■□投資情報□■ 【今週の予定・今日の注目銘柄】 -59ページ目

今年の投資銀行業界、明暗分けた米国と欧州

 今年は投資銀行の業績が強弱まちまちだ。背景にあるのは、株式相場の伸び悩み、年後半になってからのM&A(企業の合併・買収)の活発化、散発的な新規株式公開(IPO)といった今年の特徴だろう。
 そんな投資銀行業界も、注意深く見ると、一定の傾向が浮かび上がってくる。大手米銀の方が大手欧州銀よりはるかに好調という傾向だ。この状態が続けば、今年は投資銀行業界における欧州勢の攻勢にピリオドが打たれることになる。欧州勢は数十億ドル規模の投資に見合うだけの収益を回収できなかった。
 具体的な数字を見てみよう。
 モルガン・スタンレーなど米証券大手3社の9-11月期決算が22日までに出そろった。企業活動の活発化に伴い、企業の合併・買収(M&A)などを扱う投資銀行業務が好調で、3社とも前年同期比で2割前後の増益となった。
 モルガンの投資銀行業務は6%の増収。特に、企業の増資、新規株式公開の引き受け部門は好調で、2004年の引き受け件数はライバルのゴールドマン・サックスを抜き、トップとなる見通しだ。このほか、原油先物など商品取引で収益を上げ、純利益は18・3%増の12億ドルだった。
 ゴールドマンの投資銀行部門は20%の大幅増収。資産運用などの部門も2けた増。この結果、純利益は23・0%増の11億9400万ドル。昨年12月-今年11月の通期ベースでは、一般企業の売上高に当たる営業収入、純利益とも過去最高となった。
 一方、欧州の投資銀行を取り巻く環境は米国勢に比べ厳しい。
 スイス銀行2位クレディ・スイス・グループは再編を続けている。今月には、証券部門のクレディ・スイス・ファースト・ボストン(CSFB)と小口・富裕層向けの銀行部門を統合すると発表。人員削減や戦略商品への経営資源集中を強いられることになる。
  ドイツ銀行は今月、ドイツ国内で全体の7%に相当する1920人の人員削減を発表した。独アリアンツの証券部門、ドレスナー・クラインオート・ワッサースタインもコスト削減のため、年末までに240人を削減する方針を明らかにしている。
  富裕層投資家向け資産運用で世界最大手、スイスのUBSも今年は業績が振るわなかった。同社が先月発表した7-9月期決算は1%の減益。プライベートバンキング部門の利益も悪化した。
  大西洋を挟んで明暗を分けている米国と欧州の投資銀行。欧州勢の事業再編に対する評価も低下気味だ。調査会社クレジットサイツのアナリスト、サイモン・アダムソン氏は、クレディ・スイスを例に挙げ、「顧客別の事業分割や特定商品への資源集中を、革命的な戦略と言うことはできない」と指摘する。
 欧州勢のM&A
 4年前、業界の勢力図は全く異なっていた。欧州勢の間では、業界トップの座を目指した数十万ドル規模のM&Aが相次いでいた。
 クレディ・スイスは2000年、ドナルドソン・ラフキン・アンド・ジェンレットを130億ドルで買収。UBSも同じ年、ペイン・ウェバーを約160億ドルで買収した。1999年にはドイツ銀行がバンカース・トラストを90億ドルで買収している。独ドレスナー銀行は95年にクライン・オート・ベンソン・グループを10億ポンドで買収。さらに2000年には、ワッサースタイン・ペレラを16億ドルで手に入れた。
 欧州勢にも強みはある。ドイツ銀行は債券トレーディングで世界有数。UBSも株式発行の引き受け業務でランキング上位に位置している。ブルームバーグのデータによると、ロスチャイルドは、今年発表されたM&Aの仲介業務ランキングで世界7位だ。ただ、総合的な投資銀行業務となると、欧州勢にかつての勢いはなく、米国勢に後れを取っているのが現状だ。
 失敗は何か
 欧州勢はなぜ、大規模な投資に対する見返りをほとんど得られなかったのだろう。
 第1の理由には、米銀が抱える国内市場の規模が巨大であることが挙げられる。欧州勢が太刀打ちするのは非常に困難だ。その結果、ゴールドマン・サックスなど米国勢の多くは、大規模なM&Aをすることなく世界の主要プレーヤーの座を維持することができる。これに対して、欧州勢は海外事業の拡大やM&Aによる規模の拡大を強いられる。経営戦略のなかでM&Aほど難しい選択はない。国際的なM&Aとなればその難しさは倍増する。
 第2の理由は、ニューヨークが国際金融業界の拠点である点だ。欧州の金融センターはロンドンのシティーだが、ウインブルドン同様今やここは米国の拠点も同然だ。このため米銀は、常に本拠地での勝負が可能。欧州勢は常にアウエーでのゲームを戦わなければならない。
  ただ、欧州勢が再び盛り返す可能性を完全に否定するのは間違いだ。30年前は、欧州勢に飛行機作りの未来はないという見方が優勢だったかもしれないが、現在はシェア争いに苦戦しているのは欧州エアバスよりも米ボーイングの方だ。
 それでも現在の投資銀行業界を見る限り、米国勢が優勢なことに揺るぎはない。この勢力図に変化が出るまでには数年を要するかもしれない。

