以下、元ネタ。



「おい、まだかよ?」
俺は、女房の背中に向かって言った。どうして女という奴は支度に時間が掛かるのだろう。
「もうすぐ済むわ。そんなに急ぐことないでしょ。…ほら翔ちゃん、バタバタしないの!」
確かに女房の言うとおりだが、せっかちは俺の性分だから仕方がない。
今年もあとわずか。世間は慌しさに包まれている。
俺は背広のポケットからタバコを取り出し、火をつけた。

「いきなりでお義父さんとお義母さんビックリしないかしら?」
「なあに、孫の顔を見た途端ニコニコ顔になるさ」
俺は傍らで横になっている息子を眺めて言った。
「お待たせ。いいわよ。…あら?」
「ん、どうした?」
「あなた、ここ、ここ」女房が俺の首元を指差すので、触ってみた。
「あっ、忘れてた」
「あなたったら、せっかちな上にそそっかしいんだから。こっち向いて」

「あなた…愛してるわ」女房は俺の首周りを整えながら、独り言のように言った。
「何だよ、いきなり」
「いいじゃない、夫婦なんだから」
女房は下を向いたままだったが、照れているようだ。
「そうか…、俺も愛してるよ」こんなにはっきり言ったのは何年ぶりだろう。
少し気恥ずかしかったが、気分は悪くない。俺は、女房の手を握った。
「じゃ、行くか」「ええ」


俺は、足下の台を蹴った。


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念願のゲスト出演叶ふ、ということで妻役はニコニコで朗読をされているひなあられさんです。
以前からうまいうまいと思っていて、とうとう声をかけてしまったの巻き。

音源はずいぶん前にいただいていたのですが、もろもろ遅くなってしまいました。申し訳ない。
にしても艶のあるいい演技でございました。編集技術不足でかっちり合わせられないのが残念。

http://www.nicovideo.jp/mylist/12925038
ひなあられさんのマイリストはこちら。

ニコニコに投稿するようになってはや9本の動画をアップしました。
キリがいいので、ってぜんぜん切りはよくないですが、まあそのへんの適当さが自分らしいなと自画自賛です。

アップしてよかったことは、とにかくたくさんの方に聞いてもらえるチャンスが得られたこと。
そしてコメントをつけてもらえるということに尽きます。

本当なら一つひとつにお返事すべきところなんでしょうけど、いろんな意味で難しいので、今後もコンスタントに動画を作ることで代えさせていただきたいです。

が、いくつか返すべき、というか自分で答えを出しておくべきことがいくつかあったので以下返信。


1:プロですか? ナレーターですか?

完全に素人です。しかも趣味です。ひよっこです。
褒めていただくことすら恐縮。けなされるくらいが調度いいのです。
いえ、Mではありません。
そんな風に言ってもらえて素直に嬉しいです。

2:普通の怖い話や長いものも読んでほしい。明るい話も読んでほしい。

現在考え中です。
もともとコピペや怖い話だけを読もうと思っていたわけではなかったのですが、
ホラー系のジャンルはなぜか受けがよくw
反応がもらいやすいのでついつい読んでしまうんですね。
あと動画は短い方が再生数が伸びやすい傾向にあるようです。
などなどいろいろ考えた上で、コピペの怖いやつを集中してやってます。
が、そのうちほかのこともしていくはず・・・。
題材探すのが難しいんですよねー。

3:声のバリエーション

声変えると意外と楽しんでもらえてるようで嬉しい限り。
キャラ分けをある程度したほうがわかりやすいかなーという単純な理由です。
さすがに尽きてきましたが・・・。
できるにはできるけど演技はできない声とか朗読向きじゃない声、しゃべり方も多いです。
やったはいいが、なに言ってるか伝わらないでは意味ないですからね。
あと女声ムリー、ムリなら頼めばいいじゃんってなわけで女性の読み手さんに声を掛けに行こうとして、連絡先ないなあ・・・ってパターンが多いです。

4:字幕がほしい

付けるのが面倒というのも大きいのですが、特にホラー系は極力つけないほうがいいかなという持論。
音だけなので感覚が研ぎ澄まされるんじゃなかなと思ってます。
字幕があるとついつい目で読んでしまいますが、音だけしかないといやでも耳に神経を集中させます。
結果としてより恐怖を感じてもらえるのではないか、ってな感じ。
でも伝わらなければ意味ないので、しっかり読まないといけないということですね。

5:すべてのコメントへ

活力になってます。人に聞いていただけてるんだなと感じると次々作りたくなるタイプなので。
本当にありがとうございます。すべて目を通させていただいております。




以下、元ネタ。

「地球のみなさま、こんにちは。
驚かれるのも無理はありません。
私は今地球のみなさまに向けて直接、
頭の中に話しかけております。
申し遅れましたが私は神の下で働いている者でございます。
さて、今度私がみなさまに直接話しかけることとなりましたのは
他でもありません。みなさまに重大なお知らせがございます
今度地球は誕生から、宇宙時間の一周期に達しました。
そこで、これをお祝いいたしまして、神が一つだけ願い事を叶えて下さることになりました。
くわしく説明させていただきますと、みなさまにはそれぞれ一週間以内に願い事を決めて頂きます。
そうしましたら一週間後に神に向かって自分の願い事を一つだけ念じて下さい。
それを私共が集計いたしまして、一番多かった願い事を一つ神が叶えることになっております。
ではよろしくお願いします。」

ある日突然届けられたメッセージ。
一番多い願いを一つだけ叶えてくれるらしい。
とたんに世界は大混乱に陥った。
「今地球に足りないのは資源だ。それを戴こう!」
「いや平和が一番だ。核兵器をなくせ!」
「そんなことより金だ、一生暮らせる金をくれ!」
騒ぎをしずめ、願いを一つにまとめるため、
A国の大統領を中心に国際会議が招集されるが、
各国の利害が対立し混乱を増すばかり。このままではいけない。
そこで、大統領は世界のためにある決断をした。
それは、みんなが願うことをやめようという呼びかけだった。

「みんなが勝手に願おうとするから、世界は混乱するんだ。
ならばいっそのこと、願いなんてないほうがいい。」

初めて世界が一つになろうとしていた。
そして、いよいよ願いを叶える日。
みんなは緊張した面持ちで神に願った。
「みなさん、こんにちは。
私は先日ごあいさつさせて頂いた神の使いでございます。
さて、先ほど集計が終わりまして、
神が叶えて下さる願いが決定いたしました。
私共としましては色々な願いがあるだろうと思ったのですが、
意外にまとまっておりました。
いえ、これは余談です。それでは・・・」


人間は地球上から消滅した。

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今回は1回聞いたくらいではわからないかもしれませぬ。
推理力を働かせてもらえれば・・・。

しかし今回は特に朗読じゃないなw
追加要素の部分のせいで完全にボイスドラマ化しました。ほんとうにありがとう(ry