つい最近まで、風邪は流行っていてもインフルエンザは鳴りを潜めていました。
いつもなら怒涛のインフル外来のはずなのに、不思議だなと思っていました。
おそらくは年末から年始にかけて、暖かかったのが原因でしょう。
ところが!!!
ここ数日で爆発的に流行り始めています!
急に寒くなってきたからですね、きっと。
しかも不思議なことに、A型とB型が同時に来てるんです。
異様です…。
とにかくみなさん、気を付けましょう。
どう気を付ければいいのか。
ちょっとポイントをお話します。
まず予防接種。
えーっと、今からではちと遅いかもですね…。
でもやらないよりましです。
予防接種には、インフルエンザにかからないようにする効果はありません。
がっつり予防をしても、インフルの人と濃厚接触してウイルスが確実に体内に入れば、そりゃ感染します。
でも、接種しないよりも軽くて済みます。
よほど軽く済めば、「かかっていない状態」になるでしょう。
複数回接種すれば、その効果も高まります。
子供は免疫がつきにくいので2回接種ですが、大人でも2回やればより効果的です。
それから、やるなら家族みんなでやりましょう。
受験生だから、ばっちり2回接種しました!
あ、でも親は忙しくてやってません。
弟も痛いのが嫌でやってません。
うーん・・・
アウトです!
同じ環境にいるひと全員で予防をしないと、ほとんど意味がありません。
逆に全員やれば、相乗効果が生まれます。
それがワクチンってものです。
インフルエンザの薬について。
現在、タミフルという内服薬、リレンザという5日間の吸入薬、イナビルという1回だけの吸入薬、ラピアクタという点滴薬があります。
効果は、どれもこれも同じです。
タミフルでは効かないウイルスが増えてきているというのも事実です。
インフルエンザは、薬を使わなければだめなのか。
答えは NO です。
放っておいても治ります。
風邪と同じですね。
これらの抗ウイルス薬というのは、インフルエンザウイルスをやっつける薬ではなくて、増殖するのを防ぐ薬なんです。
いったん増えてしまったウイルスは、人間に備わっている免疫でやっつけられます。
リンパ球とか免疫グロブリンってやつが頑張って退治してくれます。
どっちみち人間の免疫でやっつけるわけですが、それならウイルスが少ないほうがいいですよね。
なのでインフルエンザの薬が「効く」わけです。
インフルエンザウイルスの増殖は、秒単位で倍増していきます。
なので、発症早期であればあるほど効果的です。
結果的に治るまでの期間は1~3日くらいは縮まるようです。
薬に関しては耐性ウイルスができるとか、副作用があるとかで、否定派の人たちも多いですね。
ただ、私はインフルエンザになったら使います。
家族にも迷わず使います。
なので、患者さんにも勧めます。
検査について。
インフルエンザが疑われたら、迅速検査というのをします。
細い棒を鼻の奥につっこんでやる、あの痛いやつですね。
検査にかけると、早い人はあっという間に「陽性」と判定されます。
逆に、10分くらい経ってようやく「陽性」と薄くかすかにあらわれる人もいます。
どうしてこんなに違うのか。
それは、ウイルスの量によるからです。
感染したばかりでまだ熱があがってからそれほど時間が経っていないと、まだ体内のウイルス量も少ないです。
検査にひっかからないのはそのためです。
いわゆる「偽陰性」というものです。
ただ最近、富士フイルムの機械で、超早期でも陽性判定ができるものができました。
微量のウイルスに、でっかい目印をつけてそれを検知するみたいです。
また、どんな検査にも「検査前確率」というものがあります。
つまり、検査をする前にその医者がどれくらいの確率でその病気にかかっていそうか、ということを想像するものです。
ちょっと難しい話になります。
99%の正確さで判定できる検査でも、検査前確率がほぼゼロであれば、
99% x ほぼゼロ = ほぼゼロ
で、結局その病気ではないと判定します。
だったらはじめから検査するなという話ですね。
例えば、
真夏に熱が出て、インフルエンザの検査をして(通常そんなことしませんが)陽性とでても、インフルエンザの診断にはなりません。
一方で、
子供がインフルエンザにかかっていて夫も今日インフルエンザと診断されて、私も微熱が出始めて節々が痛いんです。
この場合は検査前確率がほぼ100%でしょう。
なので検査をして「陰性」とでても、状況的にインフルエンザと診断します。
さらに、
両親もおばあちゃんも、妹もみんなインフルエンザになりました。
私はまだ元気ですけど、日々インフルエンザの脅威にさらされています。
しかも私、受験生なんです!!
こんなときは、抗ウイルス薬の予防投与をしてあげてもいいかもしれませんね。
これは保険が効かず、「自費」となりますが。
マスクについて。
そもそもマスクは感染予防に意味はあるのでしょうか。
結論。ちょっとはあるかもしれません。
とくに、すぐに手を口とか鼻に持ってきてしまう人なんかは、効果的かもです。
そもそも感染は、手についたウイルスがなんかの拍子に体内に入りこんでしまうことにより起こります。
子供が目の前で大きなくしゃみをして、なんて場合にはダイレクトに入ってきますが。
マスクをしていれば、ウイルスのついた手を口にもってきても大丈夫なのかなと思います。
その程度です。
大事なことは、風邪やインフルエンザに「かかっている人」は、絶対にマスクをして!ということです。
そして、みんな、手をよく洗いましょう。
最後にかかってしまった場合、学校や会社は?
学校の場合は、決まってますね。
発熱してから5日間経過し、かつ、解熱後48時間経過している必要があります。
熱があっという間に下がってしまっても、5日間経過していないと出席できません。
会社の場合は?
「おたふく」のときにも書きましたが、ケースバイケースですね。
ということで、みなさん、がんばってこの時期を乗り切りましょう~!
