近鉄名古屋線撮影記2015年版

 

 

 

 中部地方の中心部、名古屋から伊勢志摩・関西方面と日本の私鉄電車で最長の鉄路を誇る近鉄名古屋線に2015年に行ってきた時 の記録です。

 

 近鉄を代表する幹線として、多種多様な列車が行き交います。

 

 近鉄と言えばやはり王者、近鉄特急は欠かせません。

 

 伊勢志摩観光、名古屋ー大阪の名阪のビジネス需要を支える近鉄特急は数多くの特急が乗り入れております。

 

 画像は伊勢志摩方面に向かう観光特急である「伊勢志摩ライナー」20000系電車です。

 

 近鉄の特急は非常に乗り心地が良く、長時間の乗車でも快適な移動を楽しめます。

 

 

 

 近鉄には「伊勢志摩ライナー」以外にもレギュラー特急も多数運行しており、22600系電車「Ace(エース)」と併結している22000系「ACE(エーシーイー)」です。

 

 近鉄のレギュラー特急最大の特徴は、違う形式同士を繋げて運用するという、他の鉄道会社でもない変わった運用をしています。

 

 関東私鉄の有料特急では違う形式同士とつなげるということはなく、ほとんどが固定編成の電車が主流です。

 

 しかし近鉄では古い40年前の特急と新しい特急電車を連結して運用するというかなり珍しい運用をしており、趣味的にも飽きさせません。

 

 「Ace」と「ACE」は、他の特急車両との連結を想定した設計になっており、柔軟な編成組み換えにも対応しております。

 

 

 近鉄は特急以外にも急行列車なども充実しております。

 

 一方で普通列車などではワンマン運転を実施しており、短い2両・3両などで運用されています。

 

 名古屋線に所属する電車はお手洗い付きの電車が主力で、長時間の乗車にも耐えられる設計になっております。

 

 画像の電車は5200系・5209系・5211系シリーズで、大阪線・名古屋線の長距離急行用車両で、転換クロスシート付きの豪華な車両です。

 

 近鉄系の近畿車両が設計を担当し、この車両の設計が後に関西を代表するあの「新快速」の設計にも生かされたとか。

 

 近鉄は形式が細かく、5209系という形式の付与の仕方が独特です。

 

 

 

 近鉄では平成生まれの電車だけでなく、40年前の電車が第一線で活躍しております。

 

 この2610系は名古屋線・大阪線の急行電車の主力として活躍中です。

 

 なお、名古屋線所属の電車はL/Cカーと呼ばれ、横並びのロングシートと座席が進行方向向きのクロスシートのどちらかに切り替えられる車両になっております。

 

 このL/Cカーの設計思想は最近の関東有料ライナー列車などでも導入されるようになりました。

 

 実は近鉄は私鉄で初めてL/Cカーを導入した会社で、特別料金不要で乗車できるのは頼もしいところです。

 

 

 

 近鉄では古い電車が第一線で活躍しており、画像の1010系電車も40年前製造の旧型電車です。

 

 実はつりかけ駆動という戦前より前、戦後まで採用していた古い動力方式の電車でした。

 

 つりかけ駆動の電車の足回りを再利用し、車体を新しく造り替え、920系として京都方面で運用されていました。

 

 その後、冷房が取り付けられ、足回りもつりかけ駆動から特急「ビスタカー」の最初期の電車の物に変更され、性能が向上し、今の1010系に至ります。

 

 最初期の「ビスタカー二世」は2024年現在では50年前の製造ということで、まだ第一線で活躍している1010系の基本性能の高さが伺えます。

 

 1010系自体もまだほとんどの編成が第一線で活躍しており、物持ちのよさそうな電車です。

 

 

 

 名古屋駅の手前、米野駅に来ました。

 

 名古屋線では唯一の5800系電車です。

 

 こちらもL/Cカーで、別線区で運用されている5800系の一部は阪神電車などにも乗り入れております。

 

 名古屋線ではたった1形式のレア車両です。

 

 名古屋線は、この車両の導入以降、通勤型電車の直接的な新車導入が10年以上続いており、多くが他線区からの転属車か、名古屋線生え抜きの車両で占められています。

 

 

 

 米野駅には車庫があり、特急型車両が停泊しています。

 

 画像の電車は2020年代に引退した12200系で関西私鉄で最も人気の高い車両でした。

 

 柔軟な運用性と安定した性能の傑作車両で、パンタグラフの碍子が独特の設計で趣味的にも心が惹かれる車両です。

 

 私もこの電車に乗りましたが、非常に乗り心地がよく、長時間乗っていても気分が悪くなるとかもなく、大変きれいで整備も行き届いていました。

 

 なお、一部車両は奈良方面の観光特急「あをによし」に転用されました。

 

 

 12200系は、80000系「ひのとり」に置き換えられました。

 

 近くには「Ace」・「ACE」・さらには「サニーカー」の3種併結編成を組んでいました。

 

 古い特急も新しい特急も、まさにロマンの塊で、魅力の多い車両です。

 

 

 近鉄を代表する名阪特急「アーバンライナー」のうち「アーバンライナーnext」の21020系電車です。

 

 僅か2編成しかいない少数派で、床下からの音が独特で、鉄道ファンからも人気の高い車両です。

 

 米野で特急運用に備え、準備しているようでした。

 

 

 

 おまけの写真でこちらは2022年に訪問した時に撮影した写真、80000系「ひのとり」です。

 

 デザイン・色・性能、どれをとってもトップクラスのかっこ良さで、側面のマークがものすごくかっこいいです。

 

 最近の近鉄特急は最高峰の車両を生み出しており、ビスタカーの伝統と革新的な設計がうまく調和できた車両が多く輩出されています。

 

 ちなみにこの「ひのとり」は終点駅では「プレミアムシート」の車内照明が青色に変わり、乗っていてもかっこ良さがある、まさに最高傑作の特急です。

 

 

 個性的な車両の多い近鉄電車、また乗りに行きたいです。