意義ある始まりと、怠惰な経過

さーて、すっきりしましたn!ブフッ∵(´ε(○=(゚∀゚ )

ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ、ヤッパチョウヘンハムリポ。

これからはBADSTARTの設定をベースとした世界観を使った短編を書いていきます、お楽しみに

そして心機一転、新しいお題を出します。

今回のお題は『別れ』

あなたのECO流お別れ話を待ってます。

それではまた、縁があればどこかで($・・)/~~~


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意味わかんないバトン

 えーと、更新のネタ作りのために、もらっちゃったバトンやっちゃいます( ´_ゝ`)←なげやり

 意味わかんないよ!なバトン 

  このバトンは質問の意味をあまり考えずに
  答えちゃってください。
  質問の意味がわかんないときは盛大につっこんじゃってね。



□あなたのお名前とご用件を答えてください。
ゲーム内ではドゥズルヤ、ワーグナー、堕天使ウィドウ、ブログでは山茶花、菊池、別の小説サイトで投稿したときの名前は読梟(よみふくろう)。
用件?特にございませんが

□学生さんですか?
今日卒業しました

□文書きさんですか?絵描きさんですか?
文書きです

□ところで貴方何してるんですか?
ご想像にお任せします

□違いますよ、このバトンやる前です。
だから想像にお任せしますって

□何故このバトンを?
ひとえに僕の人望によるものかな

□そうですか、次の質問に移らせていただきます。
どうぞご勝手に

□ん、どーでもいいよそれ。
じゃあ帰っていい?

□貴方は学校にいって何するんですか?
さっき卒業したって言ったじゃん

□まじめに答えました?それともそれがまじめだと?

じゃあそちらはまじめだと言いたいのですか?

□キレナイで下さい。

(-。-)y-゜゜゜

□ペンタブ欲しいですか?私は欲しいです。
僕はいらない

□持ってますが貴方は絵描きさんですか?違うんですね?
うん

□まぁ、いいでしょう。
そーだね

□明日学校ありますか?それともさぼりですか?
HARUYASUMI!!

……でも自動車学校行かなきゃ(´・ω・`)

□オリジナルキャラクターをつくったことありますか?

もち。

□じゃぁ、家族構成でも教えてください。
母・姉・兄・僕

今うちにいるのは、母と僕だけー
 
□へぇ。
はいはい

□そんな怒らないでください。

怒ってないからご安心を

□よく読んでる雑誌は何ですか?

ジャンプとかマガジンとかサンデーとか……あとチャンピオンとかヤングジャンプとか……漫画ばっかだな(´・ω・)

□その中で特に楽しいのは何ですか?
最近おもしろいのはサンデーかな

□私、大好きですよ?貴方のこと。
ふーん、僕はあなたのこと嫌いだけど

□今一瞬、間があきましたよね
即答したつもりですが

□本当ですか?
うん。

□好きな漫画について教えて?
PLUTO
HELLSING
ONEPIECE
20世紀少年

D-Grayman

天上天下

PAPUWA

……スペース足らなくなるから今回はここまで

□何でおもしろいんですか?ぁ、もしかして腐ってますか?
読め、話はそれから

□健全さんですか?不健全さんですか?
その質問の意図がわからん

□サイト、もっていますか?
まーね

□誰も手にもってるか訊いてませんよ?
そんなとんちいらん

□よければ貴方の妄想を教えてもらえますか?
いや

□得意料理ってありますか?
ない

□私の方が上手ですよね?…嘘です。怒らないで下さい。
そりゃ僕作れないもん

□じゃぁ、接吻って何かしってますか?
うん

□したことありますか?
ご想像にお任せします。

□笑
(^ω^#)

□顔文字かなりつかいこんでますか?
どーだろ?普通?

□どんな顔文字一番使いますか?
(´・ω・`)

(`・ω・´)

( ´_ゝ`)y─┛~~

( ´,_ゝ`)

プ━( ´,_ゝ`)━ッ!!

キタ━( ´∀`)゚∀゚)・ω・) ゚Д゚)・∀・)´Д`)´_ゝ`)`Д´)

ビキビキ(#^ω^)

□もっとあるんですが、いいですか?
時間ないから早くお願いします

□飽きたっていったら殴っていいですか
こちらは頭の中であなたを100回以上殴ってるので早くお願いします。

□頑張って答えて下し。
はいはい

□そろそろ終わりにしましょう。つかれてきました。
それじゃ、もう帰っていい?

□ぁ、ちょっとトイレいってきます。
早くしてね

□ただいま
おかえりー

□じゃぁ、このバトン渡してつっこんでくれそうな人に。

このブログを見てくださった皆さんにまわします、答えたいって人は適当に答えて


□10人以内でお願いします。

どうせ10人も見ないってwwww


□最後までありがとうございました。おつかれさん。
おつかれー

……ところでこのバトン、誰が作ったんだろ(´・ω・)?

狼少女3

「で、ある日の朝起きたら突然狼になってたと、世の中不思議なこともあるもんだね」

 狼の事情を聞いたクロは、興味深そうにうなずく。

「特に悪いもの食べた記憶もないんですけどね」

 と、狼の姿をした少女は、はにかんだように、口の端を吊り上げる。

「しかし気づいたらここにいた、か、しかも2年間でしょ? 辛くなかった? 森を出ようとは考えなかったの?」

「そりゃ辛くないといったらうそですけど……でも私は森を出るわけにはいかないんです……、それに、元に戻れないわけじゃないと思いますし、この森に着たなら元に戻る方法もこの森の中にいれば見つかると思うんです、いつかきっと……」

 その言葉にクロは感嘆したように声を上げると。

「君強いねぇ、普通その歳の女の子だったらもっと絶望してるはずだよ?」

 すると、少女は驚いたように目を見開くと。

「え?私が何歳かわかるんですか?」

 すると、クロははにかんだように笑うと。

「まぁねぇ、君のしゃべり方とか見てたらなんとなくね、まぁ理由はそれだけじゃないんだけど……。」

「ないんだけど?」

 クロは不思議そうに首を傾げる少女を見て、思わず目を細め口の端をゆがませると。

「聞きたい? 説明だけで多分2,3時間はかかると思うけど?」

「……遠慮しときます」

 クロと少女が、お互いの身の上や思い出などを語らっているうちに、薄暗い森はいっそう暗さを増し、森に響いていた獣の声は潜み、代わりに透き通るような虫の声が当たりに響いていた。

