相山慈先生プロフィール1973年島根県生まれ
社会福祉法人花の村あさり保育園園長
①現在の取り組みへの思いとは?「人生の基礎づくりのお手伝い」という理念のもと、ひとりを大切にする保育をどう実践していくかを追求し続ける毎日です。この「ひとりを大切に」は言葉で言うのは割と簡単なんですが、実践となるとなかなか難しいんです。私たちがものを見たり考えたりするとき、無意識のうちに年齢や性別などの先入観が邪魔してきます。でもその先入観を取り払って子どもたちに目を向けたとき、本当に様々な個性や力を持っていることに気づかされるんですよね。私たちの役割は、そうした個性や力を認め、そして引き出してあげることなんだと考えています。そしてその個性をぶつけ合いながら子ども同士が自発的に活動することを通して、個々がそれぞれに違っていることを認め合い、その違いを集団の中で生かし協力し合える、そんな人になってもらいたいという思いで保育を行っています。
②今に至るルーツ保育園がどんなところなのか、何をするところなのか、そんなことすら分からないまま今の環境に飛び込んできました。当然分からないことだらけで迷ってばかりでしたが、そんな自分が保育に対して揺るがない軸を持つことができるようになったのは、(勝手に)師と仰いでいる方との出会いがあったからです。2005年にその方のお話を聞いて強い衝撃を受け、そこからは文字通り“保育一筋”で突っ走ってきたつもりです。人格的にも尊敬できる人物に出会えたこと、ロールモデルを持てたことは、自分にとって非常に大きなことでした。
③これからの夢や目標保育ってすごく奥が深いんです。これが正解なんてものは当然ないし、どこまで考えても終わりはない。だから楽しいんですけどね。そんな保育をもっともっと深めていきたいと思っています。そして、島根県の(地域の)特色を生かした、きちんとした子どもの発達観を基にした保育を創っていき、それを外に発信していけるくらいの実践をしていくことが目標です。
④大切にしている言葉(座右の銘)は?「バランス」という言葉ですね。例えば親子の関係でも仕事と子育ての両立を!なんてことがスローガンに掲げられたりするけど、今日中に終わらせないといけない仕事があって、そんなときに子どもが高熱を出したりすることはよくあります。そんな時に両立なんて無理ですよね。体は1つしかないし、時間も1日24時間しかない。そんな中では両立ではなくバランス(調和)を目指した方がいいと思っています。今すべきことの優先順位をつけてうまくバランスをとることが、子育てでも仕事でも、生きていく上でも大事なことだと思っています。何事もバランスが大事です。