実は更新作業をしていて思う事。
それはリンクってはたして必要なのだろうかということです。
いや、あると便利だと思うのでつけているのですが、果たしてどうなのだろうかと。
是非読んでいる人のご意見が聞きたいです。
やっぱり「次へ」は必要ですか?
あ、今回の話しで一部グロテスクな展開がありますので気を付けてください。
では、更新します。
実はこのページから見ちゃったんだよって人がいたらここから先は小説の続きです。
初めから読んでみたいっていう人はこちらからお願いします。
では、更新します。
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~ゴブリンロード討伐戦~
勢いよく落下。
「大丈夫なの?」
ティセが俺を見てそう言ってきた。大ヒールをこっそり自分にかける。
「大丈夫だ、問題ない」
いや、結構痛かったけれど、もう回復した。というか、結構近くにゴブリンの軍勢が迫ってきている。とりあえず、戦線を維持しなくては。
「金剛盾」
俺は道路の両脇に金剛盾を発生させて前方からしかゴブリンが来られないようにする。
「フライ」
ゴブリン軍が空を飛んできただと。それ卑怯だろう。上空から攻撃が来る。
「風の精霊の加護」
「風神盾」
まず、上空に風神盾を発生させる。だが、すべてを防ぎきれるわけじゃない。俺たちに風の精霊の加護を発生させる。
「どうしたらいい?」
「どうしたらいいのにゃ?」
ティセもミーニャも俺を見ている。戦略を立てないといけない。相手は50体のゴブリン。だが、空から弓矢と魔法攻撃をしてくる。仕方が無い。
「金剛盾」
俺は前後の道にも金剛盾を発生させた。さらに俺たちの周囲5メートル前後にも金剛盾を発生させる。これで注意すべきは上空だけだ。
「ミーニャはバジリスクの召喚準備を。次に上空が晴れたらバジリスクの召喚だ。ティセ、上空が晴れたらアイスバレットを撃ってくれ。数が多ければ多いだけいい。命中力は二の次だ」
「わかったわ」「わかったにゃ」
注意すべき点を一か所にする。多方面を守りながら攻めるのは無理だ。
「アシッドミスト」
上空に酸性の霧を発生させた。この霧に触れると強酸に触れて肌が焼け焦げる。ゴブリンにも倒すまでにはいかないがダメージが行く。しかも長くその霧の中に居れば居るほどダメージは蓄積していく。
「ウインドストーム」
風でアシッドミストを吹き飛ばされる。セオリー通りの戦術だ。だからこそ相手しやすい。
「ミーニャ。今だ」
「お願い来て。バジリスク。そして、石化光線!!」
バジリスクの石化光線が上空に放たれる。相手も想定していたのかミラーで反射をしてくる。
「それも想定内さ。ティセ、あのミラーを破壊してくれ」
「わかったわ」
そう、ミラーという魔法は魔法の鏡を出現させる。だが、その鏡は物理攻撃で壊すことができる。念のため乱射する石化光線を防ぐためにティセがアイスバレットを放った後俺たちの頭上すぐにミラーを出現させる。
上空のゴブリンは石化されていく。石化光線の乱反射はこちらには来なかった。
「ミーニャ、ソードスラッシュを石化したゴブリンに放ってくれ」
「わかったにゃ。ソードスラッシュにゃ」
ミーニャの放ったソードスラッシュで石化したゴブリンが破壊されていく。それを見て俺は「瞬炎」をすぐさま放つ。上空は落ち着いたがすぐに異変に気が付く。金剛盾が破られていく。ものすごい音がする。
「来るぞ。ゴブリンロードだ」
後少しでゴブリンロードとゴブリンがやってくる。
「どうするの?」
「さっきと戦術はあまり変わらない。最後の一枚の金剛盾になったら俺がわざとその金剛盾を喪失させる。その瞬間にバジリスク召喚だ」
だが、ミーニャはかなり疲労しているのがわかる。エキストラスキル「ユグドラシルシード」を発動させた。HP、MPが全回復した。