「おや、もう夜か、やっぱり楽しいときをすごしてると時間が経つのが早いね」

「そういえば、いつも一緒にいるって言うファルフェイトさんは今日はいないんですか?」

 不思議そうに首を傾げる少女を見て、クロも思わず首を傾げるが、思い出したように手を叩くと。

「あぁ、そうか、ファルフェイトの奴隠れてるんだな」

 そういうと、クロは遠くを見て、何かを呼ぶように声を張り上げる。

「ファルフェイトーでておいでー!」

 すると、クロの周りに瞬く間に黒い煙が立ち込めると、その煙は少女の周りにまとわりつき、楽しそうな低い声が辺りに響く。

『おやぁ? こんなところにうまそうな狼がいるなぁ? どこから食ってやろうかぁ?』

「ひ!?」

 少女は思わず身を竦ませ、小刻みに震えていると、クロは呆れたようにため息をつくと。

「ファルフェイト……ナリは狼でも女の子なんだから怖がらせないの」

 その声に煙がわずかに揺らぐと、吸い込まれるようにしてクロの肩に集まっていき、小さい蝙蝠のような形に変わった。

『いいじゃねぇかよクロ、こちとらずっと隠れて暇してたんだ、からかうくらい大目に見ろよ』

 笑っているように声を出すファルフェイトをクロは鋭く睨みつけると。

「君ねぇ……女の子はピュアなんだから、第一印象を大事にしないと嫌われるよ?」

『ちぇっ、てめぇに言われちゃおしまいだな。』

 すると、蝙蝠の姿をしたファルフェイトは、少女の鼻にとまると。

『悪かったなお嬢ちゃん、ちょっとしたいたずら心って奴だ、大目に見てくんな』

 すると、少女は安心したように、身を伏せると。

「いえ、私こそ怖がってごめんなさい」

 すると、ファルフェイトはばつが悪そうに、ファルフェイトの肩に戻ると。

『……いや、お嬢ちゃんに謝られたら罪悪感が……』

 すると、クロは、たまりかねたように声を上げて笑うと。

「こりゃ傑作だ! 悪魔が罪悪感だって!? かなり貴重な発言だねぇ、歴史に残るね絶対」

 すると、クロは全身を歪ませ、巨大な肉食獣の頭のような形になると、口を大きく開く。

『てっめぇ……、この俺をおちょくったらどうなるか分かってんだろうな?』

「やれやれ、脅しにしたってセンスないね、それに女の子の前なんだからもっとクールダウンしないと~」

 クロは後ろで固まっている少女に意識を向けると、ばつが悪そうに蝙蝠の形に戻ると、こう言い捨てた。

『……あとで覚えてろよてめぇ』

『まぁしかし、狼のほうは見つかったし、あのじじいのところに帰ろうぜ』

 ファルフェイトの提案に、クロは静かに首を横に振ると。

「いいや、まだ“娘”が見つかってない。」

『娘? 娘ってあの狼じゃねぇの?』

 怪訝そうに聞くファルフェイトに対して、クロは得意げに鼻を鳴らすと。

「おじさん言ってたでしょ、“娘”と“狼”を連れてこいって、あのおじさんの娘さんが狼になっちゃったら、ちゃんと僕らにそのことを伝えるはずだろ?」

『た、確かにそうだな……、あ、そうだ、お嬢ちゃんよ、お前さん女の子見なかった……?』

 ファルフェイトは何かに気づいたのか、突然言葉を途切らせる。

 クロも怪訝に思い、少女の方に振り返ると、少女は息を荒くし、だらしなく舌をたらし、口からは涎をたらし、獣のような唸り声を上げていた。

「どうしたの?」

 クロが少女に近づき、身をかがめると、突然、少女はクロの腕に噛み付いた。

『クロ!』

 ファルフェイトが、全身を揺らめかせるが、クロはそれを静止し、少女に対して笑みを向ける。

「これが君が森を出たがらない本当の理由か……、君は怖かったんだね、こうなってしまって誰かを傷つけてしまうのが……」

 すると、少女はクロの腕を食いちぎらんと、噛む力を強めてくるが、クロの腕からは血が全く流れてこない。

 そしてクロは、少女と話をしていたときのような様子で、少女に語りかける。

「人を傷つけることよりも、一人で静かに朽ち果てる道を択んだ君の判断は賞賛に値するよ、でもね、何も知らずに朽ち果てるのは君も嫌だろ?」

すると、クロの腕にかかっていた力が緩むと、少女は、申し訳なさそうに後ろに下がって、身を伏せる。

「……ごめんなさい……」

 すると、クロは、少女の頭に手を置き、肩にとまっている、ファルフェイトを一瞥すると。

「なぁに気にしなくていいよ、似たようなこといつもファルフェイトにされてるし」

 すると、ファルフェイトが不満そうにクロに呟きかける。

『俺そんなことしたことあるか?』

 しばらく3人はその場で沈黙していたが、やがてクロが思い出したように口を開く。

「あぁそうだ、君さ、もしかして森の中にきた女の子に心当たりあるんじゃないの?」

 すると、少女はゆっくりと首をあげる。

「どんな女の子?」

「確かあのおじさんの話だと……、赤い頭巾をかぶった女の子だったかな?」

 すると、少女は表情を曇らせ押し黙る。

 その表情から何かを悟ったクロは、少女の頭に手を置く。

「ねぇ、さっき僕に噛み付いたときのことは覚えてる?」

 すると、少女は全身をこわばらせ、立ち上がって首を横に振る。

「……時々、自分がわからなくなって……、気がついたら、ウサギとか他の動物を食べてるの……、最近はなんだかその回数が増えてきて……」

『で、とうとう人間を食べちゃった、ってわけか』

 少女は、首を横に強く振った。

「食べてない!私は食べてないの……でも、気がついたら、女の子が血まみれになって倒れてて……私……こ……怖くなって……すぐに逃げ出しちゃって……」

「うーん、話の進みがかなり遅いね、まぁでもわかったのが、僕らの探している娘は、もういなくなったってことだね」

『じゃあ依頼はどうすんだよ? 死体を捜すか?』

 クロはファルフェイトを一瞥して、呆れたようにため息をつくと。

「あのね……この子の気持ちを考えなよ、もう一度罪悪感でも植えつけるつもりなの君は?」

 すると、ファルフェイトは、ばつが悪そうに声を一瞬途切らせると。

『……ちっ、まさかお前がそんなこと言うとはな?』

「僕だって女の子の気持ちは考えるさ、さてと、それじゃ君についてだけど……」

 クロが少女の方を向くと、少女はビクリと身を竦ませる。

「あ、あの……わたし……」

 クロは身を屈め、少女と目線を合わせると。

「この森から出してあげるよ」

「え?」

 少女は驚いたように目を見開いた。

「多分この森にいても君は元に戻れないだろうし、でもこんな森に進んで入る旅人もいないでしょ? だからさ、この森から出て、もっといろんな所に行ったほうがいい」

「……私を連れて行かないんですか?」

「う~ん、最初はそうしようと思ったんだけどさ、やっぱりやめとく、娘が君に殺されたって思われたら、多分君もただじゃすまないかもしれないし、それに辛い思い出ばかりの森にいたって嫌なこと思い出すだけでどうしようもないと思うよ?」

「……、でも私、この森から出ても本当にいいんでしょうか?」

「別に誰かにそういわれたんじゃないんでしょ? だったらそれは君が決めることさ、外に出て、元に戻る方法を探すか、一人この森の中で朽ち果てるか」

 少女はしばらく押し黙っていたが、やがて、意を決したように、クロを見ると。

「本当に、外に出たら元に戻ることができるんですか? ……外に出たら、私の大好きだった、優しいお父さんのところに帰れるようになりますか?」

 クロは、うれしそうに目を細めると。

「それは君しだいだよ、お嬢さん。」

 指で何かを描くと、小さな破裂音と共に、クロの足の長さほどあるステッキがでてきた。

 クロはそれを手に取ると、何回か回した後そのステッキで少女の額を小突く。

 すると、少女の体が光り始め、辺りに強い風が吹き始める。

「さようならお嬢さん、縁があったらまたあおうね。」

 クロがそうささやいた瞬間、光と風はうそのように止み、狼の姿をした少女も、どこかに消えていた。

狼少女4

クロたちが森を出たときには、もうすっかり日は昇り、空は赤く染まっていた。

 クロがその風景を眺めていると、蝙蝠の姿をしたファルフェイトが、クロの鼻先に出てくると。

『なぁクロよ、あの娘はお前じゃ元に戻せなかったのか?』

 すると、クロは静かに首を横に振り。

「あれはかなり特殊な魔法だったよ、似たような魔法を見たことはあるけど、ヘタに解除するのは危険だったと思う」

『どういうことだ?』

「もしむりに解除しようとしてたら、あの子が本当の狼になってしまってたかも知れなかったってこと」

『……そんで?あのじじいにはなんて伝えるつもりだよ?』

 すると、クロは口の端をゆがませると。

「あぁ、それは会ってのお楽しみってわけさ……」

 クロが村に戻ると、入り口にはクロに依頼をした男が待ち構えていた。

 男はクロの方に歩み寄り依頼についてたずねると、クロは神妙な面持ちで。

「娘さんは、例の狼にやられてました……」

 すると、男は目を見開いて、その場に膝をつくと、うめき声のような声を出して、震えだした。

 クロは、そんな男に対して微笑みかけると、先ほどの答えに、こう付け加える。

「と、狼が言っていたので間違いありませんよ?」

 すると、男は声を止め、ゆっくりと顔を上げ目を見開いてクロの顔を見た。

「……話をしたのですか……? あの狼と……」

「えぇ、友達にもなりましたしね。」

 すると、男は突然、ぶつぶつと何か独り言を呟き始めた。

 その様子を見て、クロは目を細めると。

「あなた何か知っていますね? そのご様子からして」

 男はしばらく黙っていたが、やがて耐えかねたようにうめきながらゆっくりと口を開いた。

「……あの狼は……元々私の娘でした……今まで確証はありませんでしたが、あなたのおかげで今わかりました……」

 クロは「ほぅ」と相槌を打つと、男はさらに言葉を続けた。

「私は……もうご存知でしょうが、魔学士と呼ばれる魔法使いです……、私はある魔法薬を開発したのですが、実験体に困っていて……」

 すると、憮然と事の成り行きを見守っていたファルフェイトが、どこからとも鳴く声を出す。

『で、実の娘を実験体にしたって? イカレてるな』

 その声を聞き、男は立ち上がると。

「私は……! ……私はあの子が疎ましかった……、下の娘に比べてあまりにも劣っていて、何の役にも立たない出来損ないのあの子の事が……、娘が親の役に立つのは当然でしょう? だから私はあの娘に役に立ってもらった……あの子がのんきに寝ている間に薬を飲ませて、森の奥に捨ててやりました……」

