2章「いじめ」
一生ついていくぞ!2章「いじめ」
寮の先輩から、「実習生はいじめられるよ~。」と脅されていた。
それは実習初日から見事に当たってしまった。
申し送りの時に、各科の婦長さんが実習生に「この先輩について教わりなさい。」と指示を受ける。
金魚のフンみたいに私達はその先輩看護婦さんについて歩く。
「○○さん、それやっといて。」と言ってその場を立ち去る先輩看護婦さん…
用事が終わる頃には姿が見えない。
勝手のわからない大きな病院でどこを探せばいいのかわからず途方に暮れる。
その先輩看護婦さんは、私の姿を見つけると走って逃げた。
多分何か質問されるのが怖くて、関わりたくないのだろう。
仕方ないので、患者さんの爪きりや足浴等一人で出来る事をして回った。
大抵の科で同じような目に合った。
先輩看護婦さんがやる事を教えてくれないなら仕方ないので
実習室にこもって、その日のレポートを書いた。
すると婦長さんがやって来て
「まだ病棟でやる事があるでしょう?レポート書くのはそれからでいいから。」と言う。
「でも、先輩看護婦さんがいなくなって何をすればいいのかわからないんです。」とささやかな反論。
しばし沈黙の後、婦長さんが「じゃあ私が指示を出すから、それをやって下さい。」…
実習時間の間は、どうしてもレポートを書かせてはもらえないようだ。