しかしながら、やはり体調は思わしくなかった。
とにかく朝がつらい。起きるとまず感じるのは
「死にたい」という感情だ。まるで幽霊に取り憑かれているような感覚で目がさめる。
歯を磨く、日に日にクマが濃くなり痩せていく自分に恐怖する。
薬を飲み会社に向かう。
車中は常に気持ちが悪い。運転をするとどこか気持ちが遠くに飛んでいく感覚に陥る。自分がそこにいないような。
会社に着く、何より朝礼がつらい。
吐きそうなのをこらえながら朝礼が早く終わるのを祈る。
仕事はデスクワーク、しかし吐き気によりトイレを何度も行き来してしまう。しかしトイレの前でも吐くことができない。
昼ごはんはたべれない。だからウィダーインゼリーを1日かけて飲んだ。
何かに熱中していると少しだけ症状は和らぐ。
探し薬の効果が続いている間だけだ。
夕方はまた朝のような気分が僕を襲う。だから帰りの車は必ず嫁や家族と電話で会話しながら帰る。でないとふわーっと死にたくなってしまう。
そんな生活が二週間くらい続いた。
つらかった、全部がつらかった。
自分が情けなかった。後輩に申し訳なかった。
自分のプライドはぐちゃぐちゃだった。
気をぬくと死んでしまいそうでこわかった。
会社から置いてかれるのがこわかった。
出世できない未来がこわかった。
守るべき嫁と子供の将来が不安だった。
本当に治るのだろうか。日に日に悪化していく症状。
体重は50キロをきってしまっていた。