''「秘密を打ち明けてもいいかな?」

 

『秘密を守るのは得意だ』

 

「あなたを助けたい」''

 

 

 

”「マシンは考えるのですか?人間のように。」

 

『もちろんマシンは人間のようには考えたりはしない。マシンは人間とは、違うからだ。

違う風に考える。面白い問題だ。物が君と違う風に考えるとしても、だから考えてないとは言えない。

人間が一人一人違うというのは誰もが認めていることだ。

 

君はイチゴが好き、僕はスケートが嫌い。悲しい映画で君は泣いて、僕は花粉症だ。何故人によって好みや傾向が違うのか。それぞれの脳が違う風に働いて、それぞれ違う風に考えるからだ。人がそれぞれ違うのなら、ワイヤーやスチールの脳にも同じことが言えるはずだ。そうだろう?』

 

 

「それが論文の内容ですか?タイトルは?」

 

『イミテーションゲーム』

 

「それはどういう意味です?」

 

『....プレイしてみるか?』”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロボットと人間を見分けるテストはご存知でしょうか。アラン・チューリングが1950年に提唱した俗にいう「チューリングテスト」です。

 

壁を挟んで二つの部屋にロボット(対象)と人間(審判)を準備します。

 

対象と審判は文字で会話をします。対象はできるだけ人間らしく振舞います。審判は対象が人間であるかロボットであるか見抜こうとします。審判が対象を人間かロボットかを確実に判断できない時、このロボットのことを「チューリングテストに合格した」といいます。

 

つまり、隣の部屋にいるのはもはや人間なわけです。

 

このテストに世界で初めて合格したのは、2014年6月7日、「13歳の少年」の設定でユージーン・グーツマンというロシアのチャットボットです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"『そのドイツ人に恋人がいるって思った理由はなんだったの?』 

 

「ジョークだから気にしないで」

 

 『大事なことなんだ!教えてくれ頼む』

 

 「……通信がいつも同じ5文字で始まるの。CILLY。だからきっと恋人の名前だと思って」

 

『有り得ない……ドイツ軍から毎回異なる5文字で始めるよう指示されているはずだ』

 

 「人は愛故に変なことをするものよ」 

 

『あぁ…だが今回は…ドイツ軍は愛故に戦争に負けたぞ……!!』" 

 

 

 

 

 

 

”『これはゲームだ。テストといってもいい。相手がマシンか人間かを、判定するテストだ。

 

審判と対象がいる。審判がいくつか質問をする。そして対象の答えを元に判断を下すんだ。対象が人間なのか機械なのか。さぁ、僕に何か質問してみろ。』

 

 

普通でないこと。

 

政府の命令でホルモン投与治療を1年間受けたあと、アランチューリングは1954年6月7日、41歳の若さで自殺した。彼の最後は、青酸中毒であった。部屋には青酸の瓶が多数落ちており、ベッドの脇には腐りかけの林檎が落ちていた。同僚の話によると、彼は死の前に、映画「白雪姫」を見た後、友人にこう述べたという。

 

『魔法の秘薬にリンゴを浸けよう、永遠なる眠りがしみこむように』

 

 

 

1885年から1967年の間に英国法によってわいせつ罪で有罪とされた男性の同性愛者は4万9千人。

エニグマ暗号の解読は戦争終結を2年以上早め、1400万人以上の命を救った。

 

You....will never understand!!! The importance of what I am creating here!!

あなたにはわかっていない。僕が今ここで創り出そうとしているものの重要性が!

 

 

 

 

 

 

 

 

”Now, you get to judge. So tell me, what am I? Am I a machine? Am I a person?

Am I a war hero? Am I a criminal?

『さて、判定してもらおうか。教えてくれ、僕はなんだ?僕はマシンか?人間か?

僕は戦争の英雄か?それとも犯罪者か?』

 

I can't judge you-

「...私にはわからない」

 

Well, then you're no help to me at all.