「ミーニャできるか?」
「なんとかするにゃ」
HPとMPが回復しても精神力は回復しない。
「辛いと思うが、この戦略はミーニャのバジリスクが重要なんだ。頼りにしている」
そうミーニャに言ったらミーニャの目が星のように輝いた。
「アデルに頼られたのにゃ。しかも、使い勝手の悪いと思っていたバジリスクがこんなに活躍できるなんてやっぱりアデルはすごいのにゃ。アデル。絶対に大丈夫だからにゃ」
そのミーニャを見てティセがほっぺたを膨らませる。俺はティセに近づいてこう言った。
「ミーニャのレベルが低いからレベル上げでもあるんだ。仲間は強い方がいいだろう」
まあ、俺から見たらティセもミーニャもあまりレベル差はないんだけれどね。
「そうよね。経験を積ませてあげるのも先人の務めよね」
いや、ティセさん。あなたそう言えるほど強くないですからね。
「それに、ティセにはお願いがある。バジリスクの石化光線で全員が石化するわけじゃない。けれど、復活されるのも困る」
「わかっているわ。アイスバレットで石化したゴブリンを砕けたばいいのね。まっかせてよね」
ティセはアイスロッドを頭上にあげて振り回している。いや、アイスロッドを使えばあれが出来る。
「いや、その必要はない。俺と手をつないでくれ」
そう言ったら。「ひゃえ?」と言う変な声をティセが言い出した。
「何よ、こんな戦いの最中に。まあ、アデルがどうしてもって言うなら手をつないであげてもいいわよ」
そう言って手を差し出してきた。一人では使えない魔法。そして、このアイスロッドがないと発動すらいまだにできない魔法。俺は手をつなぎもう片方の手でティセと一緒にアイスロッドをつかむ。
「あのイーフリート城に放った魔法をここで使う。この魔法はティセと二人じゃないと発動できない。最強の魔法だ」
最強でもないけれど、この魔法だとティセにも経験値が行く。
「そうなのね。アデルにはやっぱり私がいないとダメなのね。見てらっしゃい。派手にぶっ放してやるから」
いや、魔法自体は結構派手でもないんですけれどね。ガンガンと金剛盾が破壊される音がする。後2枚だ。
「そろそろだ、準備はいいか?」
「OKだにゃ」「OKよ」
二人の声を受けて俺は直前の金剛盾を喪失させた。
「今だ!」
「わかったにゃ。お願い来て。バジリスク。そして石化光線!」
これは想定できなかったはず。念のため俺たちのすぐ前にミラーを発動させている。
不意に消えた盾に焦り、そして、石化されていくゴブリン。ゴブリンロードはそのまま動いている。予想通りだ。そして少し離れたところにゴブリンメイジかゴブリン魔法師かがいる。
「ティセ、行くぞ」
すでに両手に魔力を込めて循環させている。後はこの魔力を放つだけ。
「氷結牢獄」
氷結牢獄の中に閉じ込められたものはすべて、強烈な冷気に分子活動を停止させられ、迫りくる氷の壁にすべてが押しつぶされる。そして、範囲は俺たちから前方1キロを指定している。
徐々に立方体が縮まっていく。だが、これは勝利条件ではない。このゴブリンロードに力を注いでいた相手を探さないといけない。細い、けれどゆらぎのような魔力を感じた。手にアイスロッドがある。そのままアイスロッドを天に向ける。
「アイスランス」
上空にアイスランスを放ち、そのゆらぎのような場所めがけて放つ。だが、すぐによけられたのがわかった。
「何?何?まだ敵がいるの?」
「勝ったんじゃないのかにゃ?」
ティセとミーニャが俺の行動を不思議がっている。
「いや、まだだ。今回の黒幕がいる。それを倒してミーニャを家族のもとに無事に送り、最後にアイツを倒す。それが今回のミッションだ」
そう言ったら後ろから拍手が聞こえた。人の気配なんかなかったはずだ。だが、振り向くと金剛盾の上に人が立っている。しかも二人だ。
