尖閣ビデオ流出のもう一つの目的は、TTP参加を求める米国の脅迫であったようだ。いつものようにアングロサクソンは作戦に多層的な目的を持たせるのが上手である。

 TTPに関しては、その実態が正確に報道される以前に言葉が先走っていることを多くの人が感じているだろう。「日本は開国します」といったキーフレーズ政治が復活した感がある。その実態が何であるのかは以下のページの田中康夫氏のビデオが正確に伝えている。
http://www.asyura2.com/10/senkyo99/msg/823.html

 政治家ですらまた一部の官僚ですら、それが何であるのか把握できないまま状況が展開した様子がうかがえる。米国は、日本に対する年次改革要望書のアジア拡大版の場としてTTPを位置付けており、その成功のために日本を利用しようとしている。脅された仙石内閣がつたないキーフレーズ政治を用い、APECでの参加表明に向け突っ走った。民主党内でも危機感を持つ議員(小沢一郎、鳩山由紀夫のグループが主)が反対の声を上げていることを忘れていはいけない。大手メディアでは農業との関連、支持基盤との関連、政局といったくくりでこれを取り上げているが、郵政民営化の時と同じ状況を作ろうとしているのは明白である。曰く、「TTPに反対する者は守旧派である」と。

 自らの権力の維持のために国を売る人間が政治の中枢にいる悲劇をまた我々は味合わなければいけないのだろうか。注意しなければならないのはこの気持ちを利用されることである。仙石内閣倒閣の流れは実は前原内閣成立の前段階であるが、この前原氏こそ尖閣問題を引き起こした人物であり、米国の尖兵であることは明白である。仙石内閣が「国民のための政治」から既に遠く離れているのは明らかであるが、前原氏がそれを引き継いだところで目先が変わるだけであり、米国従属、日本人の不幸せという意味ではさらに悪化するのは目に見えている。まず、日本人にとっての最後の砦である小沢一郎氏の芽をつぶして、このような状況に持っていくアングロサクソンの手腕には感心するほかない。


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 まず、先週の記事に追記すると、
・先週も記載したように、今回の流出騒ぎの目的として日中の対立を継続させることがあげられる。APEC開催直前というタイミングからも、この推測の正当性が裏付けられる。
・公安警察の極秘資料流出については、この件は「狼煙(のろし)」であり、また捜査当局への無言のメッセージとしての意味、検察と捜査権を争うという意味において対立組織である警察に対しての攻撃でもあると考えられる。

 さて、その後「自分が流出させた」と神戸海上保安部の男性海上保安官(43)が名乗り出た。逮捕するかどうか明日(11/15)決定されるようである。この問題をめぐって日本国内では、
①中国との対立感情を煽り、仙石内閣の倒閣に結び付けようとする流れ。
②海上保安官を英雄視させ、国家のメルトダウンを狙う流れ。
③行政府による統制の強化を正当化させる流れ。という流れがある。

①中国との対立感情を煽り、仙石内閣の倒閣に結び付けようとする流れ
 中国との対立感情を煽る部分に関しては、継続して電波芸者の皆様がご活躍されているようだ。この作戦の本尊の意を汲んだ芸者がうまく機能(「危ない」の連呼、「他の国なら撃っている」等、テレビの全発言を書き起こし、キーワードを抜粋すると興味深い結果が得られるものと考えられる)し、瓦版や電波箱が利の臭いを嗅ぎわけ、ボピュリズム政治家がここぞとばかりに流言を垂れ流し始めれば、このように本尊の狙い通りの状況が形作られることになる。繰り返すが、あの程度の衝突は海保にとっては想定内のことであり、もちろん危険なことではあるが、海保の練度からすれば十分に対処可能な範囲である。そして、一般国民がよく知らなかっただけで、これまでも継続して行われていた活動の一環である。
 この件を管・仙石内閣の倒閣に結び付ける流れについては、まだ不明確である。もともと、このこと自体が作戦の主目的の一つであるとは考えにくい。また出来レースであることも考えられるため推移を見守りたい。

②海上保安官を英雄視させ、国家のメルトダウンを狙う流れ
 まず本当にこの海上保安官が流出させたのか、そして現在報道されているように背後関係が全くないのか、現時点では十分な情報はなく解析不能である。しかし、民主主義を守るための根幹である文民統制が脅かされているにもかかわらず、海上保安官を英雄視させるような流れは間違いなく作られている。この事件は、日中対立を煽ると同時に、体制・世論をなし崩しにある方向に流すための装置になっている。この状況で正論を吐きにくくさせていることを思い起こしていただきたい。

