4月の雪
まだ雪が多くて
道ではないところを散歩すると
膝の上まで沈んじゃうけど
空が明るいので気持ちがいい
風があって少し吹雪いていると
余計に気持ちがよくて
学生の頃に読んだ村上春樹さんの
「風の歌を聞け」という本のことを思い出す
少し首を傾げて耳を澄ませると
(ニット帽の耳の部分を少し持ち上げて)
風の歌はなかなかいいもので
わりといつまででも聞いていられるから不思議です
上空でサークルを描いているワシとか
少し下ったところで木をかじっているシカとかも
同じ風の音を聞いているのかと思うと
思わずフフフと笑ってしまったりして
ああ、なんて贅沢な暮らし
人からは不便ねと気の毒がられたりするけれど
この豊かさに比べたら便利さなんて
ちっともいらないと思ってしまいます
こどもの数は
夏の間
家の周辺は放牧中の羊がたくさんいます
お父さん羊たちは別の場所にいて
母羊と子羊だけの群れ
ほとんどのお母さん羊は二頭の子羊を連れていますが
中には一頭や三頭の子羊を持つお母さんもいて
ひとりっ子で育った子羊は目に見えて体格がいいし
三兄弟では優劣がついて一頭だけとても小さかったりします
羊のおっぱいはふたつだから
二頭がちょうどいいのね、きっと、と
二頭同時授乳を見ながらぼんやり思っていたら
ふと疑問が
おっぱいがふたつあるのに
一度に一人産むのが一般的な人間は
ミルクの生産性が羊よりも低いということ?
それとも立って歩けるようになるのに一年かかるせいで
二本の腕で抱っこできる数が基準になっているの?
動物を見ていると
いろいろと考えさせられることがあります
こどもが三頭もいるのに
よその子が混じってきても動じないお母さん羊
すごいわ。。