いつもなら怒涛のインフル外来のはずなのに、不思議だなと思っていました。
おそらくは年末から年始にかけて、暖かかったのが原因でしょう。
ところが!!!
ここ数日で爆発的に流行り始めています!
急に寒くなってきたからですね、きっと。
しかも不思議なことに、A型とB型が同時に来てるんです。
異様です…。
とにかくみなさん、気を付けましょう。
どう気を付ければいいのか。
ちょっとポイントをお話します。
まず予防接種。
えーっと、今からではちと遅いかもですね…。
でもやらないよりましです。
予防接種には、インフルエンザにかからないようにする効果はありません。
がっつり予防をしても、インフルの人と濃厚接触してウイルスが確実に体内に入れば、そりゃ感染します。
でも、接種しないよりも軽くて済みます。
よほど軽く済めば、「かかっていない状態」になるでしょう。
複数回接種すれば、その効果も高まります。
子供は免疫がつきにくいので2回接種ですが、大人でも2回やればより効果的です。
それから、やるなら家族みんなでやりましょう。
受験生だから、ばっちり2回接種しました!
あ、でも親は忙しくてやってません。
弟も痛いのが嫌でやってません。
うーん・・・
アウトです!
同じ環境にいるひと全員で予防をしないと、ほとんど意味がありません。
逆に全員やれば、相乗効果が生まれます。
それがワクチンってものです。
インフルエンザの薬について。
現在、タミフルという内服薬、リレンザという5日間の吸入薬、イナビルという1回だけの吸入薬、ラピアクタという点滴薬があります。
効果は、どれもこれも同じです。
タミフルでは効かないウイルスが増えてきているというのも事実です。
インフルエンザは、薬を使わなければだめなのか。
答えは NO です。
放っておいても治ります。
風邪と同じですね。
これらの抗ウイルス薬というのは、インフルエンザウイルスをやっつける薬ではなくて、増殖するのを防ぐ薬なんです。
いったん増えてしまったウイルスは、人間に備わっている免疫でやっつけられます。
リンパ球とか免疫グロブリンってやつが頑張って退治してくれます。
どっちみち人間の免疫でやっつけるわけですが、それならウイルスが少ないほうがいいですよね。
なのでインフルエンザの薬が「効く」わけです。
インフルエンザウイルスの増殖は、秒単位で倍増していきます。
なので、発症早期であればあるほど効果的です。
結果的に治るまでの期間は1~3日くらいは縮まるようです。
薬に関しては耐性ウイルスができるとか、副作用があるとかで、否定派の人たちも多いですね。
ただ、私はインフルエンザになったら使います。
家族にも迷わず使います。
なので、患者さんにも勧めます。
検査について。
インフルエンザが疑われたら、迅速検査というのをします。
細い棒を鼻の奥につっこんでやる、あの痛いやつですね。
検査にかけると、早い人はあっという間に「陽性」と判定されます。
逆に、10分くらい経ってようやく「陽性」と薄くかすかにあらわれる人もいます。
どうしてこんなに違うのか。
それは、ウイルスの量によるからです。
感染したばかりでまだ熱があがってからそれほど時間が経っていないと、まだ体内のウイルス量も少ないです。
検査にひっかからないのはそのためです。
いわゆる「偽陰性」というものです。
ただ最近、富士フイルムの機械で、超早期でも陽性判定ができるものができました。
微量のウイルスに、でっかい目印をつけてそれを検知するみたいです。
また、どんな検査にも「検査前確率」というものがあります。
つまり、検査をする前にその医者がどれくらいの確率でその病気にかかっていそうか、ということを想像するものです。
ちょっと難しい話になります。
99%の正確さで判定できる検査でも、検査前確率がほぼゼロであれば、
99% x ほぼゼロ = ほぼゼロ
で、結局その病気ではないと判定します。
だったらはじめから検査するなという話ですね。
例えば、
真夏に熱が出て、インフルエンザの検査をして(通常そんなことしませんが)陽性とでても、インフルエンザの診断にはなりません。
一方で、
子供がインフルエンザにかかっていて夫も今日インフルエンザと診断されて、私も微熱が出始めて節々が痛いんです。
この場合は検査前確率がほぼ100%でしょう。
なので検査をして「陰性」とでても、状況的にインフルエンザと診断します。
さらに、
両親もおばあちゃんも、妹もみんなインフルエンザになりました。
私はまだ元気ですけど、日々インフルエンザの脅威にさらされています。
しかも私、受験生なんです!!
こんなときは、抗ウイルス薬の予防投与をしてあげてもいいかもしれませんね。
これは保険が効かず、「自費」となりますが。
マスクについて。
そもそもマスクは感染予防に意味はあるのでしょうか。
結論。ちょっとはあるかもしれません。
とくに、すぐに手を口とか鼻に持ってきてしまう人なんかは、効果的かもです。
そもそも感染は、手についたウイルスがなんかの拍子に体内に入りこんでしまうことにより起こります。
子供が目の前で大きなくしゃみをして、なんて場合にはダイレクトに入ってきますが。
マスクをしていれば、ウイルスのついた手を口にもってきても大丈夫なのかなと思います。
その程度です。
大事なことは、風邪やインフルエンザに「かかっている人」は、絶対にマスクをして!ということです。
そして、みんな、手をよく洗いましょう。
最後にかかってしまった場合、学校や会社は?
学校の場合は、決まってますね。
発熱してから5日間経過し、かつ、解熱後48時間経過している必要があります。
熱があっという間に下がってしまっても、5日間経過していないと出席できません。
会社の場合は?
「おたふく」のときにも書きましたが、ケースバイケースですね。
ということで、みなさん、がんばってこの時期を乗り切りましょう~!