「絵手紙」との出会い7/
シリアの首都ダマスカスでのこと。何気なく歩いていて、いきなり出会った光景。
2010年当時のシリアは、極端に貧しい国ではない印象だった。食べ物は結構豊富で、道行く人もお洒落で快活だった。しかし、底の深い貧困も散見する。不景気といっても、やはり日本では、物売りの子どもが路頭で眠り呆けるということはない。
宿に帰ってから、どうも心がもやもやする。売り子の少年のくすんだ顔の横に転がっていた、売り物のお菓子が妙に脳裏に浮かんできてしかたない。
描かないとどうしょうもないと思う。そんなこともあるんだなと。