昨日行われた、日本対中国戦、そして今日行われた日本対中国戦。いずれも、来年のリオ五輪を目指した戦いでしたが、くっきりと明暗が分かれました。

 リオ五輪出場を決めたのは、女子バスケットボール日本代表でした。昨日行われた女子アジア選手権決勝戦で、中国と対戦し、身長で上回る相手に対してスピードで上回り、85-50という大差で勝利。3大会ぶりに五輪出場を決めました。素晴らしいことです。

 実は、皆さんもご存知のように、日本のバスケットボール協会は、国際バスケットボール連盟(FIBA)から受けた国際試合禁止処分を乗り越え、日本の団体球技でリオ五輪出場、一番乗りを果たしました。
 女子バスケットボールは、もしかしたらリオ五輪への道が閉ざされるかもという危機にありました。国内で男子のトップリーグが二つ存在する状態が続き、FIBAから警告を受けてきたにもかかわらず併存を解消できず、昨年11月には女子を含め、全ての国際試合を無期限で禁じられました。その結果、日本が出場するはずだった19歳以下の女子世界選手権を諦めるしかありませんでした。この危機をサッカー界の元チェアマンであった川渕さんの力を借りてなんとか脱し、来秋の統一新リーグ開幕に道筋がつき、制裁解除が正式に決定したのは、8月9日でした。
 キャプテンの吉田亜沙美選手は、こう言っています。
「予選に出られることも当たり前ではないということを知った。関係者の努力で制裁が解除され、感謝の気持ちでいっぱい。だから、五輪に出るのは絶対条件」
 こうした思いが、3大会ぶりに五輪出場を決める原動力になったようです。おめでとうございます。出るだけでなく、上位を狙うと吉田キャプテンは宣言。頑張って欲しいですね。



 一方、今夜、もう一つの中国戦がありました。ワールドカップバレーを戦っている火の鳥Nippon。今夜は最終戦、対戦相手は、この日の勝利で五輪切符と大会優勝を目指す中国。日本は、今日の試合に勝っても、2位以内に入れず、リオの五輪切符は取れない状況。そうした背景の中、試合はスタートしました。日本は、1セット目を取り、もしやと思わせましたが、徐々に中国の高さに圧倒され、結局は1-3で負けてしまいました。

 中国は、ワールドカップバレーで見事優勝。そして、リオ五輪の切符を手にしました。中国の強みは、高さです。今大会参加国の中で一番平均身長が高いチームでした。エースの、シュテイは195センチの高さから、バンバン鋭角にアタックを決めてきます。日本は、それを拾って反撃しなければならないのですが、中々拾えませんでした。

 ロンドン五輪で28年ぶりに銅メダルを取った日本女子。その時、準決勝進出を争ったのが中国でした。フルセットまでもつれましたが、日本に敗れた中国は、4大会ぶりにメダルなしに終わりました。この時の悔しさが、今大会のモチベーションになっていたようです。

 日本女子は、来年5月に行われる世界最終予選兼アジア大陸予選において、アジアNo1にならなければ、五輪出場が出来ません。アジアのライバルは、韓国とタイになると思いますが、これまでの実績から言えば、今の時点では日本が実力は上です。しかし、来年5月には、その力関係はどうなっているか分かりません。まだまだ五輪出場は、予断を許さないと言ったところです。



 来年2月には、なでしこジャパンも、リオ五輪の切符をかけてアジア予選を戦います。こちらも、厳しい戦いが予想されます。若い力も伸びて欲しいですね。なでしこジャパンの底上げが必要です。