一人はジグル老子、もう一人はエルダーリッチだ。
「おやおや、アイスランスを変なところに放ったかと思いきや、意外とバカじゃないみたいだのう」
そう言ってにやりと笑っている。
「お前が黒幕だったのか?」
「さて、何のことやら。儂にはさっぱりわからんのう。だが、この地をこれだけ荒らされてはかなわん。この地は大事な土地なんじゃからな」
感情のこもっていない話し方だ。それが余計に怖かった。そして、ジグル老子が手をパンとたたくと金剛盾が一瞬で消えた。そして、周りの草木が一気に復活した。ナパームボムで焼失したはずの森がだ。
「おや、驚くほどでもなかろう」
振り返るとそこには倒したはずのゴブリン軍も復活している。これは時空魔法だ。時間を巻き戻す魔法。
「まあ、せっかく儂が出て来てやったのだ。ちょっと面白そうなものも見られたので、ちょいと試してみるかな」
そう言って黒いまがまがしい杖を俺に向けた。その口からあり得ない言葉が発せられる。
「永久牢獄」
瞬間に俺の身体が拘束される。何をしても動かない。これはエキストラスキルだぞ。そんな簡単に習得できる魔法じゃない。
「ふむ、永久牢獄といいながら拘束時間があるとは。名前負けの魔法よな。だが、これでお前は見ているだけしかできない。そこで自分の無力を知るがいい」
そう動けない俺の前でゴブリンたちはティセとミーニャを攻撃しだした。ゴブリンロードの一撃はティセの足をくだき、ミーニャを弾き飛ばして気絶させた。
「どうやらこのゴブリンどもは食べるものがなくて飢えていたみたいだのう。だから餌となる人間を見て大勢が押し寄せたみたいだ。麻痺」
そう言って、ティセとミーニャに麻痺をかける。そして、ゴブリンが二人に詰め寄る。やめろ。やめてくれ。体の動かない俺の前でティセとミーニャが火にあぶられ手足から喰われていく。
「ほう、ゴブリンは焼けた肉を食べると知ってはいたが、表面だけを焼いて食べるのか。ならばまだ絶命はしておらぬようだな。この娘どもは」
泣き叫び体を焼かれ、太ももを削られ、刃物で砕き食べられていく。
ゆっくりとしたその行動にティセもミーニャも泣きわめいている。
涙している。
二人とも俺を見ている。この拘束が解ければ、すぐにでも回復をさせてやる。だが、おかしい。なぜ永久牢獄が解けないのだ。
「なるほど、永久牢獄が解ける前に新たに永久牢獄をかけ直せばいいのか。これは勉強になる。面白い魔法だ。お前のようなきれいな魂の持ち主が汚れ、悪に染まる。その瞬間に発せられるダークマターもまた儂が求めているものだ」
ふざけるな。俺は意識を集中させた。指が少し動いた。それだけで十分だ。この永久牢獄は魔力の紐のようなもので空間をしばっている。それをほどけばいい。少しでいい。触れさえすれば何とかなる。俺はもどかしい思いで指を動かす。
触れた。白い魔力の紐のようなものに。後はこれを引っ張るだけ。そう、思った瞬間に後ろから切られた。
「ジグル老子。そろそろ辞めませんか」
振り返るとそこにはウリクルがいた。この攻撃はそう「次元断」だ。
「まあ、今回は面白い魔法とスキルも見られたことだしな。それにしても若いというのは色んな想像ができるものだ」
俺が魔法を見せたからその魔法を習得しただと。だが、俺はまだ生きている。自らに「ヒール」をかける。だが、回復するより先にゴブリンロードの大きな刃が俺に落ちてくる。
そう、俺は死んだ。勝てなかったのだ。
うぁぁぁぁ。
何か変な声が聞こえた。讃美歌か?違う。もっと忌々しい何かに感じる。そう思ったら光が見えた。
「元気な男の子ですね」
そう言った人の顔を見てびっくりした。
生まれ育った町にいた産婆。ラウ婆だ。だが、少し若い。そして目の前にまだ生きている父親がいた。そして俺の下には母親が。
俺は、転生したのだ。