Mark Levinson ML-10A | 禁断のKRELL

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Mark Levinson ML-10A 1984年 アメリカ ¥1,250,000





MLAS最後の輝き




ついにやってきた最後のオールドレビンソン、ML-10A プリアンプ。
1980年当時にはレビンソンもMLASの製品作りにタッチさせてもらえなくなっていたし、
本機の開発年である1984年にはコランジェロも既にMLASを退いている。
(Cello創立が1984年) 天才エンジニア、トム・コランジェロ設計のML-7を元に、
MLASの開発陣が総力を結集して生み出したMLAS最後の作品である。
(最後が1986年のML-6BLだったと思うが、こちらはハーマンの取り扱い品)
この前にはML-12Aというプリもあるが、廉価版であり世評も芳しくない。
筆者はML-12AとML-11という純正組み合わせで聴いたことが有るが、
このオールドレビンソンの純正ペアは非常にナローレンジでスモーキーな
濃厚レビンソンサウンドだった。「廉価版ということで期待外れなのでは?」
「いや、レビンソンはやっぱりレビンソンですよ」 ディーラーのコメントが思い出された。
ML-10、ML-12と来て最後に出来の良かったML-10の改良版のML-10Aを出した
という流れ。ML-2Lパワーアンプも上も下も極端に出ていない、とてもナローレンジな
アンプでしたが、それと引き換えに中低域の太さと濃さは尋常ではなかった。
MLASのプリとパワーを揃えないと本当のレビンソンの音は聴けないのでは?
そう思わせるものがある。



ML-10Aは、天才エンジニア、トム・コランジェロ設計のML-10のパーツを120ヵ所以上も
性能の良い新しい素子に乗せ換えてブラッシュアップしたモデル。日本未発売。
アメリカ本国では大変な人気モデルだったようです。
実質的に最後のMLAS(マークレビンソン・オーディオ・システムズ)の製品です。
マークレビンソンブランドは伝統的にプリが特に優れているとされています。
プリアンプは素子の年代によって基本性能(S/N比やFレンジ感、鮮度感、分解能など)が
著しく支配されるので一番新しい素子を積んだこのML-10Aは非常に価値があります。
その理由はML-10Aと併売していたMADRIGAL(マドリガル・オーディオ)へ体制が
変わってからの後継機、№26Lも名作だと評価が高いですが、
「血沸き、肉躍る」の青臭さの残る「熱く厚い」伝統のレビンソンサウンドからは
ガラリと一変して「暗いトーンで冷たく、妖しいまでの色彩感」で音楽を描写する傾向に
大きく音が変わってしまったからです。



非常に躍動感があって、音像の隈取が太く、彫りが深い、強靭な実体感。
熱に浮かされるような、まさに情熱的サウンド。
抜群の訴求力(アピール)を
そなえた音。波動のような凄低音が速射砲のように矢継ぎ早に繰り出される様は
圧巻!このプリを通して聴く音楽の愉しいこと!そして聴かせる音楽のなんと
魅力的なこと!
以前使っていたML-1L後期型と比較すると、ML-1Lがスッキリした
低音に感じられるほどML-10Aの中低音は太く、深く沈み込み、重厚です。
(後期のML-1Lはやや細身の音)クラシック向きのCelloと比較すると、
ジャズ向きのオールドレビンソンといった趣きで、モデルチェンジを重ねて
大人しくなったとか、温厚なキャラクターになったわけではなく、
迫力という点でもML-1LやJC-2とまったく遜色ないジャジャ馬であり、
弾けっぷりで、気取った音を聴かせることもない。
LNP-2Lなどの業務用機とは
違って、オーディオマニアに最大限媚びてくれるサウンドです。
女性ボーカルはビッグマウスで前に大きく張り出してくる感じで熱っぽく訴えかけてきます!
オールドレビンソンはやはり目を見張るような蠱惑的な再生音を聴かせてくれます!















ML-1Lとどちらが良いか?」 という質問には即答できない。どちらも互いに置き換えられない

魅力がある。「よい勝負ではないだろうか?」 低音が出るML-10Aは魅力的だ。


これからじっくりと聴きこんでみて結論を出したい。






GAS AMPZILLA 初代 との組み合わせで聴きました。


相性はまさに最高ですね!