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なにやらボヤボヤしてたら、もう11月ですね。
さて、昨日は美容院に行ってきました。
“産まれて初めて” 美容院に行ってきました。
30手前のオッサンの発言としては少し気持ちが悪いですが、
「わたくし、産まれて初めて、美容院なるものに、行って参りました。」
朝、前日に風呂に入らなかった私は、とりあえず風呂に入りました。
「どうせシャンプーしてもらうからな・・・」 と思いもしましたが、「歯医者に行く前には歯を磨く」 みたいな礼儀も必要かと思い、頭も洗いました。
そして、家のポストに入っていた 「カット2000円」 と書かれたチラシを握りしめ、いざ、美容院へ向いました。
店のドアを開けると、若い男女がワラワラとたくさんいました。
クッ・・・!!
なんか、ヒゲとか、ちゃんと剃ってくれば良かったぜ・・・!
私の口の周りはフットボールアワーの岩尾みたいな状態でした。
それでも、すでにドアを開けてしまい、「いらっしゃいませ~!」 と言われてしまった私には、引き返すことは出来ませんでした。
意を決した私は、受付に行きました。
「あ、あの・・・、予約してないんですけど・・・」
「あ、大丈夫ですよ~。 当店は初めてですか?」
愛想良く対応してくれる店員さん。
(イケるかもしれない・・・!!)
「は、はい。(美容院そのものが初めてなんですぅ・・・)」
「ありがとうございます! では、今日はどうされますか?」
「え・・・?」
少し考えたあと、私は答えました。
「え~っと、こう、全体的に短めに・・・・」
「あ、いや・・・、カットでよろしいでしょうか?」
「・・・え? あ、ああ!! はい、カットで・・・」
入店1分で、早くも一つ間違えました。
私はてっきり、最近の美容室は初めに客の要望を聞き、待ち時間の間に作業プランを作り、開始と同時にスピーディーに作業に取り掛かるという、合理化が進んでいるのだと勘違いしてしまっていました。
兎にも角にも、受付けを済ませるとすぐにシャンプー台に案内されました。
シャンプー中も、「○○は大丈夫ですか~?」 「△△してないですか~?」 「××はどうですか~?」 といろいろ聞かれましたが、 「大丈夫です」 の一点張りで無事に乗り越えることが出来ました。
シャンプーが終わると、違う席に案内されました。
いよいよカットです。
シャンプーをしてくれたお姉さんが、私の首に何やら巻いて 「苦しくないですか~?」 と聞いてきました。
「大丈夫です」 と答えると、今度はシャカシャカしたマントみたいのを私の前に広げました。
それを身体に巻いてくれるのを待っていると、「アレ?」 なんか変な “間” がありました。
鏡越しにお姉さんと目が合いました。
「すいません、手を入れて頂けますか?」
・・・そんな形状になっていることを、どうしてこの私が知っていようか。。。
しばし待ちながら周りを見ると、みなさん、美容師さんと楽しそうに会話していらっしゃいます。
あんな笑顔が私に出来るだろうか・・・?
目の前の鏡に映った岩尾面を見ると不安が込み上げてきました・・・。
クッ・・・!!
せめて、ヒゲだけでも剃って来ていれば、まだ・・・!!
すると、「お願いします~」 と女の美容師さんが来ました。
なんとなく漠然と、男には男の美容師さんが付くものだと、昭和な考えをしていた私は、早々に 「楽しい会話」 とか、「爽やかな笑顔」 とかいう考えを切り捨て、「まな板の上の魚」 という考えにシフトチェンジしました。
「今日はどうされますか~?」
「えっと、全体的に短く・・・、前髪もこんくらいで・・・」
私は自分のおでこを指でなぞって、長さを伝えました。
「あ、そのくらいですね(笑)」
・・・なんとなく、嘲笑されたような気がしたのは、私が抱いていた劣等感によるものでしょうか。
「こんな感じはいかがでしょうか?」
そう言って彼女はヘアカタログを出してきました。
そこにはツマブキ君みたいな人が写っていました。
「いや、もうちょっと、中井貴一っぽい感じで・・・」 と説明するのはとても面倒なので、 「そういう感じでお願いします!」 と、ハッキリ言いました。
髪を切り始めると、「最後に切ったのはいつですか?」 と聞かれたので、
「半年くらい前です。 いや~、結構長くなってしまって・・・」
と答えました。
すると、「コレは“結構長い”んですか?」 と聞かれました。
「え!?」
思いがけない返答に、私の思考はグルグルと回り始めました。
・・・たしかに言われてみれば、昨今、ロン毛の男性はたくさん居る。 皆、髪を結べる程の長さだ。 それに比べれば、私の髪なんて大した長さではない。
それに、彼女は美容師だ。 毎日毎日いろんな人の髪を見ているワケで、きっと、プライベートで街を歩いていても道行く人の髪型ばかりみているのだろう。 そんな彼女から見れば、私の髪の長さなんて 『中の下』 くらいなのかもしれない!
「男子は坊主」 なんていう考えはもうとっくに過去の遺物になってしまったのかもしれない!
そうか! 戦後日本が伸ばしてきたものは、GDPだけではなく、髪の毛もまた然りだったのか・・・!!
「普段、ワックスとかは付けますか?」
頭の中で、戦後日本男児の髪の長さの推移をグラフ化していた私に彼女は言った。
「あ、いや、基本的には付けませんね~。」
「そうなんですか~。 じゃあ、お出掛けの時くらいですか?」
「そうですね~。 冠婚葬祭の時くらいですかね~。」
「あ、ああ・・・」
困惑した彼女の表情から、私の答えが不正解であることがうかがい知れた。
そんな淀んだ空気にもめげずに、彼女は見事に私の頭をツマブキ君に仕上げてくれました。
そんで、ワックスとか付けてもらいました。
鏡に映った自分の顔を見て、
「ツマブキ君より、アゴ一つ分長いなぁ・・・」
と思った日曜日でした。
この前、下谷神社の祭りに行ってきました。
祭りに行くこと自体、10年振りくらいです。。
一人で30分程、舞殿で行われている能みたいのを見て、ビール片手にブラブラしてました。
「最近は」 なのか、 「下町は」 なのか知りませんが、金魚すくいの中に亀とかドジョウとかザリガニが入っていて、それをすくっている子供達を見ているのが面白かったです。
完全に破れ果てて 「丸と棒状態」 になっている “アノすくうヤツ” で、無理やり亀をすくい続ける少女。(推定4歳)
「持って帰るの?」 と聞くと 「ううん」 とNOとの返事。
その隣では、同じ丸棒状態で亀をすくい続ける少年(こちらも推定4歳)。
少年の持つお椀の中では、少ない水の中に数匹の亀。
そしてその亀達に埋もれて、完全にエラ呼吸困難状態の金魚が一匹・・・。
あわわ・・あわわわ・・・!!!
・・・なんつーか、「下町のパワー」 みたいなもんは、こういう所で脈々と受け継がれて行ってるんだろうなぁ。。。と思わされました。
こういう感じとかね・・・↓