 男の独白を静かに聞いていたクロは、怪訝そうに眉を顰めると。

「それで? 実験は成功したんですか?」

 すると、男は話しているうちに興奮したのか、荒く息をつきながら、うれしそうに口の端をゆがめると。

「えぇ、あの子が狼になって、今もなお生きてるというのでしたらね」

「失敗したらどうなってたんですか?」

「失敗していても、狼にはなりますが、その後すぐに死んでしまいます、あの子は運がよかったんでしょうね」

 人事のように話す男を、クロは憮然として見つめると。

「それじゃあ、どうしてあなたがかわいがってた娘さんを狼がいると分かっていて森にやったんです?」

「……、あの子を使いにやったのは、あの森で隠居している、私の師匠の様子を見に行ってもらうためでした、師匠は、あまり奥地に住んでいなかったから安全だと思ったのですが……、あぁ、かわいそうに……」

 再び跪いて、肩を震わせ始めた男をみて、クロは少し目を伏せた。

「あなた因果応報って言葉知ってますか?」

 男は涙を流しながら、怪訝そうに目を見開いて、クロを仰ぎ見た。

「この言葉は、以前やった事が因となって、いつか必ずその報いを受けるという意味の言葉です」

 すると、クロの周りに、黒い濃い煙が渦を捲き始める。

「あなたは、自らの過ちで、娘に耐えようもない仕打ちをした、その報いを受けるべきだと僕は思います」

 煙は段々と何かを象っていき、その様子を男は息を呑んで見ていた。

 クロは、そんな男の様子を見ると、やさしい笑みを向け。

「なに、そんなに怖がらなくてもいいですよ、あの子が受けた仕打ちに比べればたいしたことないですから」

 段々と煙の形が整ってきたところで、男は疑問に思う、どうして自分は身動き一つできないんだ、と。

 クロはそんな男の疑問を知ってかしらずか、こう告げた。

「あぁ、そうそう、あの子、別れる時にあなたのことも言っていましたよ」

 そして男が見たのは、クロの傍らで、巨大な肉食獣の首の形をしたファルフェイトの姿だった。

「大好きだった優しいお父さん、ですって」

 その言葉を最後に、男の意識は途絶えた。

 二人が村を出たときには、もう太陽が高く上っていた。

 クロは、空を見上げながら、まぶしそうに目を細める。

 すると、その視界を黒い煙の形をしたファルフェイトが横切ると、その低い声が耳に入る。

『なぁクロ、あの娘は元に戻れると思うか?』

 その質問に対し、クロは、しばらく唸ると。

「まぁ、あの子の気持ちしだいだろうね、本気になればね、人間に不可能はないんだよファルフェイト」

 すると、ファルフェイトはしばらくクロの周りを回ると、少し皮肉をこめた感じで。

『……、お前見てたら納得できるな、それ』

 そういうと、煙はどこかへ掻き消えた。

 少しして、耐えかねたように、クロは声をあげて笑い出し、独り言のように呟いた。

「それどういう意味なのか教えてほしかったな」

狼少女2

男と別れてしばらくすると、風の音にまぎれながら、空気を震わすような低い声がクロの耳に届いた。

『一体なに考えてるんだクロ?』

 すると、クロはその声に対し、肩を傾げて見せると。

「どういうこと?」

 すると、クロにまとわりついていた黒い煙が、渦を捲くようにしてクロの前に立ちはだかる。

『森の中で行方不明になったって言う娘のことも、森の中の人食い狼も、お前が興味を持ちそうな話だとは思えないんだが?』

 するとクロは、立ちはだかる煙に対して肩を竦めて見せる。

「でもないさ、娘がいなくなったのなら、娘を探せと言えばいいのに、どういうわけかあのおじさんは、もしかしたら娘を食べたかもしれない狼の探索までお願いしてきた、“殺せ”じゃなくて“つれてこい”ってね」

 すると、何の前触れもなく煙が掻き消えると、囁くような声がクロの頭で響いた。

『まぁ、お前のやることにけちつけることもないよな、どうせあても無い旅だし』

 その声に対してクロはうれしそうに口の端をゆがめると。

「そうそう、やっぱり君は僕の一番の理解者だね、ファルフェイト」

 クロは、木々が鬱蒼と生い茂る、薄暗い森の獣道を歩いていた。

 所々から動物の鳴き声は聞こえてくるが、話に聞いたような狼の鳴き声は全く聞こえてこない。

 しばらく歩いていると、不意に木々がこすれる音にまぎれて、低い声がクロの耳に届く。

『なぁクロ、仮説いくつか立ててみたんだけど聞いてみないか?』

 すると、クロは視線を宙にさまよわせながら、興味深そうに顎に手をやる。

「へぇ、聞かせてみてよ」

『まず、狼がいるって言うのはうそで、本当はあのおっさんが娘を殺して森の奥に埋めちゃったとか』

「……じゃあ僕に頼む意味ないと思うけど?」

『もしくは、本当は娘なんかいなくて、俺らを迷子にさせて飢え死にしたところで身包みを剥ぎに来るとか』

「いや、悪魔じゃないんだから僕らが飢え死にしている地点なんてわからないと思うけど?」

『そうか!ということはあのおっさんは人のフリした森の悪魔だったって事になるな!』

 ここまで聞いたところで、クロは含み笑いをした。

「……中々面白い冗談だねぇ、でもあのおじさんからはそんな気配は感じなかったよ? それは君もよく知ってると思うけど?」

『……ちっ、じゃあ、お前の考えはどうなんだよ?』

 すると、クロは少し得意げに口の端をゆがめると。

「そうだなぁ……裏をかいて、実は狼が娘だった、て言うのはどうかな?」

『……なんか俺のとそんなに変わらないと思うけどな……』

 すると、クロの視線の先に一匹の茶色い毛の狼が、身を丸めて眠っていた。

「う~ん、凶悪そうに見えないけど、あれが噂の人食い狼かな?」

『てか、この森本当に狼いたんだな……。』

 すると、気配に気づいたのか、狼は立ち上がり体を震わせる。

「あ、起きたみたい。」

 クロは、指で何かを描くと、小さい破裂音と共に、クロの足ほどの長さはあるステッキが出てきた。

 その様子を見て、狼は身じろぎをするが、クロはじわじわとにじり寄り。

「んじゃ、君にうらみは無いけど……」

 すると、その言葉をさえぎるように、どこからか少女の声がクロの耳に入る。

「まって!私まだ死にたくないんです!」

 するとクロは、驚いたように少し目を見開くと、その声の主を探そうと、視線をめぐらせるが、それらしい声の主はいない。

 そしてクロは、先ほどの自分の発言を思い出すと、まさかと思い、その狼に声をかける。

「……もしかして、今言ったの君?」

 すると狼は、少し恥ずかしそうに俯くと。

「はい……あの、私の話聞いてくれませんか?」

 透き通るような少女の声に、クロは思わず含み笑いをすると、得意げに遠くを見て。

「君の意見も中々悪くないねぇファルフェイト」

 しかし、その得意げな声に応える声はなかった。


 あとがき2

 やっぱオリジナル書くのって楽しいね……僕が小説書き始めたのは二次創作からだったのですが、そのあとしばらくは、オリジナルでやってました。

 いろんな作品書きましたけど、長編やって長く続いた記憶はないですね……一話完結の短編は結構かけたのになぁ……。

 さて、前回の記事で書きましたように、この小説はある小説をモデルにしているのですが……この時点で分かった人はいるかな?まぁ、モデルともかなり違うからヤッパリ気づかない人の方が多いかもしれませんね……。

 詳しくは、この小説の終わりのあとがきで書きますのでお楽しみに。

狼少女

ねぇ、おばあちゃんの耳はどうしてそんなに大きいの?

