ベビーサインの始まりと科学的根拠 | 【江戸川区】ベビーサイン教室「まほうのおてて」赤ちゃんとお話

ベビーサインの始まりと科学的根拠

「ベビーサイン」という名前は、カリフォルニア大学デイビス校名誉教授のリンダ・アクレドロ博士と、カリフォルニア州立大学スタニスラウス校名誉教授であるスーザン・グッドウィン博士が作ったものです。

ふたりの博士は、アメリカベビーサイン社と、その研究機関であるベビーサイン・インスティテュートの創設者でもあります。
ベビーサイン育児はふたりの博士の努力によって1990年代半ばからアメリカを中心に広がりはじめ、現在では世界の多くの国で実践されています。

日本では2000年、当協会の理事長である吉中みちるが長男を出産後に実践し、その体験を夫と一緒に「親子で楽しむベビーサイン」という書籍にしたのをきっかけに、広く知られるようになりました。この本は、日本人が書いた初めてのベビーサイン本として、また、日本手話を用いたベビーサインを紹介した初めての書籍として、注目を集めました。

ベビーサインの科学的裏づけについて

1982年、アメリカで初めて研究されたベビーサインユーザーの子供たち。そこで、リンダ博士とスーザン博士はこの子供たちを再び集め、IQテストを行いました。

その結果8歳児の平均値よりも20ポイント、ベビーサインユーザーのIQが高いという興味深い結果が出たのです。


パーベビーサインが産声をあげたとき!

研究1

1985年にリンダ・アクレドロ博士とスーザン・グッドウィン博士によって発表された言語発達におけるジェスチャーの研究
ヒューマンディベロップメント誌28号P40~49に掲載


この研究ではじめてベビーサインを使った赤ちゃん、リンダの娘、ケイトが約12ヶ月のころから連続的にサインを使い始めた話が報告されてます。ケイトの使ったジェスチャーはにおいをかぐことで「花」を表現したり、腕をあげることで「大きい」を表現するといった「感覚的」なものでした。それから博士たちはケイトが興味をもつものを彼女の真似しやすいシンプルな形に直し、ジェスチャーと言葉をつかって教えていきました。そうこれがベビーサインがはじめて世に出たときなのです。


パー赤ちゃんはみんなサインが使えるの?

研究2 1988年にリンダ博士とスーザン博士が発表したベビーサインの研究
チャイルド・ディヴェロップメント誌59号P40~49に掲載


この研究ではベビーサインがケイトだけでなく、赤ちゃんなら誰でもできるのもなのかが調べられました。

答えは皆さんの予想どおり。

ほとんどの赤ちゃんは最低1つか2つぐらいのジェスチャーを創り、中にはたくさんのベビーサインを創り出して使いこなす赤ちゃんもいたのです。

さらにこの研究では
サインと言語の発達
乳児の生活の中でのベビーサインの根源
性別・生まれた順番の違い
という3つの点からもサインを使う赤ちゃんが研究されています。


パー言葉とサインどっちが難しいの?

研究3 1990年にリンダ博士とスーザン博士が発表したサインと言語発達の関係の研究
アナルズ・オブ・チャイルド・ディヴェロップメント誌7号P1~42に掲載


この研究ではベビーサインが言語発達との関係が発表されています。様々な事例をとおして出た結果は、言語発達よりもベビーサインの発達が易しいということでした。


パーサインの研究が言語発達の謎を解き明かした瞬間!

研究4 1999年にリンダ博士、スーザン博士、カレン・ホロビン博士、イヴォンヌ・エモンズ博士によって行われた初期の言語発達でのサインと音についての研究
チャイルド・サイコロジー:ハンドブック・オブコンテポラリー・イシューズ誌P116~139に掲載

ベビーサインの研究結果が言語発達において未解明である課題を解決でるかどうかが発表されています

なぜ言語の創作より言語の理解が先に発達するのか
一言目以降の言語発達(語彙力の増加)がなぜ停滞するのか
乳幼児によく見られる「語彙の噴出」という現象の原因は何か
二言の文章を使い始めるきっかけとは何か


パーサインを使うと言葉の習得が遅くなる?

研究5 リンダ博士、スーザン博士、キャサリン・ブラウン博士によって発表されたサインの言語発達への影響 ジャーナル・オブ・ノンバーバル・ビヘイビアー誌


長年、国の補助を受けて研究されたサインが言語発達にあたえる影響が発表されました。
11ヶ月、15ヶ月、19ヶ月、24ヶ月、30ヶ月と36ヶ月のベビーサインを使う赤ちゃんと、同じ月齢であるベビーサインを使わない赤ちゃんの二つのグループに対して言語能力のテストを行った結果、ベビーサインを用いる赤ちゃんの方が言語発達が優れているという結果がでました。ベビーサインの素晴らしさが認知された瞬間です。


パーベビーサインがIQをあげる?

研究6 2000年7月にリンダ博士とスーザン博士によって行われたベビーサインで育った8歳児のIQに対する長期的影響の研究結果 イギリス、ブライトン市で行われたインターナショナル・ソサエティ・フォア・インファント・スタディーズにて発表


小学校2年生の子供にIQテストを行った結果、2歳の時にベビーサインを使っていた子供の方がIQ平均12点高いことがわかりました。ベビーサインを使っていた子供の平均IQが114点に対して、ベビーサインを使っていなかった子供の平均IQは102点だったそうです。


パーベビーサインと親との関係

研究7 2001年4月にリンダ博士、スーザン博士、ブリー・ムアー博士にベビーサインと赤ちゃんと親との関係を発表した研究 バイエニアル・ミーティング・オブ・ザ・ソサエティ・フォア・リサーチ・イン・チャイルド・ディヴェロップメントにて発表


ベビーサインを使う赤ちゃんが興味のあるものに対して、親の注意も引く事ができるか(ジョイントアテンション)を研究しました。ベビーサインを用いる19ヶ月から24ヶ月の赤ちゃんは「ジョイント・アテンション」ができたのに、ベビーサインを使わない赤ちゃんは上手にお母さんの興味をひきつけられなかったことがわかりました。この研究はベビーサインが言語能力やIQの発達に寄与することを裏付けた研究でもあります。


www.babysigns.com より和訳


ベビーサイン協会 HPより引用)