【12月23日、木】天皇誕生日

【12月23日、木】
◎――― 天皇誕生日(EMPEROR'S BIRTHDAY)で祝日
<海外>
○米 11月の個人所得 予想 前月比+0.3%
○米  11月個人支出 予想 前月比+0.2%  
◎米 11月の耐久財受注 予想 前月比+0.5%
○米 先週の失業保険新規申請件数 予想 34.2万件
◎米 12月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報) 予想 95.7
○米 11月の新築住宅販売件数 予想 120.7万件
○米 短縮取引(株式、債券、CME、CBOT)
○英 7-9月のGDP

明日はお休みです。皆さんは何か計画ありますか?

IT・食うか食われるか--互いにつぶし合うアドウェア企業

 無料のダウンロードソフトウェアを利用してウェブユーザーのコンピュータに迷惑なアドウェア(広告ソフト)を組み込んでいる企業同士が、自らのユーザーや利益を守るために、互いにつぶし合いを演じている。
 あるアドウェア企業による別のアドウェア企業への攻撃が注目を集めたのは、シアトルで起こされたある訴訟でのことだ。この訴訟は、西インド諸島に拠点を置くAvenue Mediaと呼ばれる広告会社が先月、ニューヨークを拠点とするDirectRevenueに対して起こした。Avenue MediaはDirectRevenueが競合ソフトを使って、ユーザーのコンピュータにインストールされている自社のInternet Optimizerと呼ばれるプログラムを検出/削除したと非難している。
 Avenue Mediaが 米国時間11月24日に提出した訴状によると、DirectRevenueのソフトはInternet Optimizerを検出し、同プログラムを削除するという。この削除とは、PCレジストリやコンピュータ全体から同プログラムの全てのファイルを削除することを意味する。Avenue Mediaによると、同社はDirectRevenueの戦術により、全ユーザーのほぼ半数に当たるおよそ100万人のユーザーと、1日当たり1万ドルもの売上を失ったという。
 Avenue Mediaの訴訟は、アドウェア、マルウェア、スパイウェアという名称で知られるプログラムに関する最近の意外な展開といえる。これらのプログラムは、PC画面の目立つ場所に広告を表示するよう設計されている。なかには有益なデスクトップ/ウェブ用アプリケーションも存在するが、こうした迷惑ソフトの業界は西部開拓時代さながらの無法状態だ。そこには、真のルールや自主規制など存在しない。
 Avenue Mediaの訴状が受け入れられ、裁判が行われることになれば、ソフトメーカーにユーザーのPCの設定を変更する権利があるのか否かの問題が浮き彫りになる可能性があることから、この訴訟は非常に重要である、と法律の専門家らは指摘する。またこの訴訟をきっかけに、インターネット上にまん延するスパイウェアやマルウェアに対する消費者やプライバシー監視団体の批判の声が一層高まる可能性がある。
 ハーバード大学の研究員Ben Edelmanは「コンピュータが10種類の迷惑プログラムに感染して初めて、ユーザーは何らかの対応策を講じるようだ」と語る。

はじめはexciteでブログを運営していましたがInternet Optimizerの関係でほかに移らざるを得なくなりました。real playerのバージョンアップを無料ダウンロードしたときなのか、smart moneyのmapを表示したときからなのか、googleのツールバーをダウンロードしたときなのかはっきりとした時期は分かりませんが、少し不具合が生じるようになりました。これからIT関連の記事も少しずつアップしていきたいと思います。