 私はあなたのおばあちゃんじゃないよ?あなたのおばあちゃんは私が来たときにはいなくなってたわ。

 じゃあ、あなたはだあれ?どうしてそんなにお口が大きいの?

 私は……。

 とある村にて。

 疲れきった顔をした初老の男性が、ベンチに座って鳩の群れの方に声をかけていた。

 ―――正確には、何故か鳩に群がられている、一人の人間と話していたのだが。

 初老の男性から一通りの話を聞くと、鳩に群がられていた人間は、少しうなずいた。

「それで、行方不明になった娘と、最近騒ぎになってる人食い狼を探し出せ、と言うわけですか」

すると、男は、その人間に対して少し恐怖を覚えているのか、どこか落ち着かない様子で応える。

「え、えぇ、聞けばあなたはそれなりに高名な魔法使いだとか」

 すると、魔法使いと呼ばれた人間は少し含み笑いをした。

「それなり、ね……」

「お、お気に触りましたか?」

 男の様子を見た魔法使いが、声を上げて笑うと、皮肉げに、鳩の隙間から笑みを見せる。

「まぁ、名前には興味ありませんからそれでいいんですけどね」

 すると、その場から鳩が全て飛び出すと、その魔法使いが姿を現した。

 その魔法使いは、黒いシルクハットに黒い紳士服を着た、透き通るような銀色の髪をしていて、その顔立ちや、立ち振る舞いを見ても性別をうかがい知ることはできない。

 すると、魔法使いは思い出したように手を叩くと。

「そういえばまだ、名前を名乗ってませんでしたね、まぁとはいっても、ちゃんとした名前は大昔に捨てたので……まぁ近しい人間が呼んでいる“あだ名”のようなもので恐縮ですが……」

 その魔法使いの言葉に、男は眉を顰める。

「あだ名……ですか?」

「えぇ、まぁ、昔は少しやんちゃだったと言いますか……」

 魔法使いがそう言うと同時に、どこからともなく黒い煙のようなものが、魔法使いにまとわりつくように漂っていた。

 その煙のようなものに、何かただならぬものを感じたのか男は思わず立ち上がり、魔法使いを凝視する。

 すると、魔法使いはその様子を見て、困ったように笑みを浮かべると、先ほど言いそびれた自分の名前を口にした。

「クロ、と、まぁそう呼んでください」


 あとがきと言い訳

 えーと……ごめん、ECO中心でやるって言いましたけど、オリジナル小説出しちゃいました……、有限不実行でゴメンナサイ……。

 で、この小説はなんだ?と疑問符を浮かべた方のために説明。

 これは前述しましたように、オリジナル設定の小説ですが、ストーリーの進行上説明は少なめですので理解に苦労すると思われますがそこはご了承を……。

 設定とすれば、まぁ魔法使いのお話です、いろんな魔法に関するお話が出てきます、まぁこのお話は、とある小説をモデルにしてます……、国語が得意なオトモダチならわかるかなー?ブフッ∵(´ε(○=(゚∀゚ )

 ちなみにこのお話を書いたきっかけは、とあるWEB漫画をみて創作意欲が掻き立てられたというか……、まぁ内容は一ミリも掠ってませんけど。

 しかし、更新ペースは遅いかもしれないので、この時点での感想も受け付けておりますのでどんどん書いてくださいね。

 それではまた($・・)/~~~

着てる方に申し訳ないし

 どーも、菊池っす、ユニティーに登録されてみる人が多くなって浮かれまくってます。

 さて、そんなわけで、次の作品はチマチマやってるのでまだ時間がかかりそうです、もうしわけ(´・ω・)

 さて、しかしずっとあけるわけにもいかないので、今日は久々に本のレビューと行きます。

 とはいっても今回は小説ではなく、漫画の方です、漫画ももはや立派な文化、今やいろんな漫画が出てるわけですね、今回はその中でも僕のお気に入りを何冊か紹介します。

 HELLSING~ヘルシング~平野耕太

 俗に言う“吸血鬼モノ”です、もう何がいいって、キャラがいい、真似できようもない台詞回しがいい、主人公がコワカッコイイ、そしてグロイ

 かなーりお気に入りなんですけど、刊行ペースは、半年か一年に一冊のペース……遅いときには一年と半年もかかる場合があります……まあその分面白いからいいですけどね( ´ω`)b

 アニメ化もされましたが、それはあまり原作ファンには人気がなく……現在、原作を忠実に再現してくれたOVAが2巻まで発売中です、こっちの方がオススメ。

 まぁかなりグロテクスな表現が多いため、苦手な方はやめといたほうがいいかも……。

 PLUTO~プルート~浦沢直樹

 これは、かの有名な手塚治虫先生の“鉄腕アトム”の中の“地上最強のロボット”を浦沢直樹さんが、リメイクした作品です。

 いや、ただのリメイクということなかれ、もはや違う漫画ですね、浦沢さんの作風で、改めて違う絵、違うストーリーで描かれております、これも刊行ペースが遅いんだよね……全く……。

 現在4巻まで出ております、一度立ち読み程度でも見てみるのをお勧めします。

 あと、この人のもう一つの作品である20世紀少年も推します、これについては1巻から読むのをオススメ、ちなみに2008年に実写映画化するらしいです、見てみたいな(´・ω・)

 

 まだ他にも好きな漫画はありますけど、あんまり紹介しすぎるとねたがなくなっちゃうので今回はこの辺で……。

 次はSSを更新するぞぉヽ(`Д´)ノ

さぁ、勧誘に行こう・下

 アクロポリスシティ:アップタウン:リング“ダーニーズ・ギャング”事務所(仮)

『勧誘の仕方を考えてたら、お茶に誘われたので今喫茶店にいます。』

 ジェフが昼寝から起きて、自身のポケコンに入ってきたメールの内容がこれだ。

「だって。」

 ジェフが、呆れ返った声でぼやくと、隣でポケコンを覗き込んでいたゾーイが楽しそうに目を細めると。

「もしかしてこういうの多いのかな?やるなーシャイア。」

 すると、ジェフは首を横に振って否定すると。

「いや、恐らくあの雰囲気から察するに、誘われたのは今日がはじめてなんじゃねえの?いちいちメールするくらいだし。」

 メールを返信して、ズボンのポケットに入れた。

「なんて返したの?」

「別に、なんか困る質問されたら、内容送って着てって入れただけ。」

 ジェフがそう言ったとたん、彼のポケコンからベル音がなる、恐らくメールが返ってきたのだろう、ジェフがポケコンをポケットから取り出し、メールの内容を確認しようと、電源を入れる。

「お?早速困る質問か?シャイアも変なのにつかまっちゃったのかな?」

 ゾーイは半ば楽しそうに、ジェフの肩越しからポケコンを覗こうと、身を乗り出す。

 その様子にジェフは少し呆れたようにゾーイを一瞥すると。

「いや、さすがに早速変な質問するやつなんていないだろ、恐らく、好きな男性のタイプとかそんなんじゃねぇの?」

 そして、メールの内容を、読み上げる。

『今はいてるパンツの色聞かれました;;』

 しばらくの間、長い沈黙が二人を包むが、ジェフは、さらに呆れたようにため息をつくと。

「……どうやら変な人だったみたいだな……。」 


 アップタウン:喫茶店“故於緋射我亜伝(コーヒーガーデン)”

