ見たことがなかった。
でもしばらくここで生活をすると、その気持ちがわかるようになった。


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僧侶の仕事は大きく分けてふたつ。

ひとつは、仏教(真言宗)の布教。
もうひとつは、掃除。


僧侶の一日は、
檀家さん(信者さん)の御祈祷や御供養や毎朝の御勤め、そして大半は掃除である。

廊下や畳はホコリひとつない。

一日のほとんどを掃除して過ごす。


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朝は早い。
毎朝5時頃には起きて
朝の1時間の御勤めに備える。
ずっと正座でお経や般若心経を唱える。

完全朝方の理想の生活リズムだ。



お坊さんになるからには、いつか自分が住職になり自分のお寺を持ちたい。

僧侶になった方は、誰もがそう思っている。

ここで問題になるのが結婚だ。

じつは、高野山には実家がお寺だという僧侶は少ない。
だから、実家がお寺の女性と出逢うか、養子にしてもらうしか住職への道はない。

周りにも、それが原因で別れざるを得なかったという方がいる。



高野山の良いところは、
やっぱり涼しいところ。
夏でも朝方息が白くなることがあるのだそう。
実際、今の時期でも朝は肌寒い。

一年を通して、気温は下界と比べて7~10度程低い。

高地だから蚊も少ない。

ただ、高地過ぎて交通の便が悪い。
だから、物価が驚くほど高い。


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僕は剃髪をした。

他の宗派には、剃髪をしなくてもいい宗派があるみたいなのだが、真言宗は剃髪をしなくてはいけない。


今の夏の時期はすごく涼しい。

そして、寝癖ができないので
朝は楽だ。

また、ドライヤーもいらない。




だだ、どの僧侶もシャンプーは使う。




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弘法大師のお膳
朝は一汁四菜
昼は一汁五菜



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修行僧の食事(朝、昼)
基本は一汁一菜
夕食は数品増える



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日常生活のすべてが修行である。
修行僧は全霊を捧げて、作務になりきることが要求され、ちりひとつ許されない。

(高野山の精進料理)



規律は厳しいが、
歴史のある仏教の世界は
深い。

計り知れないところが、
面白い。






Twitter ぶん_ ‾∠‾



二十歳の時、無宗教の僕はキリスト教の聖地、スペインのサンティアゴを訪れた。
毎日何かをしないと落ち着かないこの日本の風潮から離れ、じっくり自分と見つめ合いたかったからだ。

毎日、真っ暗な朝6時から夕方4時頃迄。
25kgのバックパックを背負い、ひたすら歩き続ける。

なにもない牧草地や山道を
800km。
フランスの麓から、
ピレネー山脈を越え、
スペインの最西まで。

歩いている道800kmそのものが、世界遺産に登録されている。

毎晩の宿は、
『アルベルゲ』という民宿で、
5~10ユーロで泊まることができる。
巡礼路沿いにいくつも建っている。

でも、観光地などの人気の街は、
巡礼者によってアルベルゲが満室の時がある。
その場合は野宿か、次の街まで歩くかだ。

巡礼路には何10キロかおきに、
水が出るところがあり、
その水をボトルに詰め、飲みながら歩く感じ。

飲める時に飲んでおかないと、
灼熱のスペインの荒地で
確実に朽ち果ててしまう。

僕は誕生日迄の1ヶ月間で歩覇したかったので、かなりタイトに歩いた。
1日45km歩いた日もあった。
途中休憩もしたが、13時間ほぼ歩きっぱなし。

お年寄りの方も沢山歩いていた。
自分の歩きたいだけ、体と相談しながら歩けばいい。

たまにたどり着く街には世界遺産の教会がいくつもあるが、いったん街を出ると、街から街まで、まわりはほんとになにもない。
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唯一あるのは、巡礼者が迷子にならないように道を指し示す『貝殻』と『黄色の矢印』だ。
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朝晩は寒くて、昼は砂ぼこりの舞う乾燥した道を灼熱の太陽の照下、永遠と歩き続ける。

歩くこと以外、暇。

とりあえず暇だ。

まわりは景色もなにもない。
荒れた土地があるだけだ。


暇すぎて、じっくり自分のことを考えることができた。
毎日毎日、朝から晩まで自分のことを考える。
自分の今までの生き方、大学生活、将来のこと、就職、夢、野望。

日本の大学生は自分のことをじっくり考える時間はないと思う。
そのくせに、生まれてから20数年で自分の人生の行く末を決めないといけない。
いざ就職となると、新卒者が圧倒的有利だからだ。


日数が経つにつれ、メンタル面でも肉体面でも、自分は何でもできそうな気がしてくる。

そしてあらゆる欲が削がれていく。
性欲なんて到底なかった。


巡礼はかなりしんどい。想像がつかないほどしんどい。25kgのバックパックは、相当身体を壊す。雨の日は、道は泥でぐちゃぐちゃだし、家畜の糞も踏まずには通れない道だらけ。そして昼は灼熱、朝晩は寒い。