③行政府による統制の強化を正当化させる流れ。
 これは一見①、②と相反するかのような流れであるが、これもまたこの作戦の主要な目的の一つと考えられる。①、②により日中対立、好戦的な状況、民主主義の原理を否定してもよいのだというなし崩し的・情緒的な流れを作ると同時に、今回の事件の反省と称して行政府の統制を強化し、作られた流れを阻害する因子を抑制することが目的と考えられる。これを実施する主体はどうなるかという点について、本尊としてはうまくいけば誰でもよいわけである。ちなみに、①の倒閣の流れは、「言うとおりにしろよ」という管・仙石内閣に対する脅しであるとも考えらる。

 中国政府については、裏をよく読み比較的冷静に対処しているようである。ちなみに先週ご紹介した動画については、中国からの投稿であり、むしろ裏を読んだ中国の側からのメッセージであるとも考えられる。すなわち、「衝突などいままでもあったじゃないですか、なんでこの件が大騒ぎになるのかその裏を考えてみてください、僕らが争いをして一体誰の得になるんですか」ということである。

 今あの阿修羅掲示板ですら反中の投稿が目白押しである。日本を愛する人が多い掲示板であるから当然と言えば当然であるが、そこにこそ今回の、また今回同様の世論誘導作戦の要諦がある。いかに目覚めていようが、国を愛し国を憂う人々もまた一定の方向に誘導されやすいのである。先週も書いたが、何が悪であるかと考えれば「人の気持ちを利用することで災禍をなし自らは利を得る」ものこそ悪であると考える。私は日本を愛しており、日本を愛する人々や、生命や身体の危険をかけた自分達の任務が本当にそれに値するのかと誇りを持ちつつも忸怩たる思いをしているであろう海上保安官に敬意を表す一国民である。この事件について誰を非難しようというつもりはないが、ただただ邪悪な者たちに惑わされないよう我が同胞に思いを伝えたいと思いブログを書き始めました。

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 尖閣ビデオが流出した。
 米国の一部政治勢力(およびその出先機関である検察などの機関)が、世論誘導のために記者クラブを通じたリーク作戦を行っているが、その拡大としてリーク先にインターネットを利用し始めたようだ。警察の極秘書類の流出もこれに含まれると考えられる。

 海上保安庁は領海内で継続的に危険な任務を遂行しており、一般国民が知らないだけで今回と同様な事件はこれまでも起こっていたと考えられる。今回、これだけ大きく報道され問題化されたこと自体に、政治的意図の存在が推察される。
http://www.youtube.com/watch?v=JjnhsAKQg9c
 この動画を見てもわかるように、海保はこれまで継続して体を張った任務をこなしている。今回のビデオを見ても、ルーティンとまではいかないにしても決して特殊な任務を遂行している様子はない。衝突に関しても、頭を押さえようとした巡視艇に中国船がぶつかったというだけのことで、中国漁船にとって巡視艇を傷つけまいとする繊細な操船をすることが優先順位として高いはずもなく、またそれだけのレベルの操船技術があるわけではないことを考えると、海保としても想定内の出来事であったと考えられる。

 尖閣諸島の領有権に関して、現状(事件前)で明らかに日本が中国に対して有利な立場であったことを考えれば、これまで通り漁船を拿捕するのではなく追いかえすことが日本の国益にとって最上策であったはずだ。にもかかわらず、このように外交上の問題を引き起こす経過となった理由は、拿捕の瞬間の映像も流出しておらず不明のままである。この事件の結果だけ羅列すると、日本の国益という観点からはマイナスであり(ありもしなかった領有権が問題とされるようになった)、また日中間の緊張を高めたということになる。
 日中の離間、国際社会における中国の孤立、あわよくば軍事的衝突という目的をもった作戦が底流にあるとすればある程度の成功を収めたと考えられる。今回の流出に関しては、事件が鎮静化に向かっているさなかというタイミングから、この事件を再利用、再活性化し、本来の目的を増強するという意味合いがまず考えられる。具体的には日中国民に火をつけることである。これはこれまでも継続して行われていた世論の誘導と同じ手法であり、記者クラブメディアではなくインターネットを手段とした点で異なる。

 何が正義で何が悪であるのかという極端な論点で繊細な問題を論じるべきではない。しかしあえて人類として共感し得るものを模索するとすれば、「人の気持ちを利用することで災禍をなし自らは利を得る」というものはやはり悪ではないかと考える。体を張った活動の現状を一般国民に知ってもらいたいという海保内部の人間の気持ち、日本を愛する人の気持ちを利用し、自らの利を得ようとするもの(獅子身中の虫を含め)が存在することが徐々に我々一般国民にも明らかになりつつある。



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