 奇妙な名前の店ではあるが、店の内装は至って普通で、ただ変わっている点といえば、何故か店のメニューが全て当て字になっているところだろうか。

 しかし、シャイアはさほど気にした様子を見せず、メニューに目を通すと、少し申し訳なさそうに、上目遣いに、ウィンたちの方をみると。

「あのぅ、本当にお支払いしてもらってもいいんですか?」

 すると、ウィンは鋭い目つきでドミニオンの少女の方に目配せすると、少女は、満面の笑みでうなずくと。

「もっちろーん♪やっぱり他人のお金だと思うと遠慮がなくなるってもんじゃない?ねぇ?」

 シャイアは、その発言の意味を短時間で吟味すると、申し訳なさそうに、ウィンの方を上目がちに見ると、ウィンはあきらめたように目を伏せ。

「あぁ、気にしなくていいよ……お金だけは無駄に余ってるしね……。」

 とだけ言うと、さっさとメニューを閉じて、窓の外に視線を向ける。

 しばらく、シャイアは気まずい雰囲気の中、当て字だらけのメニューに目を通しながら、ジェフのポケコンにメールを送る。

 すると、ドミニオンの少女がメニューを閉じると、隣に座っているウィンの方を一瞥して。

「そういえば自己紹介してなかったね、私はシルヴィって言うの、で、こっちの仏頂面がウィンザード、呼びづらいだろうからウィンでいいよ。」

 すると、仏頂面と紹介されたウィンは、面白くなさそうに鼻を鳴らすと。

「呼び方の辺りは普通僕が紹介するんじゃないの?」

「細かいこときにすんなって♪お嬢ちゃんの名前も教えてほしいなー?」

 シルヴィは少し身を乗り出して、シャイアに顔を近づける。

 すると、シャイアは困ったように、眉を八の字に曲げると、恐る恐る自己紹介をする。

「ぇーと……シャイアって言います……よ、よろしく。」

「もー、そんなびくびくしないでよ~、別にとって食おうってわけじゃないんだしさ♪」

 それを聞くと、ウィンは、呆れたようにシルヴィを一瞥すると、侮蔑の念をこめてこう呟いた。

「嘘つけ、今にも喰らいつきそうな顔してるくせに。」

 しかし、隣に座っているシルヴィにはしっかりと聞こえていたのか、彼女はこめかみに青筋を浮かべて、机の天板を少し陥没させると。

「はーい、黙ってろ仏頂面♪その綺麗なお顔ズタズタにしちゃいますよ♪」

 それをみて、シャイアはさらに身じろぎする。

 それをみたシルヴィは、しまった、と、心中で呟くと、ウィンの方を睨みつけた後、シャイアをリラックスさせようと再び笑顔に戻る。

「あ、そうだシャイア一つ聞いていい?」

 すると、シャイアは、びくりと体を震わせると。

「は、はい!なんですか!?」

「今はいてるパンツの色何?」

 その瞬間、シャイアは思わず椅子から転げ落ちそうになったが何とかバランスを立て直す。

 そして、その直後、ウィンがシルウィを睨みつけてこう呟き指を向けた。

「ファシライズ。」

 すると、シルヴィの体は顔以外の箇所が全て石化した。

「ちょ!なにすんのさ!」

 シルヴィが顔を左右に振って抗議すると、たまりかねたようにウィンが突っ込みを入れる。

「君はあれか、ロリコンのエロオヤジの亡霊でも取り付いてるのか?自分がナンパしたくせに相手ビビらせてどうすんだよ。」

 すると、シルヴィが憤慨して反論する。

「会話の要所要所にシモネタは必要でしょうが!そんなちょっとした心遣いもおもいつかないんかあんたは!」

 すると、ウィンは、呆れたように肩を竦めると。

「そういうのはもうちょっと親しくなってからするもんなの、大体君はもうちょっと他人との距離感を読んだほうがいいよ、て言うかこれ、コミュニケーションの基本だと思うんだけど?」

「まー、かわいくないわねー、ちょっと聞いたシャイア?仏頂面してるけど、態度もそっけないでしょ?もっと言い方ってもんがあるよねぇ?友達いなくなりますよ仏頂面?」

 その状況を見て、シャイアは何か言うべきと思い、困ったように唸る。

「え、えーと……。」

 しかし、今度はウィンがシルヴィに言葉をぶつける。

「仏頂面仏頂面うるさいな、じゃあ、普段どんな顔してろって言うのさ。」

「そりゃあ、私みたく輝くようなスマイル♪」

「はっ、面白くも無いのに楽しい顔していられる人がいるんなら、是非姿を拝んでみたいもんだ。」

「あんたこそ面倒なことばっか考えてるから、そんな不景気な顔ばっかする羽目になんのよ、もっと人生楽しく感じてみな?」

「残念ながら、僕は君が思っている以上に、今の人生に満喫してるよ。」

「満喫してるなら満喫してる顔してみなさい仏頂面、眉間の皺ばっかり深くなっちゃうよそれじゃ!」

 だんだん、2人がシャイアのことをよそに、口喧嘩を始めたので、シャイアが言葉を失っていると、ちょうどいいタイミングで、ウィンが頼んだコーヒーが運ばれてきた。

 それをウィンが確認すると、彼は深くため息をついてコーヒーを少しすすると。

「あー、悪かったねシャイアさん、見苦しいところお見せして。」

 すると、シャイアは思わず「い、いぇ!」と甲高い声を上げ、あわてて自分の口をふさいで、目をそらした後。

「え、えーっと……仲いいんですね二人とも……。」

 すると、ウィンは怪訝そうに眉を顰める。

「どうしてそう思ったの?」

 すると、シャイアは目を丸くして。

「え?だって、二人ともお互いが思ってることおくびもなく口にだしてるじゃないですか、それって仲がいいって事じゃないんですか?」

 すると、ウィンは、段々石化が解けてきて、手のひらを閉じたり開いたりしているシルヴィをみると、口の端をゆがめて。

「そう言われたらそうかもしれないね、何だかんだで付き合いは長いし。」

 すると、シルヴィはウィンザードの首に手を掛けると、まぶしいほどの笑顔を向け。

「そーそ、マブダチって奴よ、そういう友達が一人いれば、人生不思議と明るくなるもんよ?」

 といった後、「まぁ、昔世話になった人の受け売りだけど。」とはにかみながら付け加えた。

 すると、シャイアは思わず笑みを浮かべると。

「アハハ……シルヴィさんにも暗い時代ってあったんですか?」

「そりゃーねー、これでも結構苦労してるんだからー。」

「まぁ今の君はどう見ても苦労知らずな感じだけどね。」

「一言多いよ仏頂面、少しは素直に私の話を聞きなさいっ。」


 アップタウン:中央広場

 辺りは、最近アクロポリスで話題になっているというバンドのライブが行われていた。

 ジェフとゾーイはそのバンドのライブを、ベンチに座りながら聞いていると、再びベル音がなった。

 ジェフはメールの内容を確認してみると、こう書かれていた。

『なんか口げんか始めちゃってます;;』

 ジェフはしばらく唸った後、ゾーイにこう問いかける

「……もしかしてさ、男の2人組みに誘われて、それでどっちがシャイアとデートに行こうかー、って言うので言い争ってるのかな?」

「だとすりゃすごいねシャイア、どんだけモテモテなのよ?て言うかこればっかりはどうにもならないでしょ。」

 と、ゾーイは肩を竦める。

 そして、ジェフは呆れたようにため息をつくと。

「そもそも真っ先にパンツの色効いてくるような連中とデート行きたいか?」

「私だったらごめんこうむるね、コーヒー顔に引っ掛けて、顔面に膝蹴りかましてるかも。」

「それで決め台詞は『自分の顔鏡で見て出直しな』?」

「ずいぶん物分りがいいじゃない♪」

 などと談笑していると、再びジェフのポケコンからベル音がなる。

「そろそろ、どっか連れて行かれそうになってる頃かな?」

 ゾーイは冗談交じりに苦笑すると、ジェフも「さぁな。」と苦笑した。

 そして、メールにはこう書かれていた。

『2人ともリングに入ってくれるそうなので、これからそちらにうかがいますね。』

 2人はしばらく顔を見合わせた後、もう一度メールの内容を確認して、また顔を見合わせた。

 そして、呟いたのは二人同時に同じ内容。

「「まじかよ。」」

さぁ、勧誘に行こう・上

 アクロポリスシティ:アップタウン:リング“ダーニーズ・ギャングス”事務所(仮)
 今日もいい天気、憂鬱な気分でも、天気がよければ気分は不思議とはれてくるものだ。

 ……なんていったのはどこの能天気な人なんでしょうね全く……。

 私のへんな意地で、大陸の洞窟の前に来て、おろおろしてたところにたまたまであった人を連れて行って、はじめての大陸の洞窟の最深部に行って、その人を死なせてしまったのが2日前の夕方~昨日の明朝。

