スケーリーフットという名前の貝をご存知だろうか？
鉄のウロコをまとった世界唯一とされる巻貝で、その容姿は写真の通りだ。
ご覧のように、通常ならヌメッとしているはずの貝から出ている部分が、クサビ形のウロコで覆われている。このウロコは硫化鉄と呼ばれる金属で出来ており、磁石にも反応するそうだ。
ちなみに一部新聞の記事には、このウロコは敵から身を守るために出来たと説明されているが、採取された海域がインド洋の深海であることから、海底火山の影響を受けてこのような姿になったものと考えるのが自然だと思われる。
インド洋には多くの海底火山が存在し、その海底には緻密な硫化物鉱石を主とする鉱床が存在する。
これらの事を考慮すると、この貝自体は、生まれた時は普通の貝であると考えられる。そして、生息域の環境が火山帯域である事、生体的に硫化物の堆積や析出が生じやすい事などから、成長と共にこのような姿に変わっていったのではないだろうか？
ちなみにこの珍しいスケーリーフット、１１月３０日から、神奈川県横須賀市の、新江ノ島水族館で展示されているそうだ。