先日スワロフスキー社からショッキングな発表がありました。
<この度、スワロフスキー社は新たなるビジネス戦略として大規模な変革プログラムに着手することになりました>
<スワロフスキー社の自社ブランド(スワンマーク)のブランド価値の保護に重点を置き> <誠に残念ながら2021年10月1日以降によるDIY(材料としての販売)、ネイル業界などを含む小売業界へのスワロフスキー・クリスタル製品を提供するビジネスから撤退することが決定いたしました。さらに2021年10月1日以降はスワロフスキー・クリスタルのブランドロゴ表記の使用も禁止となります。>
(Yahoo!ニュースより抜粋)
スワロフスキーは私の作品において無くてはならないもので、このニュースを見たとき頭が真っ白になりました。
もう買えなくなる?
もう作れなくなる?
思えば、ハンドメイドを始めたきっかけはスワロフスキーとの出会いでした。
今は無き池袋のキンカ堂。
その頃はハンドメイドのハの字とも無縁だった私が、なぜキンカ堂に行ったのかは覚えていませんが、とにかく、ふと目にした色とりどりに並んでいるスワロフスキーに一瞬で心奪われました。
こんなに小さいのにキラキラ。
こんなに小さいのに色鮮やか。
これを使って何か作りたい!
それが全ての始まりでした。
一番最初に作ったのはキティちゃんのミンティアケース。
今の2倍の値段はしていたスワロフスキーを大量に買えるはずもなく、10粒入りを細々と買っては足りない分をまた買い足しに行ったのを覚えています。
学生だったのであくまでも学業優先で、勉強の合間にやるハンドメイドがすごく楽しかったです。
そろばんビーズでエッフェル塔を作ったのもこのころ。
本物っぽくしたくてサテンエフェクトなんかに手を出して材料費がすごいことになりましたが、今でも部屋に飾ってあるほど思い出の作品になりました。
実物を見たくて浅草橋へ出向いたのもこのときでした。
キンカ堂よりもたくさんのカラーバリエーションに圧倒され、目で見る楽しみも知りました。
これ使ったらどんなのができるかな。
これとこれを組み合わせたら面白そう。
材料を見ながらインスピレーションを得るのは今でも変わりません。
その意味でも実際に目で見て選ぶ機会が失われたらと思うと今後がすごく心配です。
その後携帯のデコレーションがブームになり(年がばれそうです)、スワロフスキーが一気にメジャーになって扱う店舗も増え、
材料も入手しやすくなりました。
私自身も学業や仕事の合間にハンドメイドを続け、2012年にはBlincoutureを始めました。
”live colorfully"をテーマにしていたBlincoutureにとって、カラーバリエーション豊かなスワロフスキーは欠かせない存在。
何よりも私自身がスワロフスキーの大ファンでした。
自分で作ったカラーチャートはいつまでも見ていられる大切な宝物。
スワロフスキーと共にあったそんな私のハンドメイドの日々に終わりが来るなんて思ってもいませんでした。
貴和製作所さんでは引き続き10月以降もお取り扱いがあるみたいなので(これは本当に本当にありがたいです)、急に終わりが来るわけではないのですが、
廃盤になったり品薄になったりするものも出てくるのは確実なので今までと同じようにはいかなくなります。
現に廃盤が決まっている8000番台はすでに品薄になっているものもあります。
次に浅草橋に行ったときに買えばいいや、なんて今までみたいに悠長なことを言っていられなくなるかもしれません。
パーツクラブさんでの今後のお取り扱いも気になるところです。
繊細なカットの輝き。
圧倒的なカラーバリエーション。
サイズや種類の豊富さ。
毎シーズンの新色への期待感。
これらを全て満たす他のブランドがあるとは思えません。
なんで撤退してしまうんだろう、、、
全く使えなくなるわけではないですが、やはりショックが大きいです。
一個人の力ではどうにかすることはできないし、
高級路線を守りたいスワロフスキー社の意向も理解できるし、
このことを受け入れて今後どうするのか考えよう。
そんなカッコいいことを言いたいですが現実はそうもいかずに、考えをまとめる意味でもこの文章を書いています。
でもやっぱりスワロフスキーが大好きだということを再認識しただけでした。
いくら考えてもポジティブに捉えられずにいます。
だから、10月までは今まで通り。
世の中の状況と時間が許す限り、店舗でスワロフスキーを買いたいな。
目で楽しんで、
頭で楽しんで、
作りながら楽しんで、
10月が来たらこのことを前向きに捉えられているかもしれない。
そしたらその時また考えよう。そう思うことにします。
私と同じように動揺している作家さんもたくさんいるだろうと思います。
昨今の日本のハンドメイド業界の盛り上がりに影響しないことを祈るばかりです。
ただでさえ厳しい状況なのに。
スワロフスキー社のDIY事業撤退について思うこと。
結局スワロフスキーへのラブレターになりました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
Sincerely,
Blincouture