 命からがら逃げて、“ジャンク・ボックス”というリングの人たちのところにいったのが、昨日の朝。

 その人たちがとんでもく強いことを知ったのが、昨日の昼ごろ。

 そして、私のせいで死なせてしまった人たちの知り合いまわりをしたのが、昨日の昼~夕方。

 そして……、まだまだ半人前の私が、そんなとんでもなく強い人たちの上でリングノマスターをする羽目になったのが、昨日の夕方……。

 リングの名前は、前のその人たちのリーダーの名前から取って“ダーニーズ・ギャング”そんな名前にしたのは、私たちが彼のことを忘れないようにするためだ。

 そして今日は、“ダーニーズ・ギャング”としてのはじめての活動として、今日の朝、3人で集まって今後の計画を話し合うことになっていたのですが……。

 2人とも着ませんでした……、一番はりきっていたのはあの2人だったはずなのに……、私は半ば強制的にマスターにされたのに……。

 なんとも釈然としない気持ちのまま、2人を辛抱強く待っていたのですが、太陽が高く上りきっても2人は着ません……。

 で、私は再び、この事務所の前に来ました。

「はぁ……初日からこんなって……この先やっていけるのかなぁ……。」

 などと、ため息をつきながら独り言をぼやきつつ、私は扉を強くノックしました。

「こーんにーちわー!2人ともー!今日は集会の約束してたじゃないですかー!?なんで来てくれないんですかー!?泣いちゃいますよー!早く着てくださーい!(;□;)」

 そして待つことおよそ20秒、扉から出てきたのは……。

 何故か上半身裸にデニムの長ズボン姿のジェファーソンさんでした。

「よぅ、シャイア、迎えに来るなんて張り切ってんなぁ。」

 ……なんで上半身裸?

 もちろん、私は男の人の裸とかそういったものに免疫はありません、いや、もはやそんなことを考える余裕もなく、私のとった行動は一つ。

「きゃあああああああああ!!!!????」


 アップタウン:リング“ダーニーズ・ギャング”事務所(仮):会議室

 とりあえず、ジェファーソンさんは、「おっとこりゃいけねぇ。」とかいって、Tシャツを着てきてくれましたが……。

 今度は何故かゾーイさんが、ロングTシャツだけ着ていて、下着は見えないものの、男の人といるにしては結構危ない格好……と言いますかリラックスしすぎな格好です……。

 ここで、ふと、昨日の2人の雰囲気から気になったことを聞いてみました。

「あのぅ、ジェファーソンさんとゾーイさんって……もしかして恋人同士ですか?」

 すると、2人はお互いの顔を見合わせて、不思議そうに2人同時に首を傾げます(なんかいけないこと聞いちゃったかな?)

 そして、ジェファーソンさんが怪訝そうに。

「どう思う?」

 と、私に聞いてきます。

 私は思わず少し身じろぎして。

「えーと……違うんですか?」

 すると、今度はゾーイさんが少し唸って。

「う~ん……どうなんだろ、考えたことないなぁ……。」

 そして、ジェファーソンさんの方をみると。

「意識したことは無いよね?」

 すると、ジェファーソンサンも、頭を振って。

「意識したことは無いよなぁ?」

 と、意気のあった回答。

 私はなんだか不毛な質問のような気がしてきたので、「ごめんなさい。」と断りを入れて、話題を変えます。

「で?どうして二人とも、今日遅かったんですか?」

 すると、ばつが悪そうにジェファーソンさんが。

「あー、朝起きたらさ、目覚まし時計が粉々になってたんだよ、それで起きれなかったの。」

 私はそのときの状況が目に浮かぶのを感じながら、思わずため息をついて首を横に振って、2つ部屋があるのを確認すると。

「じゃあ、ゾーイさんも?」

 すると、ゾーイさんもばつが悪そうに。

「うん……て言うか、昨日の夜ジェフは私の部屋でいたんだよね、だからジェフが壊したのは私の目覚まし時計。

 ……私も15歳です、いい年した男の人が、夜、女性と一緒の部屋でいる、ということは……。

 しかし聞くのもなんだか野暮なのであえてそこは追求せず(予想と外れてたらなんだか嫌だし)。

「……で、気がついたらすっかり昼になってた、と?」

 すると、ジェファーソンサンはのんきに笑うと。

「いやー、起きたときは朝だと思ったんだけどなぁ。」

 同時にゾーイさんも同じように笑うと。

「そうそう、つい朝ごはん作っちゃってたよね、シャイアが来るまで昼だってことわかんなかったよ。」

 ……どうやらこの人たちは基本的にズボラな性格のようだ、しかも2人そろってそうなのだからたちが悪いです……。

 しかし考えても見れば、結構ハイペースで、大陸の洞窟まで来てたわけだし、その上、昨日リングの登録をするときジェファーソンさんが言っていた話によれば、2人とも昨日は狩りから帰ってきたばかりだったらしいし……疲れててもしょうがないかな、と一人で解決すると。

「2人ともお疲れなのでしたら、今日の勧誘は私だけで行きますよ?」

 私がそう言うと、ジェファーソンサンは目を丸くして。

「いや……シャイアがそういうまでもなく、今日はお前さんに任せるつもりだったよ。」

「へ?」

 私は思わず奇妙な声を上げてしまい、あわてて口をふさぐと、今度はゾーイさんが。

「だって、ジェフだと半分威圧しそうだし、私もこう見えて口下手だしさぁ、やっぱりシャイアが一番親しみやすそうでしょ?」

 ……文面だけ見れば勝手なこと言って、仕事を押し付けてる、という感じですが、ゾーイさんの口ぶりから雰囲気が全く感じないところから、本気でそう思っていっているのでしょう、そう考えると、嫌悪感は全く感じません。

 しかし、お二人は、私が事務所から出るとき、こう言ってくれました。

「まぁ、俺達も休むだけ休んだらさ、一応様子見に行くから。」

「あんまり芳しくなかったら手伝うつもりだよ……まぁどれだけ手助けできるかはわからないけどね。」

 私には、そんなお二人の心遣いがとても心強く感じました。

 だから、笑ってこう言えました。

「はい、それじゃ、行って来ます。」


 アクロポリスシティ:ニーベルングのヘアサロン

 今日もいい天気、憂鬱な気分でも、天気がよければ気分は不思議とはれてくるものだ。

 まぁ今日はとっても運がよかったから、天気が悪くても太陽の光を感じてたかもネ正直♪

 何せ街歩いてて、普通にヘアカタログが落ちていたんだもの、これはもう髪型変えるしかありませんよね全く。

 まぁ、一緒に歩いてた仏頂面君は「それってネコババじゃない?」なーんて言ってくれやがりましたけど。

 そんな嫌みもどこ吹く風、運のいい私の勢いは止まらないわけよ。

「でさぁ、ツインテールにして魅力倍増、そんな私をどう思いますか、ウィンザード君?」

 最高にご機嫌な笑顔で、くるりと一回転して見せた私を見て、仏頂面君―――ウィンザードは、呆れたようにため息をついて。

「まぁ君の図々しさもある意味すごいよ……出会いには事欠かなさそうだよねほんと……。」

 そういうことじゃなくて私は髪型の感想聞いてるんだっつの!私は立ちながら本を読んでいるウィンザードの靴を思い切り踏みつけてやる。

「拾っちゃったもんはしょうがないでしょ……で、どうよ、私のか・み・が・た!」

 すると、ウィンは、読んでいた本を閉じて涼しい顔で私の顔をみると。

「まー、いいんじゃないの?君の雰囲気とある意味マッチしてるかも。」

「あーもー、感想がかわいくないなぁ、そこは頬を少し赤らませてテレながら『い、いいんじゃないの?』っていうのがただしいツンデレのあり方でしょうが!さっきのあんたの答えじゃ、“ツンツン”よ“ツンツン”!」

 と、私が的確なアドバイスをすると、ウィンはあからさまに不快そうに額を抑えて。

「あのさ……僕は別にツンデレ目指してるわけじゃないんだけど……あとさ、そんなイタイ話をあんまり大声でしないでくれる……?」

 ……こいつとは3年の付き合いになるけど、この冷めたところだけは、本ッ当に変わらない!ちょっとはノってくれたっていいじゃないの!

