さて、今回ご紹介するのは、ボサノヴァの創成期に大きな貢献をし、その後も活躍を続けている超大物アーティスト、ジョアン・ジルベルト(Joao Gilberto)の2000年の作品、「JOAO VOZ E VIOLAO」(邦題:ジョアン 声とギター)です。

ジャケットはこちら。
JOAO VOZ E VIOLAO/Joao Gilberto
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(実売は¥1485 で、残り在庫は2点です。)

国内版はこちら(試聴できます)。

ジョアン 声とギター/ジョアン・ジルベルト
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(こちらは、在庫に余裕があるようで、実売は、¥2071 で、アマゾンポイントが20ポイント付きます。是非、ご試聴だけでもなさってみて下さい)

国内版のタイトル通り、ジョアンの声とギターだけの、極めてシンプルなアルバムなのですが、「侘び寂び」を感じるというか、非常に癒されるナンバーです。本当に、落ち込んで、誰とも口をききたくないような時に、寄り添ってくれる音楽です。

最初に価格の都合上、輸入版を載せましたが、曲名は、ポルトガル語だと訳がわからないので、日本語と致します。全10曲です。

1曲目、「サンバがサンバであるからには」

アルバムの冒頭を飾る、優しさに満ちた、ジョアンのヴォーカルとギターです。トップバッターとしては、控えめな感じの一曲ですが、充分に、ジョアンの持ち味が1曲目から出ています。

2曲目、「思い知るがいいさ」

アルバムコンセプトが一貫していて、ジャケットの「シー(静かに!」という女性の口にあてた指からも分かるように、終始、シンプルで、やさしく、静かな曲調のアルバムです。
「思い知るがいいさ」というタイトルでも、アグレッシブな感じは全くありません。円熟の域に達した、ボサノヴァの巨人の達観した演奏をお楽しみください。

3曲目、「エクリプス」

2曲目よりは、ほんの少し、トーンダウンして、静けさの中のヴォーカルとギターに磨きがかかります。本当に、癒されるナンバー、アルバムです。

4曲目、「僕は家には戻らない」

ちょっと、陽気な感じが漂う、ナンバーです。

私は、買った時は、どれも同じ曲に聴こえたのですが、年月を重ねるにつれ、シンプルなだけではない、それぞれの曲の個性、ジョアンのマンネリを防ぐ工夫、努力が、分かるようになってきました。

アルバムコンセプトは確かに一貫しているのですが、決して、平板なつまらないアルバムではありません。微妙な機微の起伏にむしろ富んでいます。

5曲目「デサフィナ―ド」

有名な曲ですね。昨日もご紹介しましたね。とてもギター一本とは思えない、情感溢れる、音の厚みのある一曲です。とにかく、ひたすら美しい名曲ですので、是非、お聴きになってみて下さい。

6曲目、「バイ―ア生まれ」

少し、前曲よりは、静けさが増したというか、独白のような歌い方になっています。(ささやく声も入っています)非常に心が落ち着く、名演奏です。

7曲目、「コラサォン・ヴォガブンド」

前曲以上に、「侘び寂び」の感を強く覚えるナンバーです。しかし、このアルバム全体を通して言えることですが、いい意味で「枯れて」いるだけで、アーティストとして、「衰えている」わけではないので、その点は、誤解なさらないで下さい。

8曲目、「罪の色」

これも、タイトルとは反対に、ほのかに陽気で、はかなげな一曲です。前曲よりは、明るめの曲調になっています。ヴォーカルとギターのボサノヴァで、これだけのヴァリエーションに富んだ演奏ができるのかと、感服する演奏です。

9曲目、「秘密」

非常に切なく、それでいて、大袈裟でない、静かな名曲、名演奏です。このアルバムの中でも、特に「ささやく」ようなヴォーカルが印象的です。

10曲目、最後の曲、「想い溢れて」

アルバムの最後にふさわしい、叙情性溢れるナンバーですね。割と、このアルバムにしては、ヴォーカルもギターもヴァイタリティに溢れています。(他が元気がないという意味ではありません。曲調や、演奏法のありようが、ということです)

以上、ご紹介して参りましたが、いかがだったでしょうか?大変優れたアルバムですので、是非、ご試聴だけでもなさってみて下さい。

今回も最後までお付き合い頂き、誠に、ありがとうございました。