だからこそこうして厳しい壁を乗り越えて、日本に帰ってきたとき、僕は相当な自信を何に対してでも持つようになっていた。

時間はかかってもやりたいことはマジでやれば、達成できる。

自然と身についていた価値観だった。

『高ければ高い壁のほうが、登ったとき気持ちいいもんだ』
という有名な歌詞もある。
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全世界からここに人々が集まる。
ひとりの人もいれば、カップルもいるし、家族で歩いている人もいる。
すれ違う度に、会話するので、自然と仲間が増える。
初日から僕は、韓国人の女の子と歩いていた。
そしてどんどん友達が増え、仲良くなったドイツ人女性の家に巡礼後にホームステイさせてもらった。


人見知りなんていう観念は
いつの間にかなくなり、
毎晩食卓には知らない人がいて、
ともに自炊をし、
ワインで乾杯し、
また次の朝、
「また会おう」
と、手を振って別れる。

圧倒的特殊環境だった。

なーんか、
日本にいると、
もの足らない感じがしてならない。

常に刺激を求めて、
定職に就かない理由は、
その経験によって
作り出されているのではないか。
そんな気がしてならない。



歩むごとに、
僕自身が描いていた世界と、
リアルとの虚偽が見えた。

やっぱり世界は良かった。
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僕なりの『旅に行く前に読みたい本』をいくつか紹介します。





●メメント・モリ/藤原新也







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『メメント・モリ』とは「死を想え」という意味で、ヨーロッパ中世末期にさかんに使われたラテン語の宗教用語です。

この本はオールカラーの写真集で、生の光景に潜む無限の死の様相が極彩色で掲示されています。





その中でも有名な一枚がこれ。
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この本で、僕は藤原新也さんを知りました。

インドの旅の先駆者。

昔のインドには、死んだ人をそのまま、川で火葬する地域があったそうで、藤原さんはその聖域に初めて踏み込んだ日本人だそう。



上の写真は、流されてきた死人に喰らう犬たちの写真です。

その時の話が、『黄泉の犬』『インド放浪』に詳しく書かれています。


藤原さんの本は、どの本も読んでいて面白いです。





●世界よ踊れ/ナオト・インティライミ





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アジア・中東・欧州・南米編

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南米・ジパング・北米編





歌手のナオト・インティライミさんが28ヶ国を515日かけて世界一周をしたときの物語。

ナオトさんは、音楽で『いつかワールドツアーをしたい』という夢の下見のために旅に出たので、各地でライブに出たり、路上ライブをしたりと、『旅×音楽』がテーマでした。

二冊セットで、世界一周ぶんになっています。



ナオトさんの明るさが粉弾に表れた、パロディ的要素もある面白い本です。





●世界が今夜終わるなら/GAKU-MC







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やがてそう遠くないいつか、その日は必ずやって来る。





Mr.Childrenの桜井さんや、旅人の高橋歩さん、澤穂希さん、乙武洋匡さんなど、総勢27人の言葉の使い手にインタビューしたことをGAKUさんがエッセイにしました。

みなさんすごく、らしい答えだと思いました。



GAKUさんは、紅白も出場経験もあるラッパーで、Mr.Childrenの桜井さんと共に、毎年開催されている音楽フェス『ap bank fes 』でも活動されています。





世界が今夜終わるなら、あなたは何をしますか?

この本を通して、普段考えないことをゆっくり考えてみてはいかがでしょう。

きっと、その答えは、あなたの大切な部分を表していると思います。





●深夜特急 全6巻/沢木耕太郎







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旅ではない。『放浪』である。



言わずと知れた名作で、旅人と名乗る人はほとんどの人が一度は出会ったことのある本だと思います。



自分の人生に迷ってる人、立ち止まっている人も、読むと何かが自分の中で変わって、新しい道が開かれると思います。

僕自身がそうでありました。



読み終わる頃には、もうすぐに旅の仕度を始めていることでしょう。

そんな本です。





●学生よ、旅に出ろ!~現役大学生の世界一周物語~/長尾良祐







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旅に出なかったら、今の自分は存在しなかったかもしれない。「今まで何ヶ国を訪れたか」は重要視しない。ウソか本当かわからない情報が飛び交う今、本当の世界を自分の目で見て、肌で感じたいと思った。(本人談)



この長尾くんは、実は僕の大学時代の先輩で、小さな教室の少人数の授業で一緒に勉強をしていました。



長尾くんは、全国いろんなところで講演会をされているみたいですが、僕は授業中に英語の先生が長尾くんの世界観に触れたことで、存在を知りました。



先生に「トイレに行ってきます!」と言って、急いで学内の売店にこの本を買いに行ったのを覚えています。





メールや会話でやりとりさせていただいたとき、他の世界一周をされた方とはまた違った独特の世界観を持っていると感じました。



この本と出会った頃は、僕はもういろんな国を旅していましたが、旅したどの国でも考えつかなかった新しい考えや価値観にすごく影響を受けました。



この本は、長尾くんが旅をして、行く先々で感じたことをそのまま長尾くんらしく書かれていると思います。








どの本もめちゃくちゃ良いです。



こんな風に、人に勧められる本に出逢えたことは、少なからず今の自分の一部になっていると思うんです。






安いホテルが好き。


裏街が好き。


公共の交通機関よりもヒッチハイクだ。


というように、思えてくるかもしれません。






綺麗な街や高級店の出てくるテレビの旅番組とは全く違った旅の魅力や緊張感と、うまく向き合うことも旅の醍醐味かもしれませんね。






オススメの本や、自分に影響を与えた本がありましたら是非共有できたらいいなと思います。





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