「はぁ……なーんか、一気に心に暗雲が立ち込めてきた感じだわ……どっかにいい出会い転がってないかな。」

 と、私がそんな独り言をぼやくと、ウィンは、私の方に視線だけを向けると。

「さすがにそんなベタな展開は無いんじゃないの?それにしても君の心の中はほんと天気の変化が激しいよね。」

 その最悪の皮肉には、私も堪忍袋の緒が切れた。

「誰のせいだと思ってんのさー!第一独り言にまで返事すんなっつーの!」

 そう叫んで、ウィンの顔を覗き込むように睨み付けると、さすがに、仏頂面のこいつも、罪悪感が芽生えたのか、ばつが悪そうに目をそらすと。

「横で呟かれてたらそりゃ気になって返事したくもなるよ……、あー、まぁでもさっきの返事は自分でも冷たかったかなって思ったから、謝っとくよ、ごめん。」

 素直じゃないけど、一応謝ってるから許してやろうかな、しかし行動で示してもらわないと。

 私は辺りに視線をめぐらせると、喫茶店を発見。

「じゃあ~、そこの喫茶店でおごってもらおうか……?」

 と、店の方を指差そうともう一度向き直った瞬間、突然、正面方向から、よそ見しながら向かってくる人影。

 咄嗟に避けることができなかった私はもろにぶつかってしまい、ぶつかったほうの人影がしりもちをつく。

「何やってんのさ全く……。」

 ……そこは普通「大丈夫?」じゃないかなウィンザード君?コーヒーだけで済ませてやろうと思ったけど、一番高いケーキも頼んでやる。

「ご、ごめんなさい、私よそ見しちゃってて……。」

 あら?結構かわいい声?

「ううん?いいよいいよ、よそ見してたのはお互い様だ……し。」

 改めて相手の外見確認、あどけなさの残るかわいらしい顔立ち、背中まで伸ばしたプラチナブロンドのストレートヘアー、赤と金色のオッドアイ、そして控えめなTシャツに紺のミニスカート、背中から生えてる、白い羽との組み合わせはまさに可憐な天使そのもの。

 ……あったよべたな展開……今日はなんてついているのかしら、気分が落ち込んだ瞬間私好みの女の子が現れるなんて♪

 しかし、何故かウィンは顔を引きつらせて、耳打ちしてくる。

「(あのね……まさかこの状況でナンパとかするんじゃないだろうね?)」

 もちろん私の答えは決まっている。

「(当たり前じゃん♪)」

 私がそう返すと、ウィンはあからさまに、目を右手で覆って空を仰ぐが、私からして見りゃ、この状況でナンパしないのがうそである、早速、ウィンにおごらそうとした、喫茶店の方を一瞥して。

「あ、そうだ、これも何かの縁だし、私といいところ、い か な い?」

「え、い、いや、えーっと……。」

 キュートに戸惑う彼女を、私は手をとってエスコート、後ろからしぶしぶウィンもついてくる。

 そして余計な一言。

「どうでもいいけど、あまり高いの頼まないでよ?」

 ……うんっっと高いの頼んでやる……。


 あ・と・が・き

 ハーヤレヤレ……早速続編投入、今回は、勧誘編。

 ウィンザード、と言う名前を聞いてピンと着た方は、このブログをよーくみてくれてる方ですよね?????

 そう、Be Of a Gangの、主人公のあのウィンザード君です♪

 そして、今回の2人目の語り部のネコババ少女はシルヴィちゃんです♪この2人はずーっとこのシリーズにだそうと画策しておりましたので、今回やっと念願がかなったと言うところです。

 さて、一部読者は『恋人関係になるのかな?』とか予想していたでしょうが、見事に裏切りましたヽ(・ω・)ノ♪

 シルヴィちゃんは女好きでしたァ '`,、'`,、(^∀^ ) '`,、'`,、

 あ、でも別に今回突然思いついた設定じゃアリマセンヨ?ちゃーんと前作(Be Of a Gang)の方にも伏線はありますよ?よーくみて見ましょう♪

 まぁ、あの二人が、本当にそういう関係になるかどうかは作者の気まぐれしだいと言うことで。

 あと、これでやっと語れる、ダーニーの名前の由来……。

 ぶっちゃけシャイア達のリングの名前のために付けた名です☆“○○ズ・ギャング”と言う名前にしっくり来る名前は無いかなーとか考えたら思いつきました、だから彼に限っては、名前より先にキャラクターができたと言う異質な感じです、まぁ、キャラも名前もお気に入りですけどね♪

 さて、記事一つで終わらせるつもりが長くなってしまったので、前編・後編に分けます、お楽しみに……。

それでは皆様の感想お待ちしてます(*´ω`)

byebye・・・~出会いのための別れ~エピローグ...

 アクロポリスシティ:ギルド元宮:BSギルド

 私達が戻ってまずしなければならなかったのは、ダーニーさんの死を、彼が所属していたギルドのマスターに伝えることだった。

「そうか……ダーニーの奴は死んじまったか。」

 青いバンダナに、青い作業ズボンをはいた、BSギルドの“親方”は、とても辛そうにそう言いました。

 その人によると、ダーニーさんはギルドの後輩にもとても親切で、仕事に困ってる人に自分が集めた鉱物を分け与えたりもしていたらしいです。

 葬儀に関しては、ギルド内の仲間が死んだときは、アクロポリス近辺にいるギルドのメンバーと、その人の友人を集めて、ギルド元宮で葬儀を行うそうです、でも、2人はそれに出席しない、と言っていました、それに関してジェフさんは。

「俺達がいったら、素直に悲しむやつが減りそうだからな。」

 と言っていました。

 あと、墓の場所は、彼の故郷の、ファーイーストが挙げられましたが二人は首を横に振って、『この街が一望できる場所』を希望しました、どうやら以前から冗談混じりに言っていたそうです。

 そして、親方さんは、苦笑しながら首を縦に振りました。

 アクロポリスシティ:飛空庭喫茶:ニッケル・ガーデン

 次に立ち寄ったのは、飛空庭の家をなんと喫茶店にして仕事をしている、元冒険者の人の店でした。

 どうやらここのマスターは、ダーニーさんと長い付き合いのようなので必ず知らせておかなければならないらしいです。

「……そうか……あいつが死ぬとはね……。」

 バーのマスター―――ニッケルさんは、思ったより悲しそうな感じはしませんでした、なんと言うか、こうなることを知っていたと言うか……。

「そういやマスター、ダーニーとはどれくらいの付き合いなんだっけ?」

 マスターさんは、しばらく天井を見たかとおもうと、ジェファーソンさんの問いに答えました。

「そうだな……俺が6才のときに知り合ったからもう20年の付き合いだったか……まさかこんな早く別れが来るとはね……。」

 その後マスターもダーニーさんに関するいろんな話をしてくれました。

 ダーニーさんが底抜けのお人よしだったこと。

 ニッケルさんが、とても恐ろしい目にあって冒険者を辞める時に今の仕事を進めてくれたこと。

 そして、その時彼がどれほどダーニーさんに感謝していたかと言うこと。

 私も、ジェファーソンさんも、ゾーイさんも、皆真剣に聞き入ってました。

 そしてニッケルさんは少し照れながら笑った後、ダーニーさんが4年前リングをたちあげるときに語った夢物語や、ゾーイさんを連れてきたときの話、2ヶ月して、ジェファーソンさんを連れてきたときの話を、苦笑混じりで話してくれました。

