つくば市に勤務する友人の紹介で、つくば学園都市の人気の5施設を、ガイドさん付きでなんと820円(=バス代+植物園入園料)で楽しめる「つくばサイエンスツアー」にいってきました。
このツアー、「宇宙好き」「ブラタモリ好き」にはもってこいのツアーとなっています。
【見学施設】
①地図と測量の科学館(国土地理院内)
②筑波実験植物園
③地質標本館
④サイエンス・スクエアつくば
⑤筑波宇宙センター
つくばサイエンスツアーは基本、バス巡回運行ですが、ガイド同行は、事前にWEBで予約します。すると観光ツアーと同じようなスタイルで、ガイドの方が同行し、バス乗車中から、各施設の案内やつくば市などの紹介をしてくれます。
①地図と測量の科学館(国土地理院内)
1階には巨大な日本地図があり3Dメガネをかけてみると、山の高低差はもちろん、海底の地形の高低差も実感できるようになっているのが面白い。
一番新しい地図記号「自然災害伝承碑」は、津波や地震、地滑りなどの災害が起きた場所に設置した碑がある場所を地図で明示することで、ハザードマップの役割を果たしているように思います。
外に出ると巨大な地球と小さな地球があります。
巨大な地球は、地球の表面を実感できるよう、そのまま歩けるようになっており、小さい地球は、奥にある月との距離を実感できるようになっています。
そして太陽の位置はほぼ奥に見える筑波山の場所だとか。
地球と月の距離ってこんなに長いとは思いませんでした。写真の左の奥の方にわずかに月の模型があるのがわかると思います。
この飛行機は引退した測量飛行機
中にはそのコックピットがあり、飛行機の真下から写すカメラが設置されているのがわかります。
第二の人生を地図に捧げた伊能忠敬の測量道具
世界最初の地球儀(レプリカ)で本物はドイツにあるらしい
基準点に使用している石は、小豆島の花崗岩。
地図の測量の博物館の全体像。
その他、「地図」をテーマにしたミュージアムショップなども個性があり、地図好き、地理好きには堪らない施設ですね。
②筑波実験植物園
次に向かったのは、クラウドファンディングで1億円目標のところ、10億円近くを集めたことで話題になった国立科学博物館の施設「筑波実験植物園」。
全世界のあらゆる植物の多様性をここで一覧にして拝観することができる施設。
まず入り口に入り、基本は屋外ですが。。。
ツアーガイドとは別に、地元のシニアのガイドさんが別途ご案内してくれます。
実は敷地内に東京の国立科学博物館の標本の倉庫があるのです。このようにさまざまな動物たちの標本を1階でちょっとだけ開放された場所でガラス越しに見ることができます。
熱帯雨林や砂漠気候の植生は、温帯湿潤気候の日本では、生存できないので、温度湿度管理された室内で観察します。
バナナの木の花って結構、グロテスクです。
アップ写真。
カカオは、来月伺う予定のコートジボワールが生産世界一。
ただし日本に入ってくるカカオはガーナ産がメインでコートジボワール産はあまり輸入されていないようです。
こちらはコンニャクの実。これも相当にグロテスクですが、この植物園のこの季節の「1番の見頃」だそうです。
なんといっても国内初だそうです
③地質標本館
ここは地質学の総本山ともいうべき施設で、まさに「究極」です。午後は、まさに「ブラタモリ全開」ともいっていい「地質標本館」。
地質調査総合センターの敷地内にあります。
ここが入り口。
まず入って上を見上げると、地下から日本列島を見られるようになっています。赤や白のポイントは、地震の震源の場所を指しているとか。
奥には「糸魚川ー静岡構造線 活断層系 岡谷断層」のはぎ取り標本。
壮大なるこの標本も、必見です。
いっけん、よくわからない展示ですが、これは日本列島の地形を海を省いてそのまま表現した展示。
そしていろんな光を当てることで、日本列島の地質図を表現できるようになっている。
これが地質を表現したプロジェクション。
ここに1日中いても飽きないのではないか。ブラタモリが好きな方には涙ものの展示です。
各種、あらゆる種類の石の標本もあります。
したがって、「石」の勉強に、ここほど相応しい施設はないかもしれません。
名残惜しくも、地質標本館を後にし、同じ敷地内にある「サイエンス・スクエアつくば」へ。
ここは国立の産業技術総合研究所が一般の人向けにその最先端の科学技術を紹介する施設。
個人的にはあまり興味がわかなかったものの、理系大好きの方にとってはとても興味深い施設かもしれません。
最後は、もしかしたらこっちの方がメインディッシュかもしれない「JAXA筑波宇宙センター」。
同行ガイドさんの説明もありますが、メインはJAXAのOBの方が専用ガイドとして館内を説明してくれます。
今話題の月着陸した無人探査機「SLIM」は、ピンポイントで月に着陸できた世界初の探査機だそうです(これまで探査機は月面のめざした場所には着陸できなかった)。
はやぶさ2のホンモノ!(全く同じモノをスペアで作っているからココにある)
BSアンテナの人工衛星「ゆり」。展示はその予備機で1978年打ち上げられたものとまったく同じ人工衛星。
その他、「こだま」「だいち」など、今まさに地球の上にある主要な日本の人工衛星と同じものが展示されている。
温室効果ガス観測技術衛生GOSATの観測データを見ると、どんどんCO2の濃度が上がっている様子が、ビジュアルで見られるようになっています。
これを見てしまうと、もう地球温暖化は、いったいどこまでいってしまうんだろう、と思ってしまいます。
各メーカーが開発した宇宙食も展示してあり、
その一部は、別棟のミュージアムショップで購入できるようになっています。
購入したハウスのスペースカレー。一つ税込835円とだいぶ割高ですが、一度トライしてみるのも面白いと思います。賞味期限は、2026年9月だから2年半は保存可能ということか
宇宙ステーションの模型もあって、日本のエリアは一番手前。
これは宇宙ステーション補給機「こうのとり」の試験モデル。
いわゆる宇宙ステーション用の専用コンテナで、ココに補給物資を入れてロケットで宇宙に運び、羽州ステーションにドッキングさせます。
そのままほっとくと宇宙のゴミになってしまうので(ほとんどはゴミになる)、日本では宇宙ごみ削減の方針から、ステーション内の廃棄物を入れて、大気圏に落とすことで焼却するそうです。
各宇宙飛行士の方のサインもあります。
基本、みなさんココに勤めているそうです。
歴代の日本が宇宙に飛ばしたロケットの模型(一部実機と同じものもある)。
今、現役で使用しているH2は1回100億円以上コストがかかっている一方、米国で運用しているイーロン・マスクのスペースXは、60億円程度とコストで全く太刀打ちできない状況。
したがって今、60億円程度で飛ばすことのできるH3ロケットを開発中なんですが、ご存知のようにまだ失敗続きで未完成。
これがH2ロケットのホンモノ(実機)。屋外のロケット広場で展示されています。
それにしもこのツアーは1日では物足りません。
同行ガイドの方もおっしゃってましたが、これを機会に個別の施設を再度訪れてじっくり見てほしいとのこと。
私も地質標本館は、別途じっくりまた見学したいと思います。