Ⅹ ⑥ 小さな吐息をつくキリー。 「結果はまたもや失敗だったんだね?」 複雑な思いでキリーを見つめるフィン。 「それどころか、 アレックスはわたしの世話はとても楽しかったって言うのよ? それに彼は作品の進行状況をとても理解していて、 結婚式の日取りまで指折り数えて計算していたみたいなの」 招待状をひらひらとさせるキリー。 「もう打つ手なしって感じよね?」 フィンはあの時やはりアレックスを 二、三発殴っておけばよかったと心の底から後悔した……