 当の本人達は、怪訝そうな表情で、しきりに「そんなことあったっけ?」と、首を傾げていましたけど。

 そして店を出る際、ニッケルさんは、私を指してこう質問しました。

「そういえば……彼女は一体?」

 すると、ジェフさんは、呆れたように鼻を鳴らして、こういいました。

「あいつが最後におせっかいを焼いた相手だよ。」

 アクロポリスシティ:リング“ジャンク・ボックス”事務所:大家の家

 意外にも、あからさまに悲しそうにしたのは大家さんでした。

 どうやらダーニーさんは、毎月の家賃のほかに、高価な鉱石などをつけていたそうです、恐らく金づるがいなくなる、と言う意味の悲しみだったのでしょうが。

 案の定と言いますか、ジェフさんがものすごく睨みつけたら途端におとなしくなって、家の中に帰っていきましたけど。

 

 そして、2人はベンチに腰掛けて、これからのことを話し始めました、いつの間にやら日はすっかり傾いて夕方になっていました。

「これからどうしようかね……。」

 ジェフさんはどこかあきらめきった様子で、沈んでいく夕日を眺めていました。

「……ダーニーいなくなったらリングの運営なんて難しいしね……私達、これでオワリなのかな……。」

 ゾーイさんは、すっかり気落ちした様子で、俯いていました。

 私は、3人がどれほどの仲だったかはやはり彼らほどよく知らないけど、それでも、最後にお世話になったものとして、ここまで関わった者として、言うべき事は一つ、自分でも驚くほどすんなりと出ていました。

「終わりじゃありませんよ2人とも……。」

 ジェファーソンさんとゾーイさんは、驚いたように私の方を見ました、そんな二人に私はこういいました。

「私、あなたたちのことは今日知り合っただけですけど、どれほど深い絆かはなんとなくですがわかったつもりです、ダーニーさんがどれだけ二人のことが大好きだったのか、そして、お二人が、ダーニーさんのことがどれだけ大好きなのか、完全な理解からは遠いかもしれないけど、それでも、これだけは言わせてください。」

 そして、私は呼吸を整えて、言いました。

「終わりだなんていわないで下さい、だって、2人ともまだ生きてるじゃありませんか、これからまたやり直せますよ、きっと……わ、私にできることなら何でもやりますから、どうか、あきらめないで下さい……お願いします……。」

 気がつくと、私の目から堰を切ったように涙があふれかえっていました。

 その様子を見て、ジェファーソンさんが、プッと吹き出すと。

「あんたも大概お人よしだなぁ……びっくりするよ。」

 続けて、ゾーイさんも、私にやさしい笑みを向けて。

「そういうところ、ダーニーに通じるところがあるかもね……。」

 もう2人の目から、憂いや、悲しみと言った感情が薄くなっているのを感じました、これから2人、どんな風にがんばっていくのか楽しみにしながら、私はそこから立ち去り―――

byebye・・・~出会いのための別れ~エピローグ...?

 ―――そのまま帰ろうとしました……。

 しかし……ここからまた予想できない発言がジェフさんから飛び出しました。

「でもなぁ……マスターがいなくなった時点で強制的に解散扱いになっちゃうんだよね……リングって。」

「またリング立ち上げるにも、私達人見る眼には自信ないしね……。」

 なんだかわざとらしく深いため息をついて困った様子を演出しているお二人に、私は得体の知れない嫌な予感を感じました。

 そして、ジェファーソンさんは、ゾーイさんの方に目を泳がせて、耳打ちするように口に手を寄せます。

「まあ、シャイアが言いだしっぺだもんなぁ……こりゃやっぱり……ねぇ?」

 そしてゾーイさんも同じようにジェフさんの方に目を泳がせて、私にとって衝撃的な一言を発しました。

「シャイアにやってもらうしかないよね……やっぱり。」

 段々といやな予感と、心臓の音が高まっていくのを感じた私はそこから立ち去ろうと、身を翻しますが、二人に両脇をがっちりとつかまれます。

「と言うわけで、よろしくね、新マスター♪」

「えええええええええええ!!!!!!????ちょ……私まだお二人よりぜんぜん弱いですよ!?それにこの世界着てまだ2ヶ月ですし!!!」

 私の必死の抗議の言葉も彼らには右から左、ジェファーソンさんは、私に向かってにっこりと微笑むと。

「大丈夫大丈夫♪前例が無いわけじゃないしさ、シャイアだったらやれるって、俺信じてるからさ♪」

 すると、ゾーイさんも、同じようににっこり微笑むと。

「期待してるよ~、私達もサブマスターとして、バックアップしてあげるからさ♪」

 そして私は―――、そのまま、リング登録所の方まで引きづられていきました―――。

 ……私、これからどうなっちゃうんでしょうか一体?


 あ・と・が・き

 チャン♪チャン♪ブフッ∵(´ε(○=(゚∀゚ )

 と、いうわけで、やっと終わりました……冬休みも終わってました……学校メンドクサイ……。

 と言うわけで、長編と言っても差し支えない長さ……かな?とりあえずがんばった、自分で自分を褒めてやりたい。

 今回の話は、テーマが別れながら、悲しみや絶望よりも、その先に続く、希望への話として描きましたがどうでしょうか?

 いわば今回はエピローグのためのお話、さて、それでわ、これからキャラについて語っちゃいます。

 

 まずはシャイアちゃん、15歳です、少女です、職業はフェンサーですね。

 これから彼女達のリングを中心とした話を使ってお題小説を書いていこうかなーと画策していたり……ヌヘヘ(^ω^)

 基本的に振り回され体質、強くならなきゃいけないっとツッパッテ見せますが本当は寂しがり屋で、友達を強く望んでいる傾向はあったんですね、だからダーニーの言葉にはかなり救われたことでしょう……これから新しい仲間達とがんばっていかせたいものです。


 次、ジェファーソン君、22歳です、若者です、怖いです、ゲテモノ好きです、ヘンタイです、でも結構美形、そして背も高いモデルみたいな子です、職業はトレジャーハンター

 今回ゾーイちゃんほど活躍しませんでしたけど、本当は彼女と同等か、それ以上の実力を持っているんですよ?ただ相手がちょっぴり強かっただけ……うん。

 ちょっと道徳観がおかしい人です、ダーニーと出会う前はもっとおかしかったんだとか……その辺のエピソードはまた後日……。

 ゾーイちゃんとはタイプがかなり似ているせいか仲がいい様子


 次、ゾーイちゃん、22歳、同じく若者、怖いです、斬るのが好きです、ジェフと同じくヘンタイです、でも美人、身長高いしスタイルもいいでsブフッ∵(´ε(○=(゚∀゚ ) 職業は作中でも言っていた様に、バウンティハンター

 鎌使いのキャラが書きたいなと思ったので、斧使い、でもファーマーじゃ物足りないなと思ったので、一部地域(?)ではやっている、斧バウハンと言う設定にw

 彼女の名前の由来は、実は異名から先に考えていたり……、そのうちだす予定ですが、彼女は以前ブラッディ・ゾーイと呼ばれていて……やっぱこれ以上は秘密……うん、秘密。

 で、名前の由来ですが、ブラッディ・○○○と言うフレーズにあう名前は無いものかと考えていたら浮かびました、うん、それ以外に深い意味はないの……。

 やっぱりジェフと同じく、道徳観がおかしい子、ダーニーがいたから今の自分があるのだと、しきりに言っております。


 最後、ダーニー君、26歳、ちょっぴり年長者、よく笑います、大きいです、実は鉱石マニア、底抜けのお人よしです、職業はロボ乗っていたので、マシンナリー

 キーパーソン、ですね、今回のお話の、今回だけで死なせるには惜しいキャラでしたが、彼なりにいいお別れはできたかな、と自分の技量を疑ったり。・゚・(ノД`)・゚・。

 ここで一つ疑問のある人のために説明しておきましょう、何故ダーニーは自爆で死ななかったのか?

 これはまたマイ捏造設定なのですが、ブラックスミスはサラマンドラの心臓を得て、その心臓を体内に取り込むことによって、半分炎の精霊になったわけです、だから自爆の際の爆発にも耐えることができた、と、何故ダークサラマンドラになっちゃったかは今のところは不明にしておきます……そういうことにしておいて!ヽ(`Д´)ノ


 さーて、次のお題は何にしようかな……なんか別れって書きにくそうだから早めに次のお題出したほうがいいのかな?(;´・ω・`)

 まぁ、皆さんの感想、お待ちしておりまーす(*´ω`)