お正月休みといえば、箱根駅伝ですね。

なので、2006年発刊の三浦しをんの青春スポーツ小説「風が強く吹いている」です。
立ち上げたばかりの弱小駅伝部が、箱根駅伝を目指す話です。




入学して間もない寛政大学1年の蔵原走(通称・カケル)は、金に困り万引きをして逃げてる途中、同大学の4年生の清瀬灰二(通称・ハイジ)に捕まる。
住むところに困っていたカケルは、ハイジの誘いで元陸上部の寮であった竹青荘に住むことになる。
ハイジは、竹青荘の管理を任されていて、竹青荘の住人の食事の世話などもしていた。
だが、カケルが竹青荘に入居すると、ハイジはとんでもない計画を発表する。
それは、竹青荘のメンバーで箱根駅伝を目指すということ。
竹青荘の住人達も皆、ハイジの計画を知らなかったらしく、箱根駅伝を目指すと聞き驚き反対するが、皆ハイジに世話になった経緯があるので結局は断りきれない。

カケルは、高校陸上では実力ナンバーワンの天才ランナーであったが、暴力事件を起こし将来を棒に降っていた。
ハイジもまた、日本の陸上界期待のランナーであったが、高校時代にケガにより挫折していた。

だが竹青荘の住人達は、普通ならとても箱根駅伝を目指せると思えるようなメンバーではなかった。

高校時代は平凡な陸上選手で、現在は自堕落なヘビースモーカー。3年生だが2回留年しているため最年長の平田彰宏(通称・ニコチャン)。

運動と人付き合いが苦手。知識豊富なクイズマニアだが、小心者の為クイズ番組に挑戦出来ない。クイズ王を夢見る4年生、坂口洋平(通称・キング)。

人口の少ない地方出身のため、子供の頃は山道を遠い学校まで徒歩で通学。地元では何でも一番で神童と呼ばれていたが陸上は未経験。3年生の杉山高志(通称・神童)。

高校時代はサッカー部に所属し運動は好きだが陸上経験無し。明るく人懐っこい性格の双子の1年生、城太郎と城次郎(通称・ジョータとジョージ)。

流暢な日本語を喋る黒人留学生。陸上どころかスポーツの経験が無く、「黒人の足が速いと思うのは偏見です」と訴える2年生のムサ・カマラ(通称・ムサ)。

司法試験に合格している秀才。高校時代は剣道部だったが、現在は将来のため勉強が優先。真面目で硬い性格の4年生、岩倉雪彦(通称・ユキ)。

漫画オタクで漫画研究会に所属。端正な顔立ちで見た目は何でもこなしそうだが、運動は苦手というか嫌い。2年生の柏崎茜(通称・王子)。

基礎体力は有りそうなメンバーはいるが、箱根駅伝を目指せるかは疑問。
箱根駅伝走者人数であるちょうど10人で、補欠もいない。
メンバー達は、仕方なくハイジに合わせるだけで、箱根駅伝出場は無理だと思っていた。
しかし、竹青荘に住むメンバーは、ハイジがもともと個性を伸ばせばなんとかなると見込み住まわせていて、しかもハイジが食事などの生活管理をしていた為、これから鍛える準備は整えられていた。

ハイジのスパルタ特訓が始まり、メンバーは互いにぶつかり合いながらも助け合い成長していく。
そして、本気で箱根駅伝を目指すようになる。


2007年に漫画化され、ヤングジャンプに掲載されました。
2009年には、小出恵介主演で映画化もされています。


今年の箱根駅伝、往路は3年連続で青山学院大学が優勝しましたね。
ですが、僅か33秒差で2位となった早稲田大学は復路での巻き返しを狙い、3位の順天堂大学も復路に良い選手を残しているようですね。