『だとしたら...僕を助けられないな。』”

 

 

映画『イミテーションゲーム』

"「全てのマジックは3つのパートによって成り立っている

 

始めのパートはプレッジ(確認)と呼ばれる。マジシャンは何の変哲も無いものを見せる。一組のカードや、鳥、あるいは人を。

 

マジシャンはそれを観客に見せ、時には客を舞台にあげ調べさせ、それが本物だと確認させる。タネも仕掛けもないと。

 

だがもちろん、タネや仕掛けはある。」”

 

 

"「次のパートは、ターン(展開)と呼ばれる。マジシャンは何でもないものを使い、驚くべき事をしてみせる。そのタネを見破ろうとしても貴方にはわからない。実際には何も見ていないからだ。タネは知らない方がいい。騙されている方が良いのだ。」”

 

"「だが拍手はまだだ。何かを目の前から消すだけでは十分とは言えない。消えたものを、戻してみせなければ。

 

だからどんなマジックにも三つ目のパートがある。最も難しいパートだ。そのパートをこう呼ぶ。

 

プレステージ(偉業)」” 映画『プレステージ』

 

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どこでもドアって知ってますよね。ドラえもんの道具の一つです。ドアを開くだけで、好きな所に行ける。あれって、どんな仕組みなのか考えてみましょうか。

 

のび太君が家から、学校にどこでもドアで移動したとしましょう。でも人を移動させるのは大変です。ですので「情報」だけを移動させるんです。

 

ん?情報?そう、情報。のび太君の情報。つまりはのび太君の設計図。

 

人間だって突き詰めれば原子の配列、電子の配列。その形も、思いも、すべての設計図があれば、元どおり、コピーがつくれます。

 

そうやって作ったコピーは偽物?いえいえ本物。だって、もとの人間と同じものだから。区別はつきません。

 

 

ということでのび太君がドアを開けた瞬間にどこでもドアが行っているのは、「1.のび太君の情報(設計図)を読み取る。」

 

さてさて、情報が読み取れたら次は簡単。その情報を電波に乗せて、学校まで送ればいいわけです。どこでもドアが行っていること2つ目、「2.情報を伝える」

 

さて次は学校でその情報を受け取って、その設計図通りにのび太君をもう一回そこで作ってあげればいいわけです。完全な情報を伝えてますから、そこから完全なのび太君ができあがるわけです。「3.設計図からのび太君を新しく作る。」

 

 

新しく学校で作ったのび太君は完全な情報ですから、もちろん先ほど部屋にいたという記憶ももっています。前と完全に同じのび太君ですので、周りから見ても、のび太君が移動したように見えますし、新しいのび太君も、自分は部屋から移動してきたと言います。これで移動は完璧ですね☆

 

 

 

気づきましたかね。大きな問題が一つあります。そうです、このままでは世界にのび太君が2人いることになります。学校にいる新しいのび太君、部屋にいる古いのび太君、2人です。これでは移動したように見えませんね。どこでもドア、最後の仕事です。

 

「4.古い方ののび太君を消す。」

 

 

消すってどうやって?さぁそれはわかりません。残酷だって?いえいえ、新しいのび太君がちゃんといますから、みんな何も気づきませんよ!大丈夫。人間瞬間移動の完成です!まるでマジックですね。

 

 

 

 

 

マジックはどんなものでも必ず3つのパートからなるそうです。

 

1.「プレッジ」。なんの変哲も無い、鳥の入った鳥かごを見せる。

 

2.「ターン」。マジシャンは鳥と鳥かごを消して見せる。

 

3.「プレステージ」。消したはずの鳥を、再び戻して見せる。

 

 

 

新しい恋をするのは簡単です。恋なんてなんの変哲もないもの。今まで思っていたその気持ちを、移動させてあげればいいんです。人間瞬間移動のように。

 

古い方の恋を真似て、新しい場所に出してみればいい。周りの観客は拍手喝采です。あなたの恋にとってのプレステージ。幸せとはこのことをいうんでしょう?

 

ただし、プレステージで拍手を浴びるのは、新しい恋。古い恋は消されなければ。恋の移動は、古い恋を消すことにより完成します。そうでなければ、マジックでない。

 

そうでないから、恋はマジックではない。

 

 

 

 

 

映画では人間瞬間移動をしてみせます。科学の力を使って。人間をコピーして見せるのです。観衆は新しい人間の出現に拍手を行うわけですが、コピーの元だった古い人間は、ステージの下で、水槽に溺れて死にます。

 

苦しんで、息ができず、胸を押さえて、ただ、

 

観衆の拍手の裏で、死んでいくのです。タネのないマジックとは、そういうもので。

 

 

 

 

 

 

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『あなたにタネはわかならい。

実際には何も見ていないからだ。

 

タネは知らない方がいい。

騙されている方が良いのだ。』

 

 

 

 

タネがない本当の恋には、拍手を浴びるプレステージがない。

 

 

さて、恋愛瞬間移動のマジック、お見せしましょうか?さぁどうぞ、このステージにお上がりください。