As time goes by |  * サ サ キ セ イ サ ク シ ョ *

 * サ サ キ セ イ サ ク シ ョ *

  ・Tシャツ、シルクスクリーンの事 ・適当に生きてる様を暴露してます








$*佐 佐 木 制 作 所*




ある日 電車に乗っていたときの事である

途中の駅から50代前後のサラリーマンが乗って来た

そのおじさんサラリーマンは見るからに酔っぱらいだった

手にお土産のお寿司の折り詰めを持たせてあげたいくらいの

絵に描いた様なカトちゃん並の酔っぱらいぶりで

ふらふらと千鳥足で 俺の隣の席にぐったりと腰掛けた


(ちっ)


っと、ココロの中で舌打ちをした


周りに酒の匂いが漂う...

俺は横目でそのおじさんを観察していた

おじさんはちょっと大きめの独り言をブツブツつぶやいていた


「困っちゃったなぁ....」

「ほんとに 困っちゃったなぁ....」


っと、なんだか酔っぱらいながらもお困りのご様子

そして、スーツやズボンのポケットを緩慢な動作でまさぐり始めた...


「困っちゃったなぁ...まったく部長は

なんで あんな若造を連れて行ったんだ...」


「ほんとに 困っちゃっうよなぁ....」

聞き耳情報によると部長の出張に若手社員をお供に連れて行ったらしい

それから延々「困っちゃったなぁ」を連発しながら

スーツやズボンのあらゆるポケットをゴソゴソとまさぐり

会社の愚痴をこぼしまくる 

絵に描いた様な酔っぱらいぶりに

俺は いつしか笑いのツボを押されてしまった

ジワーッと効いて来るボディブローのような笑いのツボだ

静まりかえった電車の中で笑いをこらえるため

手に持っていたタウン誌で口元を隠し

ジッと笑いをこらえようと横目観察の視線を前方に向けると

真向かいの席の眼鏡のOLさんが文庫本を口元にあて

眼鏡の奥の瞳が三日月目になっていた


(あっ この子もボディーブローが効いてる...)


っと思った瞬間 眼鏡のOLさんと目が合ってしまった

そして瞬時におねいさんも俺が笑いをこらえてる事を察知したらしく

眉間にしわを寄せてコメカミをヒクヒクしはじめた



笑ってはいけない状況下で

おねいさんが必死に笑いをこらえるているのもツボに刺さってしまった

ヒクつくおねいさんのコメカミにツボを押され俺は肩をプルプル震わせた。

きっとおねいさんは、ヒクつくおねいさんのコメカミにツボを押され

肩をプルプル震わせる俺を見ながら眉間のシワをより深く刻む

そして俺は ヒクつくおねいさんのコメカミにツボを押され

肩をプルプル震わせる俺を見ながら眉間のシワをより深く刻むおねいさんを見ながら

腹筋に痙攣を起こした様な振動で顔を隠してるタウン誌が小刻みに震える

そしておねいさんは ヒクつく........


こうして静まり返った電車の中で知らない男と女は笑いのスピードを加速していく...

俺はその笑いのスパイラルに耐えきれずにタウン誌に顔を埋め視線を遮断した



その間も相変わらず 絵に描いた様な酔っぱらいの企業戦士は

Yシャツのポケットやスーツの内ポケットをまさぐりながら

会社の愚痴をいい「困っちゃたなぁー」を連発している.....






「ヨコハマ~~ ヨコハマ~~ お降りの方は.....」



車内放送と供に 電車スピードを落として横浜の駅に滑り込む




酔っぱらいのおじさんはへろへろと立ち上がり


相変わらずポケットをまさぐりながら


「困っちゃったなぁ.....切符どこに入れたんだろ.....」


っと ちょっと大きな独り言を残し


ヨタヨタと千鳥足で電車を降りて行った.....









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